八重洲ブックセンターで、「知の現場」(東洋経済新報社)に関わったメンバーで待ち合わせて、本日から大手書店に並ぶこの本がどのようなところに並べてあるかを確認する。
一階の話題のビジネス本のコーナーに2面を使って配置されており、よくみかける著者の新刊がまわりにある。
また、エスカレーターをのぼった正面にもいい場所にやはり表紙を見せて配置されている。その左の方には、わたし自身の新刊「あなたの人生が上手くいく7つの成功法則」(三笠書房)も棚に表紙を見せて並んでいた。
「今日の一枚」は、NPO法人知的生産の技術研究会が総力を挙げて実施したこのビッグプロジェクト参加した18名のメンバーのうち、都合のついた人が新刊を並べた棚の付近で記念撮影したもの。
終了後、2時間ほど懇親会をして苦労話に花が咲く。
来年40周年を迎えるこのNPO法人は、わたし自身が30歳の頃から深く関わった能力開発装置だった。2008年4月から11年ぶりに東京に戻って、理事長としてこの組織をどのように運営していこうかと考えた。「知的生産の技術」を標榜しながら、最近はセミナーを開いてはいるが、具体的な知的生産物を生み出していない。その主因は、人材と資金の不足であった。
昨年の末に、Chabo!のプロジェクトで、東洋経済新報社の編集者と会ったとき、その責任者が、90年に出したわたしの「図解の技術」(日本実業出版社)の若い担当者だった。そこから何か企画を、とういことになって提案したのがこの企画だった。そのとき、「知の現場」というタイトルが決まった。現代を疾走する著名人達の「知の現場」を訪ねるというこのプロジェクトは、若い会員たちにも「わくわく」するものだったらしい。
現在の組織の課題を胸に人と出会い、信用と人脈という過去の資産を生かすことができる絶好のプリジェクトが誕生したというわけだ。この1年、みんなで忙しくインタビューと原稿書きに精を出して、ようやく年内に刊行できた。

- 作者: 知的生産の技術研究会,久恒啓一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/12/23
- メディア: 単行本
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この21人を「書斎派の人々」「フィールド派の人々」「出会い派の人々」「場所を選ばない人々」と仮りの分類をしてみた。以下、それぞれのタイトルを並べてみるが、本の中身が透けて見える気がする。
- 寺島実郎「常に問題解決型思考で臨む」
- 奥野宣之「1冊のノートさえあれば情報の整理ができる」
- 北 康利「知とはイーグル・アイで考え、人と会って話を聞くこと」
- 樋口裕一「小論文指導こそ我が基本」
- 武者稜司「現代ピラミッドの建設を提唱する」
- 望月照彦「宇宙を構想して身の丈で生きる」
- 松田忠徳「温泉で心と体を治し、温泉学の確立を目指す」
- 野村正樹「鉄道と二宮尊徳が、知の原点」
- 久保田達也「実体験が知の源泉」
- 久恒啓一「現場の知、を創造する」
- 久米信行「領域を超え、大きな流れにつながる」
- 昇地三郎「世界中に手作りおもちゃ教室を広げる」
- 小中陽太郎「世界を書斎に、リベラルな国際活動を目指す」
- 小山龍介「イノベーションを生み出すための仕事術」
- 望月実「知識よりもアウトプット力」
- 松山真之助「Moso力で社会起業家的プロジェクトを」
- 桝井一仁「オンリーワン人生を楽しむ」
- 山田真哉「自然体で、高いレベルのアウトプウトを生み出す」
- 原尻淳一「優れたデータベースシステムから優れた企画を生み出す」
- 田中靖浩「落語に知の究極を見る」
- 小飼 弾「暴れる情を知で抑える」
このプロジェクトの結果、当初の目的であった人材育成と財政再建(売れる量にもよるが)の両方が実現できたと総括している。すでに人材の発掘と成長が確認できたので、来年からの知研の活動が楽しみになってきた。
組織の盛衰は、議論ではなく、こういうプロジェクトの企画と実行という一点にかかっている。プロジェクトの遂行の過程で人が育ち、その成功が次のプロジェクトを生む。
仕事が人をつくり、人が仕事をつくる。こういう循環のスパイラルループに乗って、やっていきたい。