- 作者: 古市憲寿
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/04/17
- メディア: 単行本
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この本でいちばん面白かったのは「2040年の日本」だ。
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相対的貧困率は40%だが、人々は幸せそうだ。階級社会は満足度を上昇させた。最低賃金法の撤廃、公的年金の廃止の強行採決時の反対運動に97歳の田原総一朗が満足。「ハッピーサプリ」は移民相当職の労働者に配られる。富裕層はスマートドラッグを服用し脳が若々しい。人口は1億人を割った。中流層の日本脱出が始まっている。まともな仕事が減ってきたからだ。中国では安全なトリウム原発によって電力は安定供給されている。これはメルトダウンが原理上起きない新世代原発だ。没落した中国は首都を上海に移し都市国家連合として再興を目指している。千葉農業都市が注目されている。地方のコンパクトシティを一歩出ると荒野が広がっている。東京は活気にあふれているがほとんどが老人だ。平成生まれ初の都知事の朝井リュウの「何者(老人編)」。団塊世代は90歳超。救急車や消防車はお金を払わないとこない。公立学校からは体育や音楽が姿を消した。一番売れた本は三浦知良の「死なないよ」。
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こういうストーリーで小説仕立てにして書いてもらいたいものだ。
- ソーシャル・メディアを活用した企業バッシングにおびえることはない。この共感は冷めやすい。ソーシャルメディはガス抜き装置となて、大規模な不買運動の可能性は抑圧されている。
- 今の20代は豊かな時代の落し子だ。ハングリー精神はないようにみえるが、社会に対する関心は高い。
- 「ノマド」は日本で働く会社員の見果てぬ夢だ。
- 天は人の上下を造らないが、学問が人の上に人を造る。
- 中小企業の有効求人倍率は3.27倍。欧州に比べたら日本は若者に優しい社会だ。
- 若者は格差社会の当事者、つまり弱者であるとは思っていない。貧困は未来の問題である。
- 若者は忙しい。暇な高齢者は社会運動にはまりやすい。その典型が原発問題だ。それは新しい悲劇で、一種のお祭りである。
- 若者の静かな変革に注目。大きなことを言わないが、粛々と身の回りの100人、1000人を確実に幸せにする。フローレンスやマザーハウス、、。
- 若者の生き方を具現化したのがシェアハウス。家賃3万で生活費は5万。仕事を辞めて月に数回日雇い労働するだけであとは自分の好きなことをしながら暮らす。固定費を減らし、家にいる友達といつでも遊べる。しかし格差によるフィルタリングはある。シェアハウスは注目を集めていくだろう。
- コンサマトリー(自己充足的)。「今、ここ」にある身近な幸せを大切にする感性。手段的な行動をしない。20代の生活満足度は78.4%と高い。
- 社会のために役にたちたいと考える20代は66%。1975年以来最高の数値。
- 「今、ここ」にいる自分や仲間を大切にする。生きやすい環境をつくる、それが社会をよくすることになる。優しい革命。
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夕方、入院中の八木さんをお見舞い。
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