村上隆--仕事の方法と言葉

村上隆
http://d.hatena.ne.jp/k-hisatune/20160110
先日みた五百羅漢は圧倒的な迫力があった。
村上は海外で有名であり、日本での企画展は2001年以来14年ぶりである。
欧米や中東では観ることができるのに、日本でのみ村上の作品に接することができない状況にある。

羅漢とは何か。

  • 羅漢信仰では、500種の苦しみを癒してくれるとも、羅漢を訪ねれば亡き人に会えるともいわれる。
  • 「人命をひとり損じてしまった罰として、お前は当分、現世にいて衆生の教化のために尽くしなさい」とお釈迦様から命じられた。
  • なぜあちこちの裏山に羅漢の石像が立てられており、あちこちのお寺に羅漢図があるのか。
  • 火災や津波地震といった衆生の災禍の際に現れて、救助隊のような役目を果たす。

村上の仕事の方法。

  • おおぜいの人を雇い、彼らに制作を手伝わせ、自己及び自作をプロデュースし、販売して利益を得ている。
  • ルーベンスは大作ばかり2000点以上も生み出せた。それは工房制作だったからだ。ルーベンスが構想し、仕上げに筆を入れ、最終的にルーベンスの絵にした。システマティックに運営されていた。
  • 五百羅漢図を数か月で完成できたのは、パソコンの導入と延べ300人のスタッフを使ったおかげである。
  • 作品制作のための自前の工房システムをつくり、後進を発掘、教育し、啓蒙本を出版。さらに若手作家のマネジメントシステムを構築し、ダイレクトに社会や世界とつながるメディアまでも自前で整備することで、政治も経済も宗教も芸術も複眼的に論じながら、美術を取り巻く状況を変えようとし続けてきた。

村上隆の言葉。

  • 絵描きの力量をどこで測るかというと、やっぱり、大きな画面をどれだけ支配可能かという部分なんです。
  • 今は、一所懸命に、けっこう完成度の高い絵画作品を1日1枚描こうとしているんです。、、1年経ったら365枚が完成しているという構想。
  • 絵描きの空間意識は、オペラ歌手に似ている。
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「名言との対話」1月15日。野村徳七

  • 「人材を養い、有為の人物を蓄え、適材を適所に配するは、資本力以上に大いなる財産である」
    • 野村証券を創業した野村グループの創業者・2代目野村徳七は1月15日に没した。68歳だった。
    • 今では証券会社というが、当時は株屋とさげすまれた。初代の父から譲り受けた両替商を転換し、株を基盤に証券業、銀行と勢力を拡大し野村財閥を確立したこの人は、株の売買を通じた名言が多く残っている。その中でも、この言葉は人が至上の財産であることを述べていて感銘を受ける。人は金よりも大きな財産であるという意味ではない。「大いなる」は仏教用語で、絶対や究極を意味する言葉である。毎日の仕事の中で能力と技術を学ばせ人材と為し、育てたひとかどの人物を持ち、それぞれの長所をよく見て、適所で力を存分に発揮させる。これができるならば、これ以上の財産はない。
    • 人こそが究極の資本であることを念頭に置いて、野村徳七は日本に必要な新たな経済分野を開拓していった。どのような事業を行うのも、どのような組織を率いるにも、野村の残した言葉を深く味わうべきである。