ビジネスモデル論−−−後藤新平の事業構想

水曜日のビジネスモデル論の講義の準備をしている。テーマは「ビジネスモデルと人的資源管理」だ。新しいビジネスモデルは人が創るという観点から、今週は後藤新平、来週は現代の事業家を取り上げようと思う。


後藤新平は明治の生んだ大事業構想家で、偉大なプロジェクトデザイナーである。後藤は国家のビジネスモデルをいくつもつくった。日本最初の植民地・台湾経営の成功、大規模国策会社・満鉄総裁としての新国家建設、東京市長・帝都復興院総裁としての大規模な都市計画、と見事な仕事を成し遂げている。



国や都市を生物と見る考え方(医者出身)、徹底的な調査研究(調査の後藤)、目的へ向けた組織設立・簡素化・行政改革、大胆なスカウト人事による人材活用、長期戦略としての人材育成のための学校建設・教育の重視、といったプロジェクトの成功モデルが後藤新平の取り組みの特徴である。結果として、後藤は都市政策の父とも呼ばれることとなった。