実家の書棚に「ゲーテ格言集」(高橋健訳 新潮社)という本があった。1969年に私が買ったものだった。ということは、大学1年生か。とことどころに印がついているが、今も琴線に触れる言葉が多い。同じような言葉にひかれている過去と現在の自分に気が付く。
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私は常に敵の功績に注意を払い、それによって利益を得た。
才能は静けさの中で作られ、性格は世の激流の中で作られる。
有意な人間は、すぐに外面から内面に向かって自己を教養する。
よく見ると、およそ哲学というものは、常識をわかりにくいことばで表したものに過ぎない。
仕事は仲間を作る。
何かを理解しようと思ったら、遠くを探すな。
自分の一生の終わりと初めを結びつけることのできる人は最も幸福である。
卑怯者は、安全な時だけ、威たけ高になる。
有能な人は、常に学ぶ人である。
歴史を書くのは、過去を脱却する一つの方法である。
人はみな、わかることだけを聞いている。
見識の代わりに知識を持ち出す人々がある。
博学はまだ判断ではない。
どんな場合にも口論なんぞする気になるな。
賢い人でも無知なものと争うと無知に陥ってしまう。
この地方を説明せよというのか、
先ず自分で屋根に登りなさい。
気持ちよい生活を作ろうと思ったら、
済んだことをくよくよせぬこと、
滅多なことに腹を立てぬこと、
いつも現在を楽しむこと、
とりわけ、人を憎まぬこと、
未来を神にまかせること、