夜は九段の寺島文庫カフェで知研セミナー。
講師は中国・吉林大学東北亜研究院の沈海寿教授。現在京都の立命館大学の客員教授として来日中だ。専門は日本の政治、特に近代。私の10年来の友人でもある。
テーマは「日中関係の課題と展望」。両国の関係の発展を願う叡智に富む講演で参加者一同感銘を受けた。
内容はない。大局観はない。大局を見ていないのではないか。敏感な時期に行動する姿は対中関係の認識の欠如がある。
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- 中国:「協和的世界」理念。自己主張の落とし穴。
このスローガンは、覇権の心配などあちこちで問題を起こしており、今回の党大会で見直されるだろう。
- 領土問題は試金石:領土問題は表面的な問題。2010年9月の中国漁船衝突事件の緊張関係はうまく処理できた。今回を機会に大人の関係に。
- 第三者の存在
- 日中対立の火種をまいた米国。
- 火中から栗を拾おうとする第三者。EUのドイツ、フィリピン、米国。日本を中国市場から締め出す。くさびを打ち込んでいる。
- 日中関係対立の構図。
- 民主党政権の対中関係は歴史と現実に対する認識が欠如。日本の政界全体も同じ。うまく処理できていない。「大局観」という言葉も日中では中身が違う。日本は日米関係基軸の現実的認識、中国は東アジア、グリーバル的で理想的。
- 日本の戦略なき政治安保策。
- 転換期の日中関係。
- 有効方「成城」「成熟」的関係へ。
- 経済、政治、文化全分野の保安関係から接近と競合へ。
- 米国の戦略に影響を受ける二つの大国の調整
- 日中関係の課題。
- 今後の展望
- 悲観論を克服。動揺せずに大局的視点に立って競争と協力の関係を。
- 戦略的互恵関係の構築:相互依存。地域問題に責任ある両大国。
- 提言:双方の戦略的利益を拡大するための互恵協力。大局観と歴史観。有識者(意見交換)とマスコミ(責任感)の重い責任。交流の中身の充実。