河井継之助「出処進退」

大阪のS出版社の編集者が5年ぶりに来訪。

いくつかの企画について説明。新企画が始動。
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「名言との対話」1月27日。河井継之助

  • 「人というものが世にあるうち、もっとも大切なのは出処進退の四字でございます。そのうち進むと出づるは人の助けを要さねばならないが、処ると退くは、人の力をかりずともよく、自分でできるもの。」
    • 越後長岡藩7万4千石の家老となって明治維新前後のこの小藩の運命を握り、武装中立を宣言するが最後は官軍を大いに苦しめる。司馬遼太郎歴史小説「峠」の主人公として馴染みがある快男児だ。幼なじみが「米百俵」の小林虎三郎、縁戚には山本五十六がいる。長岡の駅前はさびれていたが、ある種の精神風土を感じさせる町だった。1月27日は河井継之助の生誕日。
    • 河井は「出処進退」に関するこの言葉を残している。どういう形でリーダーに選ばれるか、どういう形で退くか、これがあらゆる分野のリーダーの心すべき点である。出るときは人に推され、退くときは自ら決めよという出処進退の考え方があるように、リーダーの品格は、出処進退に顕れる。ある組織のリーダーを継続するか、退くかという状況に置かれたことがある。このときに去来したのが河井継之助のこの言葉だった。自分一人で決断し、驚く仲間を説得したことを思い出す。
    • さて、「拠る」とは何か。「蜂の巣城」の攻防を描いた松下竜一の「峠に拠る」という著書にもあるとおり、この「拠る」という言葉は、根拠地とする、たてこもる、よりどころとする、という意味がある。出る、進む、退くということは理解できるが、この「拠る」を実践するには一人で戦う勇気と不屈の精神が必要であるから、これも尊い行為だろう。