NHKラジオ深夜便の聞き逃し配信で、散髪に向かうウオーキング(8500歩)の途中で画家と作家、3人のインタビューを聴く。
- 「山口晃」:気負うことがない自然体の語り口だった。あまり外に出ずに仕事をするタイプだから、絵のすごさの割には本人は知られていないことに納得した。「現代の大和絵」といわれる超絶的な鳥瞰図法は魅力がある。現代の風景や建物に、中世、近世、近代、そして現代の人物が違和感なく配置されている。空間だけでなく、時間をも含めた大きなる鳥瞰図。会田誠とよく対比される。
- 「佐藤愛子」:100歳になった。のんびりすると鬱になるから仕事をする。人間は仕事をするようにできている。そういう語りだった。感性の強い向こう見ずの父と理性的な論客の母の血を受け継いでいるとの自画像を語っていた。佐藤紅緑と妻の女優・三笠万里子の間にできた子供で、ハチローとは異母兄弟となる。佐藤家は変人が多く出ており、愛子の『血脈』に詳しい。「まともに育たないのは佐藤家の家系らしい」。「結婚生活で大切なことは、、、、慢性の病気を克服していくように、少しづつ理想へ足元を踏み固めていくことだと思う」「80代までは年のことなんか感じることなかった」 『九十歳。何がめでたい』(小学館)は90万部を超えるベストセラー本。
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- 「イコール」編集長会議:橘川・田原と進捗と情報共有。
- 「人物記念館ミュージアム」:全体図、データベース。
- 「アクティブ・シニア革命」編集ミーティング:都築・近藤と、投稿などを編集の視点でチェック。
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「名言との対話」10月11日。仙谷由人「より正しいことを言っている方が、選挙で負ける」
仙谷 由人(せんごく よしと、1946年(昭和21年)1月15日 - 2018年(平成30年)10月11日)は、日本の政治家、弁護士。享年72。
徳島市出身。東大時代は左翼系学生運動家でフロント(社会主義同盟)のシンパだった。5回生在学中に司法試験に合格し中退。自治労の組織内候補として1990年に出馬し社会党の議員になる。1993年落選。
1996年民主党から当選する。2009年8月に民主党が政権を獲得すると、鳩山内閣で行政刷新相として初入閣し、次に内閣府特命担当大臣(「新しい公共」担当)に任命された。次いで菅内閣の官房長官を務め、優れた能力と多彩な人脈を駆使し的確な判断と指示を行い、高飛車な姿勢とも相まって「影の総理」の異名を取った。「赤い後藤田」との異称もある辣腕ぶりだった。
その後、法務大臣、民主党代表代行などを歴任した。2012年落選。2年後に引退。民主党では、反小沢一郎勢力の旗頭として活動する政治姿勢が私の記憶にある。
官房長官時代の「自衛隊は暴力装置」発言が物議をかもし、実力組織と言い直した。また2000年に起きた中国との領土問題のある尖閣列島沖中国漁船衝突事件では、衝突シーンが映っているビデオ映像の公表が遅れ、那覇地検は仙谷の意に沿って処分保留のまま釈放するという決着を図ったことには批判も多い。行政刷新相として事業仕分けも推進している。
「暴力装置」という表現については、石破茂は「警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の定義」だとして認めていたとして、後に仙谷は反論している。
2018年の自民党総裁選で善戦し敗れたばかりの石破茂と対談し、今の時代は「より正しいことを言っている方が、選挙で負ける」として、石破の方が政策的に正しかったからこそ負けたとの持論を展開し慰めている。この言葉は民主党の代表選びや、自身の選挙での落選も踏まえての感慨だろう。
2024年9月の自民党総裁選で石破は勝った。総選挙は、与野党が入り乱れて、どういう結末になるかはわからない。「選挙で負けた方が正しい」となるのかどうか。