子規庵、一葉記念館、黒田(清輝)記念室

朝、ホテルで温泉に入った後、散策にでる。

お寺の多い谷中を通り抜け、日暮里から根岸に出る。


根岸には、正岡子規(1867−1902年)が34歳で死去した家がある。そこは中村不折記念館の前にあった。以前この記念館を訪ねたときには、ここに子規庵があることには気がつかなかったのだ。親友漱石、そして森おう外、伊藤左千夫、長塚節高浜虚子らが頻繁に訪れた家である。句会を行った8畳間、その奥の座机がある6畳間、6畳間の前にあるへちま棚、子規の世界すべてであった庭、土蔵の子規文庫などを見学。庭で休んでいたらえらく物知りな老人がいて子規に関する知識を授けてくれた。この子規庵のガイドをやっていたそうだ。


その老人に紹介されて、近所の「笹の雪」という豆富料理屋で昼食。

 朝顔の入谷 根岸のささの雪

 うつくしき根岸の春や ささの雪

と、子規が詠んだ料理屋である。「うぐいす御膳」と豆富ワインを注文する。


新装成った「一葉記念館」は一葉記念公園と一体となっている。前回は建て替え中で台東区図書館内の展示物をみた。この記念館は11月1日にオープンしたばかりだ。3階には「たけくらべ」の原稿があった。流れるような字である。急いで書いたのであろう。2階にはこの一葉記念館ができるまでの経緯が述べてある。この竜泉というまちの住民の努力の結晶である。


上野の森にある東京芸術大学の一角に、黒田(清輝)記念室がある。日本近代洋画の父である黒田清輝(1866−1924年)の、代表作「湖畔」には目を引きつけられた。湖畔でうちわを持ち物思いにふける美女の姿を描いた傑作である。まろやかで迫力があり美しい。


夜は、神楽坂で食事をした。


 (それぞれの記念館の詳細は別途、報告予定)