「少にして学べば壮にして為すことあり」「出処進退」−若者に響く

k-hisatune2009-10-16

「マネジメント・デザイン2」の講義の4回目。

「ビジネスはコミュニケーション活動によって成り立っており、その活動を担うのは人である。経営資源を束ねる人的資源の重要性はますます高まっている。今後はキャリア形成を含むライフマネジメントの視点から人的資源の活性化を考えながら、組織や経営やビジネスについて考察することが求められる。
この講義においては、近代日本をつくった明治期を中心とするわが国の偉人の生涯(経営者・政治家・芸術家・作家・ジャーナリスト、、)を題材に、いくつかの切り口----仰ぎ見る師匠の存在、敵との切磋・友との琢磨、持続する志、怒涛の仕事量、修養・鍛錬・研鑽、飛翔する構想力、日本への回帰----を用いて今日のビジネス社会で生きる知恵について学び、自らのライフマネジメントについて深く考えてもらう。」

上の文章はシラバスの一部だが、「人物記念館の旅」で得た知識を伝えながら、学生達に自分のロールモデルを見つけてもらうことを目的としている。

前回と今回は、「仰ぎ見る師匠」というテーマで、日本の近代の偉人の人生をとその師匠との関係を講義した。以下のリストは小山大観の師匠は岡倉天心、というように読む。

講義終了後のアンケートを読むと、横山大観渡辺崋山昭和天皇渋沢栄一の関心が高い。

それぞれ残した言葉も紹介している。

前回は、渡辺崋山が師事した江戸の大儒学者佐藤一斎の言葉に感激する学生が多かった。

 少にして学べば、すなわち壮にして為すことあり
 壮にして学べば、すなわち於いて衰えず
 老いてて学べば、すなわち死して朽ちず

今回は、山本五十六が心に刻んでいた次の言葉に感銘を受ける学生が多かった。

出処進退
(人というものは、出処進退の四文字が大切なものであり、進むと出るは人の推薦がなくてはならないが、退くことは自分で決めるものである。)
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午後は、母校の大分県立中津北高校の矢口校長が来学された。帰省の折に一度お会いしているから、旧知の友人のように感じた。
諸橋学部長、樋口裕一教授、高野課長らで、大学の説明、学内の見学、懇談などを行った。樋口さんとの共著「対話力」(中公新書ラクレ)を気に入っていただいて、中津北高の図書館に40冊ほど入れていただいたとのことだ。

写真は、朝の散歩で見つけた「さざんかの花」。