「原爆体験記」(広島市原爆体験記刊行会編)を読む

平和記念資料館で井伏鱒二の「黒い雨」とともに買った朝日選書「原爆体験記」を読んだ。昭和25年に書かれた18編と昭和40年に募集した11編をもって一冊にしたものである。

「あっ、落下傘だ」「爆心に生き残る」「友に助けられつつ」「汚水の味」「ケロイドを残して」「ガラスの破片に想う」「めしいとなりて」「兄も間違えた顔」、、、、。

平和記念資料館の惨状を示す写真や音声や像などを思い浮かべながら読みすすんだ。

今年は原爆投下から60年にあたる。投下直後、75年間は草木も生えないと言われた(それは2020年)が、現在の広島は緑豊かな一大都市として見事に復興を果たしている。自然の生命力と人間の力の大きさに改めて感銘を受ける。