リベラルの再生

寺島実郎さんから岩波「世界」4月号の草稿をいただく。
脳力のレッスン132・特別編「リベラルの再生はなるか---真の変革への道筋」。

リベラルとは何ものかに制約されないという意味。とらわれたり、こだわることなく、相対的に自由であること。
宮澤喜一小田実加藤周一。多様性の尊重。世直し。不条理に対する直観に結び付いた怒り。

最後は「新しいリベラルの五つの基軸---価値基軸再建への試論」
歴史の進歩とは不条理な苦痛を減らすこと。制度的・システム的に減らすことが進歩だという示唆。「反米・反安保・護憲・社会主義」が柱だった時代が終わった。

  • 1.対米関係の再設計--日米関係の進化を求めて。

軍事的には基地の段階的縮小と地位協定の改定を通じた自立自尊の回復。
経済的はより緊密な経済協力協定(TPPよりも日米FTAの回帰)。

自己規律こそがリベラルの原点。誰が負担して誰が享受するのか。公正な分配を探究する構想力。

  • 3.平和国家精神の再起動--憲法九条の実体化。

戦争への動きを拒否するのがリベラルの神髄。アジア非核条約の提唱など憲法精神の実体化に動くべき。

  • 4.原子力再考--リベラル必ずしも反原発でない視座の可能性。

リベラルは反原発という固定観念の脱却。原爆と原発はコインの裏表。日米原子力協定をどうするか、米国との関係。

  • 5.代議制民主主義の鍛え直し--議員定数の削減。

政治改革の究極目標は政治の極小化。人口減少とIT技術。代議者の削減。政治を弄ぶ人を排除。