知研読書会(第26回)を開催。
- 「国民的熱狂をつくってはいけない」「抽象的観念論を好み、具体的理性的な方法論を検討しなかった」「タコツボ社会の集団主義の弊害」「終戦にいたる国際的常識を理解していなかった」「大局観・複眼的考え方がなく、対症療法、短兵急な発想に終始した」。
- 軍部の暴走、マスコミの扇動、国民の熱狂、冷静さの喪失、責任者の無責任、人事の怖さ、世界情勢に対する感度不足、情報戦での敗北、、、など感ずるところが大であった。
この昭和史には、日本人自身の陥りやすい欠点がすべて込められていると思う。以下、私の読書歴。


以下、都築さんの報告から。
1997年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したのもむべなるかなと思うほど、誠実だが圧倒的な迫力のある作品に仕上がっていた。
5年前に読んだ『凡宰伝』は、小渕恵三の伝記である。小渕恵三は「凡人」ではあったが、凡人ではなかった。評伝を書くために多くの関係者と本人にも取材をした佐野眞一は小渕を「超凡人」と結論づけている。政治家になろうとした大学時代から、運を味方につけながらあらゆることに手を出して人格改造を行ったのだ。小渕恵三の62年の人生は、凡人を自覚した凡人が、凡人を装いながらふてぶてしく凡人を越えていく物語であった。
佐野自身の分類によると膨大な書籍のテーマは、3つである。
10年前に読んだ『旅する巨人』では、常民・宮本にも子爵・渋沢にも、そしてこの本を書いた佐野の徹底した取材ぶりにも感銘を受けた。取材で訪れた場所の多さ、また「取材協力者一覧」に記された人々の名前の多さ、そして「主要参考文献一覧」に記された文献の数々、、。まさに膨大な調査と徹底したフィールドワークをもとに築きあげられた珠玉の作品である。
5年前に読んだ『凡宰伝』。小渕恵三は「凡人」ではあったが、凡人ではなかった。評伝を書くために多くの関係者と本人にも取材をした佐野眞一は小渕を「超凡人」と結論づけている。政治家になろうとした大学時代から、運を味方につけながらあらゆることに手を出して人格改造を行ったのだ。小渕恵三の62年の人生は、凡人を自覚した凡人が、凡人を装いながらふてぶてしく凡人を越えていく物語だった。- 「高度成長」:『遠い「山びこ」』『巨怪伝』『旅する巨人』『カリスマ』『あんぽん』。
- 「満州」:『阿片王 満州の夜と霧』『甘粕正彦 乱心の曠野』。
- 「沖縄」:『沖縄 だれにも書かれなかった戦後史』『僕の島は戦場だった』。
2000年の『東電OL殺人事件』から、2012年に橋本徹論でバッシングを受けた10年余で30冊近い本を書いている。橋本徹論きっかけとなり、佐野自身の剽窃行為が暴露され、以降勢いがなくなった。
- 「ノンフィクションは主人公より、時に本道を外れた脇役によって輝く文芸である。脇役の陰が濃くなければ、主人公の輝きも増さない。私はそう信じてこれまでノンフィクションを書きつづけてきた」
- 「平成の日本人が腑抜けなのは、バブル崩壊後に失われた20年があって、世界第二位の経済大国の座は中国に奪われてもまだ「高度経済成長のあの頃」を夢想していることだよ」
冒頭に掲げた「社会にも身体性というものがあるんだよ。」の後には、「働くことも、生きることもそう。身をよじるほどの痛みや息苦しさがある。世の中、そんなきれいになんかできていない。」と続く。ノンフィクションは、それを書こうとした新しいジャンルなのだと理解しておこう。






