「リー・クアン・ユー回顧録」(下))--事業構想力と問題解決力

シンガポールリー・クアン・ユー(1923年生れ。90歳)の厚い回顧録を読み進めている。
下巻だけで581ページにのぼる量である。もともとは2800円の価格であるのだが、中古しかなく、それも3倍ほどの値段でした手に入らなかった。2000年9月発行であるから、それから13年近くの歳月が経っている。

序文によると、首相に就任した1959年の国民一人当たりGDPは400ドル、引退した90年には1万2千2百ドルに上昇。99年位には2万2千ドルと書いてある。2011年の統計では4.9万ドル。2012年はもうすぐ数字が発表されるが5.6から5.7万ドルになるとの予測である。この半世紀に140倍の豊かになった奇跡の歩みだ。
因みに日本はこのところずっと3.7万ドルあたりに張り付いているから、すでにシンガポールは1.5倍の豊かさを享受していることになる。日本はもうアジアのトップランナーではないということだろう。

この回顧録(下巻)は年代順ではなく項目別に書かれている。
全40章のうち、「人材育成」「多言語社会」「英連邦のメンバーとして」「「日本の奇跡」「日本の教訓」「中国--長尾の竜」の6章を読んだが、31年間政権を担った傑物の考え方、情勢認識、問題解決の方法など、実に興味深い内容だ。
「直面する問題にどう取り組み解決してきたかを総決算したものである」と述べているように、事業構想と問題解決のためのヒントが満載だ。少しづつ読み進めていきたい。

  • 帰りに新宿の東急ハンズでshotnoteを購入。早速試してみた。noteに書き込んだメモをiPhoneで撮影し、メールで自分あてに送った。それをPICASAで編集してここにアップ。中型タイプ、小型タイプ、メモタイプの3種類を購入。