「戦後民主主義の新たな地平」(寺島実郎)

雑誌「世界」12月号の「脳力のレッスン」特別編。「戦後民主主義の新たな地平---与えらえた民主義を超えて」(寺島実郎

戦後民主主義の空洞化を再確認するような2015年の夏であった。」から始まる論考。

  • 与えられた民主主義への当惑と馴化。
    • 美濃部達吉の困惑。日高六郎の管理主義的全体主義。渡辺洋三の民主主義空洞化。60年安保の丸山真男の「--である論と「すること」への共鳴。70年安保の若者の企業戦士への変貌。田中康夫泉麻人私生活主義。自由獲得の努力なしに上澄みのみの与えられた民主主義。伊東光晴の桃太郎主義。「普遍の論理」を正視すべき時だ。
  • 団塊の世代として--体験的戦後民主主義
    • 団塊世代戦後民主主義の申し子。平等主義。生徒会長・子ども議会議長。右翼秩序派。真っ赤なリンゴ(表面は赤、中は真っ白)。バブル期に中間管理職。民主党政権団塊世代の失敗(15人が大臣・副大臣・党三役)。価値基軸のない危うい無責任な変容性。理想主義のタテマエと現実主義への反転。シルバー・デモクラシーへ。
  • 戦後民主主義の進化---代議制の練磨と首相専制の拒否。
    • 戦後民主主義は与えられた民主主義の限界の中でも、婦人参政権、20歳以上の投票権の獲得など民主化へ前進。
    • 民主主義とは、多数派の支配と少数派の擁護。有権者の17.4%の得票率で61.3%の議席というしくみ。国民の意思とかい離した議会による安保法制。
    • ICT革命による直接民主主義への限りない誘惑。この夏のデモはネットの力だった。
    • 識見を持ったオピニオン・リーダーによる意思決定の質を高める。
    • 代議制の練磨:政治で飯を食う人の極小化。代議者の定数削減人口比で米の3倍・一人2億円のコスト。人口減少もあり半減)任期制限(世襲議員・ゾンビ議員の消去)。
    • 首相専制政治の牽制:官邸主導、大統領制に近い権限なら、国民投票も付加すべきだ。
    • 国権主義的国家再編と軍事力優位の国家への回帰を試みる勢力という明確な敵へ対峙。アジアの安定軸として敬愛される成熟した民主国家でなければならない。戦後民主主義が根付くか否かの試練の時だ。
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午前中は、来週のリレー講座の準備。

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「名言の暦」11月14日。
命日

  • ジョン・パウル1825
    • 富、眠り、健康はそれを取り戻した時になって、はじめてその味わいを満喫できる。
    • 人生は一冊の書物に似ている。ばか者たちはそれをぺらぺらいそいでめくっていくが、かしこい人間は、念入りにそれを読む。なぜならば、彼らはただ一度しかそれを読むことができないことを知っているから。
  • ヘーゲル1831:我々が歴史から学ぶことは、人間は決して歴史から学ばないということだ。
  • 丸木スマ1956:
  • 亀井勝一郎1966:「明日は」「明日は」と言いながら、今日という「一日」をむだにすごしたら、その人は「明日」もまた空しくすごすにちがいありません。
  • 金田一京助1971:言語は結局知識の手段であって、目的ではない。
  • 森下泰1987:恵まれた人はケチに徹し、その分を社会に還元しなければいけない。どケチはとても真面目な考えなんです。
  • 野坂参三1993:
  • 向井潤吉1995:
  • 日高敏隆2009:

生誕

  • 佐藤一斎1772
    • 少にして学べば、即ち壮にしてなすことあり。壮にして学べば、即ち老いて衰えず。老いて学べば、即ち死して朽ちず。
    • 一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うなかれ。ただ一燈を頼め。
    • 毀誉得喪は真にそれ人生の雲霧。人をして混迷せしむこの雲霧を一掃せば、天青く日白し。
    • 朝にして食わざれば、即ち昼にして餓え、少にして学ばざれば、即ち壮にして惑う。餓うる者は猶お忍ぶべし、惑う者は奈何ともす可らず。
    • 春風を以って人に接し、秋霜を以って自ら慎む。
  • メンデルスゾーン1805:
  • 菊池契月1879:
  • 朴正煕1917:明治維新の中心人物の一人である西郷隆盛を尊敬している。『子孫のために美田を残さず』の言葉が好きである。
  • 力道山1924:人間生まれたときははだかだ。失敗してはだかになってももとにかえるだけじゃないか。