11月の「幸福塾」のテーマは「座右の銘」。
座右の銘とは何か。はげまし・なぐさめ・いましめ。200人近い人物の座右の銘を紹介。政党の党首の座右の銘。座右の銘をテーマとした書籍の紹介。
少し詳しく紹介した人物とその座右の銘:中松義郎。大橋巨泉。宿沢広朗。山本周五郎。松井秀喜。司馬遼太郎。山崎豊子。大平正芳。湯川秀樹。城山三郎。林望。塩川正十郎。西郷隆盛。木原明。高野悦子。仲野徹。田沼武能。童門冬二。宇野修。小沢一郎。
座右の銘は、その人物の生涯とからめて理解したい。
数を増やす。時代順。男女別。名言との対比。、、、、、
以下、塾生の学び。
- 久恒先生、みなさま、本日もありがとうございました。今回は「座右の銘」をテーマに、近現代の延べ170人ほどの方の座右の銘が紹介されました。四字熟語であったり、仏教の教えであったり、先人の言葉であったり、いろいろな言葉がありましたが、特に印象に残ったのは、蟹江ぎんさんの「日々是好日」でした。100歳になった双子姉妹のCMを思い出しながら、108年の人生を過ごされた方の座右の銘だと考えると、すごく深みのある言葉のような気がしました。座右の銘は日ごろから心に留めておく言葉なので、どのように意識するかで違ってくるとのこと。また、一つとは限りませんから、時と場合によって変化しているように思います。即ち、座右の銘を自分を戒めるためのものとして考えるのか、励ましとして捉えるのかで選ぶ言葉が変わるということ。 講義の後半に座右の銘に関する書籍がいくつか紹介されましたが、私は特定の人のメッセージが書かれた日めくりカレンダー(31枚綴り)を複数持っていて、朝それらを見て、その日の過ごし方のヒントにしたり、夜見るときは、次の日に向けた気持ちの切り替えのきっかけにしたりして活用しています。これまで、これらのメッセージに何度となく助けられましたし、励ましてもらってます。新約聖書に「はじめに言葉があった」とあるように、人は言葉によって思考するので、いろいろな言葉を知ることは大変重要なこと。これからも学び続けたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
- 久恒先生、みなさま、本日は幸福塾ありがとうございました。今日は「座右の銘」についてでした。座右の銘とは、自分の右側(=すぐそば)に置いておくべき大切な言葉、とのことですが、先人や偉人たちの2百近くの「座右の銘」をシャワーのように浴びて、座右の銘とは何かを考える貴重な機会となりました。ご紹介いただいた中で印象に残った言葉は、吉田直哉「良い問いは答えより重要だ」、宿沢広朗「努力は運を支配する」、山崎豊子「努力する限り人間は迷うだろう」、田嶋一雄「難有り有難し」などでした。座右の銘とは、自分への戒めであるとともに、人に励ましを与えることばであるとのこと。確かに、思わず襟を正す気持ちにさせられたり、背中を押してもらったりと、行動に繋がる力を持つ言葉だと思いました。また、四字熟語や短く韻を踏むような言葉も多く、それだけでも面白く感じるものもありました。例えば、童門冬二の座右の銘「起承転転」(高見順)や、丸谷金保「慌てず、焦らず、諦めず」、赤松重明「縁ありて花開き、恩ありて実を結ぶ」など。青木功の「体技心」(まず身体、次に技術、最後に心)なども面白く感じました。また、座右の銘はその人の人生観や生き様も表しているとのことで、そのような視点から、自分の心に響くことばを探してみるのも面白いと思いました。改めて自分の「座右の銘」を探しておきたいと思います。ありがとうございました。
- 本日の「新・代表的日本人」は「近現代の偉人の『座右の銘』」。今日はメモを取るのに手が痛くなるくらい次々と多くの人たちの「座右の銘」が紹介されました。はじめに座右の銘には「励まし」「慰め」「戒め」の3つがあり、一言で最もよく表しているのが五木寛之の「慈悲」ということでした。これには納得がいきました。紹介された座右の銘の中には、その人のオリジナルのものもあれば、どこかで聞いたことがあるというのもありました。いずれにしても、言葉だけを切り取るのではなく、背景をしっかり知ることが必要だと知りました。特に、親とか、先生とか友人など人間関係の中で得られ、それがいつまでも残るということがあると思います。つまり、関係性が重要なわけです。紹介された座右の銘の中には、日々の暮らしの中で常に心に留めておくものと、ある瞬間に大いに助けになるものがあると思います。例えば、塩川正十郎の「進むは他人に任せ、退くは自分で決めよ」というのは人生の岐路に立ったときに指針になる言葉だと思いますし、豊田章一郎の「誠実は美鋼を生む」などは色紙などを見上げて日々心に留めるものでしょう。最も印象に残ったのは長岡京を発見した中山修一の「人の行く裏に道あり花の山」という言葉です。立憲民主党党首の野田佳彦の「どじょうがさ、金魚のまねすることねえんだよな。」というのもなかなか味わい深いものでした。最後に流行歌の歌詞にも「励まし」や「慰め」の役割があるということが出ましたが、確かにそのとおりだと思います。今後も楽しみにしております。
-
本日もありがとうございました。座右の銘とは、励ましの語、戒める語、慰めの語。。。自分を戒めるために使った言葉が、それを聞いた人にとっては、励ましや、慰めとなる言葉、のことかなと、本日の講義を受けて思いました。自分がこうありたい、と思うことを、助けてくれる言葉のことなんだろうなぁと、思いました。時と場所によってかわりそうです。次回もよろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「名言との対話」11月13日。ロナルド・ドーア「誰のための会社にするか」
ロナルド・フィリップ・ドーア(1925年2月1日 - 2018年11月13日)は、イギリスの社会学者。享年93。
英国ボーンマス出身。第2次大戦中に日本語を学び、戦後に日本へ留学。近現代の日本社会の生活様式や学歴社会、日本的経営など様々な分野について、各国との比較研究を行った。ロンドン大学のほか、カナダや米国でも教壇に立った。
専攻は日本の経済および社会構造、資本主義の比較研究で、知日派として知られる。実地調査に基づく理論構築に優れ、社会学のみならず、経済学、人類学、歴史学、比較産業研究の各分野に貢献した。 ロンドン大学教授、同志社大学名誉文化博士。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス特別研究員、英国学士院会員、アメリカ芸術科学アカデミー会員、日本学士院客員。
日本に関する著書は多い。『都市の日本人』 1962。『日本の農地改革』1965。『江戸時代の教育』 1970。『学歴社会新しい文明病 1978 。『貿易摩擦の社会学 イギリスと日本』1986。『イギリスの工場・日本の工場 労使関係の比較社会学』 1987 。『21世紀は個人主義の時代か 西欧の系譜と日本1991『「こうしよう」と言える日本』朝日新聞社 1993。『不思議な国日本』 1994。『「公」を「私」すべからず やっぱり不思議な国日本』 1997。『日本型資本主義と市場主義の衝突 日・独対アングロサクソン』 2001。『働くということ グローバル化と労働の新しい意味』 2005。『誰のための会社にするか』 2006。『金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱』2011。『日本の転機 ─米中の狭間でどう生き残るか』 2012。『幻滅 外国人社会学者が見た戦後日本70年』 2014。
2006年刊行の『誰のための会社にするか』(岩波新書)を改めて読んだ。ドーアについては、1979年に私がJAL勤務の20代の頃に社内向けの「ロンドン空港労務事情」を書いた当時から、この論客の名前は知っていた。日本的経営を評価する学者だった。
株主主権企業への流れをせきとめて、ステークホルダー企業を定着させるべきだ。人間関係、社会的効果からこちらの方が望ましい。株主、従業員、債権者、同業他社、下請け企業、地域社会、、。今までは従業員を優先する性格が多少強すぎた面はあるが、ステークホルダーを大事にするのが日本のテーマだ。以上がドーアの主張であった。それから20年経って、「従業員を優先する性格」は失われた感がある。日本的経営は変化してしまった。
「会社はだれのものか」ではなく、「誰のための会社にするか」というタイトルは、今からどうするか、という問題意識で日本が分析され、進むべき道のアドバイスが記載されている。グローバルの流れとは一線を画して日本型の経営を時代に合わせて深化させ、進化させよという主張には納得したが、それは実現できなかったようである。