
- 作者: 川島勝
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1997/08
- メディア: 文庫
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側近の担当編集者がみたい文士の素顔がわかる。亡くなって1年ほどの後に書いた回想。1994年発刊。
独特の健康観、酒豪の様子、釣りの薀蓄、旅の名人、人づきあいの哲学、処世の術、、などが描かれている。
人物記念館を訪ねると、井伏鱒二が旅した痕跡が残っていることを感じることがある。確かに旅をの名人だろうと納得する。
そういえば、この文豪の本は一度も手にしたことがない。何を読もうか。
この魅力ある人物の描写をピックアップしてみよう。
- 井伏さんは座持ちが長い。
- 好きな言葉は「良農は深く耕す」。
- 座談は好むが、議論は好まない。
- 変わらぬものは二つ、奥さんと住居(すまい)。
- 「敵前迂回」という言葉をよく使う。
- 「小説はウソを書くが、随筆は本当のことを書く」
- 定住の人であり、また漂泊の人でもあった。
- 時間に正確。待ち合わせの30分前には必ず駅のホームで待っている。
- 思い込みが激しい。
- 話には一筋縄ではいかない独特の隠し味が仕掛けられていて、それが小説や随筆にも共通したコクにつながっている。
- 好きな詩
- 「花にあらしの たとへもあるぞ さよならだけが 人生だ」
- 酒豪
- セザンヌが好きで、特に淡彩をほどこしたデッサン風の作品を気に入っていた。
- 「塹壕のなかのことは語らない」
- 秀吉ぎらいで、信長贔屓。
- 小国が好きだった。
- 健康には人一倍注意するように言われて育った。生魚はなるべく口にされない主義。酒豪だったが、食べ物はよく咀嚼し、ゆっくり時間をかけた。味の濃いすき焼きを好んだ。おでんの好物は、大根、厚揚げ、ちくわぶ。
- 一日の打ち何時間かは必ず机の前に座ることを自分自身に義務づけていた。「ぼくは物が書けない時、ハガキや手紙を書くことにしているんだ。筆ならしが終わると、ポンプの呼び水のように筆のすべりがよくなる」。
- 大作家ではなく、小作家であるという誇り。
- マンネリズムを自戒。「親しみて狎れず」とい姿勢。
- 「お先にどうぞ」が口ぐせ。
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- ホームページへの毎日の訪問者数は通常は1000に満たないのだが、時々3000とか4000を記録することがある。この特異日はなぜ起こるのか。