紀田順一郎「私の神保町」など

久しぶりの休日。中津、金沢、東京と動き回っていて、毎日が飲み会の連続だったが、今日は予定がなくゆっくりした。読書、散歩、そして今後のプラン、、、。

紀田順一郎「私の神保町」(昌文社)

私の神保町

私の神保町

近代史・社会風俗史を追う紀田順一郎さんが綴る神保町という街の記憶と古本探索の愉しみ。
最近、神保町の古本屋めぐりの愉しみに少しだけ触れているので手に取ってみた。

  • 古雑誌の魅力の第二は、そこに過去の一定のある時間が封じ込められていることだ。(ある時代の空気を知るには、その時代の雑誌をめくればいいということになる)
  • 「、、『しかも世の中に出るのが遅いのに寿命が短い、日本人の平均寿命は四十二三と言うが、欧米では五十近い、こうゆうことは日本人の非常なハンディキャップである』(東京朝日新聞副社長・下村宏)(そうか、ということは世界一の長寿国であることは非常に有利であるということだ)
  • 出版は本質的に同時代性に束縛されるものであるが、古書はむしろ永遠性という物差しで評価される。戦前の「古本年鑑」に、『新刊は横断的、古本は縦断的。新刊は平面的、古本は立体的』という、、」(新刊はヨコ、古本はタテということになる)
  • 「新撰東京名所図会」
  • 古本屋にちなんだ作品:梶山季之せどり男爵数寄譚」、松本清張「落差」、小寺謙吉「宝石本忘れな草」、志多三郎「街の古本屋入門」。(この中のいくつかを読んでみようか)
  • 目的読者と退屈読者との中間に位置する層がある。、、、この層が急速に薄くなっていることが、古本屋の存在基盤をおびやかしているのである。(ここでも中間層が薄くなってきている)
  • インターネットによる通信販売。「日本の古本屋」「スーパー源氏」「古本屋さんの横断検索」(JCROSS)(ぜひ活用したい)
  • 「ブックタウン神田」
  • 百尺竿頭一歩を進む。(《「伝灯録」から》百尺の竿(さお)の先に達しているが、なおその上に一歩を進もうとする。すでに努力・工夫を尽くしたうえに、さらに尽力すること)

もう30年近くになるが、紀田順一郎先生の新百合ヶ丘の自宅の書斎を訪問したことがある。「知的生産の技術」研究会による「私の書斎活用術」という本の取材だったが、大きな家の二階のすべてが書庫と書斎だった。当時の私には「理想の書斎」とうつった。その書斎のことも書かれておりそのときの様子が目に浮かんだ。紀田先生の名前は、神奈川近代文学館で館長として目にした。「清貧の思想」の中野孝二さんの次の館長だった。この企画力の高い文学館は、ふさわしい人物をいつもトップに選んでいるなあ。

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人物記念館の旅。今年は現在まで60館。仙台での結婚式、福島での講演を機会にどこを回るか検討。

東京。記念館・美術館を創った人物。そして企画展。

山形。必ず行かねばならない藤沢周平の記念館。

福島。この中で行けるところを探す。

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