沢木耕太郎「敗れざる者たち」--長距離ランナーの遺書

沢木耕太郎「敗れざる者たち」(文春文庫)。

敗れざる者たち (文春文庫)

敗れざる者たち (文春文庫)

「長距離ランナーの遺書」を読了。
東京オリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉の物語。
優れたノンフィクションだ。

最初は次の問いで始まる。
「長距離ランナーは、果たして「走れなくなった」からといって死ぬことができるのか?」
円谷幸吉とその死の間にある亀裂をこの手で埋めてみたい、とぼくは思った」

最後は、次の問いで終わる。
「もし、アベベの足の状態を円谷が知ってたとしたら、円谷は果たして死んだであろうか、と。」

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命日

  • 斉藤茂吉:なにかを光らせるには、光るまで磨くだけでいい。

誕生。

  • 飯田庸太郎:最初から「できない」ことを前提にせず、「どうしたらできるか」を考えて欲しい。「不可能」と「困難」はちがうのである。
  • 黒岩重吾:一つの不幸にとらわれて、すべてのものを、不幸な眼で見ようとするのはいけない。