大学院の授業:テーマは「役人の掟」

大学院「インサイト・コミュニケーション」の授業。
図解演習のテーマは「役人の掟」。

以下は、受講生のフェイスブックに記入されたアンケートから。

  • 今回の授業でも、図を作成することでテーマの深い理解に繋がることを実感致しました。テーマは、様々な日本の規制でした。規制があることで業界は雁字搦めだったり、人によっては損得が生じてします。結局は、規制を考えている人や関係者の既得権維持が最優先で、社会の変化に対応できていないことも多いと感じました。一方で、どんな規制があったとしても規制で人は、『完全には変わらない、縛れない、思うようには動かない』という事も分かりました。例えば、ソフトバンクが良い事例でも自立して賢くやってしまうこともある。また、弁当屋さんがいなくなる事もなさそうである。規制の中でも、自身ができる最大限の努力や知恵で目標を達成するという志を持ち、日々を過ごしたいと思います。
  • 事を理解し本質を掴むのに、改めて図の持つパワーを見せつけられた。官僚が作る法による規制。業界によっては、時代錯誤な内容に呆れ、公人として高い視座を持つべき筈が、自らの作り出したシステムを守ることが目的と化し、例えベターであっても、現システムを乱すものを締め出す、あるいは権益を徹底して守る。その小狡いやり方が良く理解できた。マッチポンプなシャブ漬けシステムの図なり、新参者を入らせぬ鉄壁の壁の図なり、二段のピラミッドの図なり、主観が入っているとは言え、それ故に意図が伝わり理解し易かった。それにしても、人事権を持つ筈の長が、実は聖域で護られた部下である実務ヒエラルキーの意のままで在らざるを得ないシステムになっていたとは…叙勲というゴールの為にそこまでするとは…最も自己中心的であってはならない者が実は自分のことが第一だとは…こんな感想を生み出す力が、図によるコミュニケーションにはあるということですね!実にオモシロイ!というわけで、今日の私が担当したテーマ、プラチナバンドを例にした電波法による規制の仕組みの図を、備忘録投稿します。
  • 今日の題材は、法規制によって日本の抱える問題が解決されないことへの、我々への課題提起だったのでしょうか。私は「お墓」問題が担当でした。文章から図への変換技術が向上したのか、図解レベルは前回より上げられたと感じています。一方で、問題の本質を読み解くまでは至りませんでした。他に発表された方はそれぞれのお題に関するバックボーンを持たれていたようですが、私は全くの素人で、文章を素直に変換することにとどまって、満足してしまっていました。これは今日の反省点です。また今一度見返すと、「お墓はほしいけど、墓地は近くに作らないで」という人間の矛盾点が表れていたのに、問題として意識できていませんでした。一方で図に表されているものだけでなく、その背後に隠れているものを呼び起こすことにもつながるという発見もありました。たとえば、今回いただいた課題文には「昔ながらのお墓」を増やすことについての問題点しか書かれていませんでしたが、そもそもの問題解決には、図に表れていない他の埋葬法や供養の形などを指摘する他の視点が必要であろうということに気づかせてもらえたことです。過去や現状の理解・把握だけでなく問題の解決の先の未来へつながる図解は、イノベーターには必須ですね!
  • 本日の講義で配られた資料を読み、自分なりに図解するのが今日の講義の目的でしたが、時間に間に合いませんでした。内容を完全に理解する為、分からない単語の意味を調べ、テキストを理解するには結構時間がかかってしまいました。皆様の発表を聞き、図解した法律の説明も結構分かりやすくて、面白かったです。今日は労働者派遣法を選びました。私にとって一番興味を持っているテーマでした。モンゴルの労働法、労働法に関連する法の中にはそれとは同様の法律はないです。単なる労働基準法の中にはいくつかの条が入っております。つまり、モンゴルの労働市場にて派遣会社、派遣社員が存在してないということです。社会や経済が上達するに伴い、労働条件も変わりつつでありますが、これから我が国の労働法も、関連する法律も変わっていくと思います。労働環境を守る為成立された法が目的とは違った結果になり、逆に働きたい人が職を失い、働いている人の仕事が増えるきっかけになったりしていることの実例が本テキストに書かれていました。ちょうど現在、我が国は労働法の改正をしようとしているところで、係員の方々の意見を聞き、調査を行っているところです。現場の実態を分かる方々の意見を聞いたりしているのが良いだと思われますが、その意見を実際に法律の中に入れてもらうかは別の課題になっております。(残念ながら形だでの調査を行うケースが多い)私は将来人事の仕事をし、労働法に関わっていく人として改正された法律がより有益な法になると期待し、結果を待っているところです。本講義では法律に関わるテキストを学ぶことによって、今まで知らなかった日本の社会、日本の経済について様々な新しい情報を得て、皆様にわかりやすく説明してもらったりしていますので、毎回の授業を楽しみにしております。
  • 図解を交えることは、専門的な知識や見識を、より理解しやすくする、またオーディエンスに対して、広く考えを役立てるのに有効だとわかりました。新しい図解を学び、それをビジネスで活用したい。また、私が図解したタクシー条例も案件も含め、規制緩和に文子だのは、小泉首相。小泉さんは真のイノベーターであり、改革者だったと認識しました。
  • 皆様の図を拝見し、真似をしたい(けれど出来ない)ものがいくつもありました。自分の図も進化していると良いのですが、どうしても「癖」が出てしまう気がしております。その辺りを克服することが現在の課題です。さて、本日の学び・気づきは以下になります。? 様々な思惑の上に法律や規制がある。? 発表などは、図になっているものが分かりやすい。 ?図は、お見合いビジネスにも使える(?)。以上です。次回も楽しみにしております。
  • 「伝えたい」と思うと図を書きたくなる今日この頃。本日の私のお題「出入国管理法」の役人の論理(外国に特有の技能を持たない外国人はお断り!)はみなさんに知っていただきたい、と思ったものでした。日本ファンの外国の方は、日本にとって重要な人材なのに在留資格(≒ビザ)の制約で日本に滞在できない、ではもったいない。・私の図は文字が多いな、とみなさんの図を見せてもらって感じます。・先生がリレー講座時に作成されたメモ。リレー講座でのお話しがよみがえるように再現されていて、「図でとるメモ」取り入れたいとおもいました。A4 2枚を60分かけてやっと図が出来るので、話を聞きながら図を書けるようになるには修行が必要ですね。本日の久恒先生語録:講義ノートを図で書いてみる。関係を矢印で結んでみて関係がわからないところを質問。
  • 今回の講義はとても興味深かった。経済や規制の問題、あるいは法の現代性の問題などが多重に絡み合い、権益の確保の観点から多くの主観と客観性を持ち合わせた意見が飛び交ったからだ。すべてにおいて学生の意見は専門性が高く、高度な「専門職大学院」修了者クラスの意見がほとんどだったと思う。特に役人の特権に切り込むのにはかなりの手ごわさが立ちはだかる。私としては教育制度をめぐって、小泉内閣と二重のアベノミクス(第一次・第二次それぞれの安倍内閣の経済政策の相違)を意識して発表したかったのだが、惜しくも時間が切れてしまった。冒頭、リレー講座での図式は、高齢化問題も含めて紹介してくださったので、非常に象徴的な安倍政権の問題を掲げているように思えた(少なくとも経済政策の意味では)。BRICSではIT技術の進むインド以外はマイナス成長という経済学者の意見もあり、この問題は大きな経済国家圏の問題に発達する可能性がある。それを個々の学生がそれぞれの意見・観点でもってして代弁してくれた。やはり時間が足りなかったのは残念だったが、非常に充実した時間を送れたと思う。次回は必ず発表したい。
  • 本日の授業で気づいたこと。それは、それぞれの図解が進化していること。極端に単純化する人。細かく網羅する人。イラストで図解する人。自分のフィールドで図解する人。皆、自身の武器に特化して、表現して伝えようとしている。「異質性」と「同一性」、「類似性」と「個別性」図解の切り口もそれぞれだ。情報を正確に伝える図解から、本質に迫りつつ自身の考え、感じ方も表現されつつある。図に自身の「解」を加えて、皆にどうだ!と迫る真剣勝負。僕らの図解は、まだまだ「進化」する。次回の勝負が楽しみになってきた。
  • みなさんの図解を拝見していると、インプット、理解、アウトプットというプロセスの「インプット」部分から図で捉えていらっしゃるんだなあと強く感じます。精進しトレーニングを重ねたいと思います。中央省庁の思惑はともかく、法の範囲で、自分たちがなんとかできる範囲で、自分たちの目的と志と信念をのみに従い日々汗を流している地方行政マンたちがいることもどうぞご承知おきください。
  • 役人の論理とは既得権益の保護を通じた自己の利益の確保ではないでしょうか。しかし法律や規制とは本来特定の団体や個人を守るためではなく公共の利益の確保のためにあるはず。将来性もなく今にも潰れそうなものを無理に守ることよりきちんと終わらせてあげることに対する怖れを克服していきましょうよと言いたい。図もなんだか息苦しい。せめて個人のレベルでは、変われないことを守ることにエネルギーを使うより、変わることのリスクを最小化することにエネルギーを注いでいこうと思いました。
  • 聖域内の図解を見てみたいです。枠、力、学歴など、かなり複雑なヒエラルキーになりそうですが、光と影が映し出されて打ち手が見えてくるか?当選回数の多い議員さんは既におやりでしょう。AとBの間に「影響力」を図解で示すなら、どんな図を用いると面白ですかね?もちろん説明する題材によって変わってくるでしょうが。。。大臣(影響力・小) ↔︎事務次官(影響力・大)意味は理解できますが、これではツマラナイ😑こうか?大臣🦁↔︎🦂事務次官。誰もが認める百獣の王も、気がつかないうちに猛毒に侵される。。。
  • 大切なのは真意。見えないものに何を感じどう表すか。ファーストインプレッションでぼんやりさせて図間で深読みさせ、得心させる。そんな図がすてきですね。利権はまだ土建業にありますがそろそろ断末魔。今日の話を聞き今後は総務省厚労省族議員の時代と感じました
  • 本日は、いわゆるお役所の掟と利権構造を図解するテイでしたね。これ、最初に考えたのは誰なんでしょう?明治維新の頃は政治と行政はある意味一体となって新しい日本を作るべく邁進していたのだと思います。そんな頃に省益などと言う考え方は微塵も無かったのだろうと思います。今時の御役人さんも、個々では自分の行いが正しいものであると信じて日々の業務に勤しんでいる事でしょう。もちろん、アリの群れと一緒で働かない人も存在はすると思います。また、全体として論理や価値観が違うとしても今の日本が極めて安定した国でいられるのは彼らの「何も変えない」メンタリズムのおかげかもしれません。人は3人集まれば派閥が出来ると言いますが、国民全部の意見が同じになるはずも無く、役人が「変わる事」に無頓着なら国内は騒然となると思います。ひとつ言えるのは、戦後GHQの実験場として日本の教育現場が文化的に破壊されてしまい、他を慮る心の躾が疎かになってしまった事でしょう。誤解を恐れずに言えば、戦前の「修身」の授業を今風にアレンジし復活する事、教育勅語を広く国民に知らしめる事が大切だと思います。

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オーディブル

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「名言との対話」5月20日。伊東正義

  • 「君たち、表紙だけ替えても中身が変わらなければ意味はないよ。」
    • 昭和後期-平成時代の政治家。大正2年12月15日会津生まれ。農林事務次官をへて昭和38年衆議院議員(当選9回,自民党)。大平正芳の盟友で,第2次大平内閣の官房長官となる。外相や党総務会長などを歴任。平成元年リクルート事件で退陣した竹下内閣の後継首班に推されたが、辞退。平成6年5月20日死去。80歳。福島県出身。東京帝大卒。
    • 農林省に入り、3年後中国大陸の興亜院 (華忠連絡部) に出向し、生涯の朋友となる大平正芳と出会う。帰国したが空襲で焼け出され、大平の自宅に寝泊まりする仲になった。
    • 首相になりたくてなれなかった人は多い。しかしなって欲しいと推されならなかった人はこの伊東正義くらいだろう。その時に推挙した人たちに述べたのがこの言葉である。当時は大物が軒並み金銭スキャンダルにまみれて、金にきれいだった伊東に白羽の矢がたったことはよく覚えている。頑固なまでに首班になることを拒否し、すがすがしい思いでこの人のことを思ったことがある。
    • 伊東正義は地位を蹴り、為さざることをもって名を残した人である。勲章も辞退した頑固な会津っぽであった。表紙が変われば中身もそれ相応変わらざるを得ないから受諾せよ、という批判も多かったが、自身の出処進退については批判は覚悟していたという。伊東正義は哲人だった。