リレー講座:浜矩子「これからどうなるグローバル経済と日本」。

副学長日誌・171116

・こえラボの岡田社長来訪:ポッドキャスト配信の打ち合わせ

・杉田先生:学部運営委員会

・金先生:ディプロマポリシー

・小西先生:ディプロマポリシー

・黒瀬学生課長:多摩祭の総括。OB会の方向性。

・彩藤先生

・杉本係長:戦略会議

・高橋茂人さん来訪:知研の打ち合わせ。

・リレー講座の浜矩子先生と懇談

・本日のリレー講座:同志社大学の浜矩子先生「これからどうなるグローバル経済と日本--反グローバルの落とし穴」

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 ・グローバル時代とは何か:スケールの大きさと速い速度のグローバル化。格差と貧困。人に冷たい世の中。これに対し、フランスの極右ルペン党首「右も左もない。グローバルと愛国の対決だ」という国粋主義の危険な主張の登場。そうではなく、グローバリズムとどうつき合うかが重要だ。

・グローバル時代の本質1:誰も一人では生きていけない時代。3・11後の福島の部品メーカーの操業停止で世界中で自動車生産が止まった。支え合う共生の生態系ができている。本質2:誰も親分になれない時代。突出できない、、、。グローバル時代は仲良くやらざるを得ない時代だ。3つの落とし穴がある。

・1:引きこもり型落とし穴:トランプ大統領。2:拡張主義型落とし穴:安部首相。共通点は幼児性凶暴性(ヒステリー・大人の感性の欠如・反撃・被害妄想)と人のために泣くことができない(もらい泣きはない)。相違点:引きこもり型のトランプ大統領就任演説170120「アメリカ・ファースト」。拡張型の安部首相の170120の施政演説「世界の真中で輝く国造り」。誇大妄想。「ASEAN、オーストラリア、インドと環太平洋諸国」。大東亜共栄圏より広い。戦後レジームからの脱却とは戦前の大日本帝国への帰りだ。一見オープンにみえるのがやっかいだ。安部「TPPは経済的価値だけでなく、戦略的価値が重要」。これは21石版大東亜共栄圏という下心。

・人殺しの落とし穴:働き方改革は労働生産性の向上がテーマ。実行計画では「同一賃金」「長時間労働の是正」「柔軟で多様な働き方」を提示。労働法制で縛られないフリーランサーの勧めであり、労働者の権利は保全されない。一見よさげに聞こえるが、人を使い倒す、人殺しの落とし穴だ。気をつけよ!

 

18時: 荻窪の日本地域社会研究所での3木会:落合社長、岡田さん、哲学者、池淵さん、、。

 

「名言との対話」11月16日。石田退三「金ができたら設備の方へ回せ。人間で能率を上げてはいかん。機械で能率をあげよ」

石田 退三(いしだ たいぞう、旧姓澤田、1888年11月16日 - 1979年9月18日)は、元豊田自動織機製作所(現豊田自動織機)社長、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)の社長会長。

石田退三は戦後のトヨタ自動車の立て直しを行った人物で、豊田英二とともにトヨタ中興の祖と呼ばれ、トヨタの無借金経営体質を築いた。

「とにかく、世の中を生きていくには、何か一つの業界で「ああ、あの男か」といわれるところまでのしておけば、一度や二度どんな失敗があっても、かならず再び起ち上れるものだ。」

 「トヨタを追撃するという姿勢でなく、いい品物をつくって出すという考えでないとトヨタを追撃できませんよ。」

豊田喜一郎が人員整理の責任を取り辞任した後に、1950年の大規模ストライキ中にトヨタ自動車工業社長となった。そのとき「誰もやり手がなければやってもいい。ただし、私に任せる以上は、はたからクチバシを入れるのは一切差し控えてもらいたい」と条件をつけた。

冒頭の言葉は、激しい労使交渉を経験した後に語った言葉である。能率を上げるのは機械だ、人ではない。石田退三の経営方針は人を大事にすることだった。無借金経営を実現したカネの使い方もそうだが、ヒトの使い方についても、温かい方針を貫いた経営者である。このような石田退三の精神が今日のトヨタ自動車の骨格をつくったのだ。