石原慎太郎「真の指導者とは」(幻冬舎文庫)

昨日の中曽根康弘の「保守の遺言」に続き、今日は石原慎太郎の「真の指導者とは」を取り上げる。
いかなる組織や集団も率いる指導者の資質と能力の高低によってその運命が決まる。指導者なき現代の日本において指導者はいかにあるべきかを論じた石原慎太郎の問題提起の書だ。ちまちました組織論を真のリーダーは超えてゆくことができる。気概を持った一人の人間が組織を動かすことができる。
歴史上の、あるいは現代の傑物たちの叡智のこもった言葉と、石原慎太郎自身の放つ言葉を選んでみた。

真の指導者とは (幻冬舎新書)

真の指導者とは (幻冬舎新書)

  • トインビー「国家の衰亡につながるいちばん厄介な要因は、自分で自分の物事を決めることができなくなったときだ」
  • サッチャー「物事は決断しなきゃだめよ。政治家のエクスタシーは決断にあって、決断がない政治家はだめ。それができない政治家は政治家に値しない」
  • アンドレ・マルロー「日本人というのは、世界の中で唯一、永遠を瞬間的に把握することのできる民族だ」
  • アラン「楽天主義は意志の所産だが、厭世主義は人間が自己を放棄したときの状態である」
  • マキャベリ「決断力のない君主は大概みんな中途半端な中立の道を選ぶ。そしてその大方は滅びていく」
  • マーヴィン・トケイヤ(ユダヤ人)「ユダヤ人の教育の最大の目的は、新しいものを創り出す個性的な力を持った人材を育てることにある。このために自立した人間を創らなければならない。これが人づくりである。」
  • 毛沢東「主要矛盾と従属矛盾」
  • 長尾芳郎(名鉄百貨店会長)「初対面のときに、自分と他人との人間関係を得意げにべらべらしゃべる者はほとんど信用できない。あるいは、相手の話を何度も重ねて縦にずっと見ると、いつも同じことを言っている人は信用していいが、どこか筋が違ったり、話の内容が変わっていくのは眉唾だ。」
  • 松下幸之助「第一の経営哲学、経営理念が確立できれば、まず五十点で半分成功したのと一緒。」
  • 福田和也「幼稚な人間とは、何が肝心なことかがわからぬ人間、かつまた肝心なことについて考えようとしない人間こそ幼稚な人間なのだ。」
  • 川渕三郎「いま時期尚早とという人は、百年たってもなお時期尚早というでしょう」
  • 福沢諭吉「独立の気力なき者は国を思うこと深切ならず」
  • 司馬遼太郎「日本のいわゆる発展は終わりで、あとはよき停滞、美しき停滞をできるかどうか。これを民族の能力をかけてやらなければいけない。」

石原慎太郎

  • 主張のない者に相手が敬意を抱くわけはないし、価値を認めるわけもない。
  • マージャンのゲームとしての優れた特性は、いつんも自分と相手と比べて考える。自分を相対的に捉え、自らの可能性を打診していくというところにある。
  • 政治学者というのはみんあ気のきいたようなこっとをいうが、学者が政治をやったらその国は簡単に滅びてしまうぐらい、実は彼らには現実感覚があるようでない。
  • 究極の目的を設定するのはナンバー1の仕事だが、それをいかに実現するかという、ハウツーを考え出すのはナンバー2の仕事である、またその下にいる参謀たちの仕事です。
  • そもそも日本はマーケットを「市場」と訳すべきではなかった。「戦場」とでも訳しておけば、いまの日本の体たらくはなかったかもしれない。
  • 幸せの本質とは、つまり石原慎太郎という人間が一生をかけて純粋に石原慎太郎になりきることにしかないと思う。