「地球温暖化問題に関する懇談会」--政府インターネットテレビで動画

5月24日の「地球温暖化問題に関する懇談会」で、2020年の温室効果ガス排出量の中期目標の最後の議論が行われた。

1990年対比で2020年の目標を決めるのだが、経済界の支持するプラス4%から、環境団体の主張するマイナス25%までの大きな隔たりがある6つの選択肢が示された。6月に政府の方針を決め、12月の国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP15)での合意に向けて、日本の目標を提示する。

アメリカのオバマ大統領は2005年対比14%削減を唱えているが、これは90年の水準に戻すというレベル。

総合目標値は国内削減分+排出枠分+森林吸収で決まるが、今回の議論は国内分のみが対象となる。
京都議定書の「6%減」は、国内削減分0.6%+排出枠分1.6%+森林吸収分3.8%の内訳だった。
議論や資料。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tikyuu/index.html

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委員の主張

枝廣 淳子 有限会社イーズ代表取締役 マイナス15%
奥田 碩 トヨタ自動車株式会社取締役相談役(懇談会座長)
勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役会長 プラス4%
黒川 清 政策研究大学院大学教授
末吉 竹二郎 国連環境計画金融イニシアティブ特別顧問 マイナス15%
高橋 はるみ 北海道知事
月尾 嘉男 東京大学名誉教授
寺島 実郎 財団法人日本総合研究所会長 マイナス7%
福井 俊彦 前日本銀行総裁
松井 三郎 京都大学名誉教授 マイナス15%
三村 明夫 新日本製鐵株式會社代表取締役会長 プラス4%
薬師寺 泰蔵 慶應義塾大学法学部教授 マイナス8−17%
山本 良一 東京大学生産技術研究所教授 マイナス15か、マイナス25%

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委員: 寺 島 実 郎
地球温暖化懇談会への意見書

1、現実的かつ合理的バランス感覚から判断して、ケース?最大導入ケース(05年比▲14%、90年比▲7%)が妥当な選択である
  これ以上はCDMなどで積み上げを含みとする

2、理由は
? 2年前のエネルギー基本計画における最大導入ケースを下回る目標は採用できない(2008年以後の景気低迷、太陽光を初めとする再生可能エネルギーへのインセンティブ導入)
? 安倍政権時の長期目標(2050年に90年比50%削減)、福田政権時の長期目標(同、90年比60〜80%削減)との整合性。また、「京都議定書」との最低限度の整合性必要。
? 「限界削減費用」分析は合理的・科学的アプローチともいえるが、前提条件(例えば為替レート、新技術による削減コスト軽減)で結果は大きく変化し、数字の魔術的性格もある

3、むしろ、ケース?を実現するために必要な政策の責任ある遂行を明確にするべきこと
例えば、
? 原子力発電につき9基新設、設備稼働率80%の実現(電源構成の約4割)
? 再生可能エネルギー導入への総合的政策展開(一次エネルギー供給での比重10%を目標)

4、国際的合意形成において日本として主張すべきこと
? 米国、中国、インドなどの参画するルールとすべきこと
? 米国、欧州の設定目標の内実を見極めるべきこと
? 森林吸収、海洋吸収、農地吸収などの要素の位置づけの明確化
? 基準年の2005年化

5、「国際連帯税」的視界の必要性

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政府インターネットテレビ」--01ch総理の動き。懇談会の実況動画が放映されている。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2590.html

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今日は、宮城大での講義のために仙台日帰り。仙台では横野さん、岩澤さんと昼食。そして東京駅で偶然に仙台の宮城総研で一緒だった安達綾音さんに会う。今はセガサミーホールディングスで会長秘書だそうだ。東京駅は通過人口が多いために、時々知人に会うことがある。