学部、大学院とも、「参院選の公約の比較図解」に挑戦!「恐ろしいほど理解できた」(学生)、「タイムリーな話題を図解できて感動」(院生)、、

午前:学部授業「ビジネスコミュニケーション」の11回目。

テーマは「参院選公約」。東京新聞7月3日の「6争点 各党の公約」一覧表の中から「消費税、経済財政」の比較図解に挑戦。21日の投票日に向けて政治意識を高めていくのが狙い。全員選挙権があり、学生たちはいつも以上に熱心に散り組んでいた。

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以下、アンケートから。

・政治は苦手ですが図にすると理解しやすい・恐ろしいほど理解できた・新たに有権者になった弟に図解したものを見せてあげたい・まったく無知だったので本当にためになった・これでテレビをみても内容がわかる・公明党がいい・難しいと感じたらまず図解すればよいのだ・いつも以上に学びが多かった・政治のアンテナをはって生活する・現状の政策や方向性がわかった・政治を図解するとすごく面白い・各党の公約を図解したら何を言いたいのかがはっきりわかった・日本維新の会に投票する・図解してはじめて理解できた・共通点と違う点を見つけることが大切・財源はどうなるのか・国民民主党の思想に共感・ニュースを図解して理解していく・取捨選択が重要・選挙の投票に参考にする・公約の内容は多くのものは実行できない・社会の問題が一目でわかる・投票時に大変参考になる資料となった・びっしり書いてあるので少々嫌になった、骨の折れる作業だったが、今回の選挙は今までで一番考えて投票できそうだ、先生のいうとおり情報提供の仕方が重要だ・図解すれば怖いものなし!!リアルタイムの話題でやりがいがあった・消費増税に反対する党が多い、与党は考え直せ・最低賃金は県によって事情が違うのでどうするのか・自民党の政策はよくない・政治まで図解であらわすことができるのか・今回の選挙は大事なことを決める選挙だ・各党の政策が頭に入った・興味を持てるようになった・参院選に向けてアンテナが立った・政策の理解が進んだので投票の材料にしたい・参院選の焦点がわかった・選挙結果がそうなるのか気になる・増税はすべきだ、与党を支持する・最低賃金のアップは学生にはありがたい・世の中のしくみを図解するとどんどんわかりやすくなっていく・選挙の前にこういう内容の授業をするのは大変すばらしい・消費税10%反対、今以上に物価が高くなると買えなくなる・各党の特徴や取組みがわかった、政治について学ぶことはめったにないので、これを機に自分の考えを育ていく・図を使えばこうもよくわかるのか・どの党がよいか選べる・与党(自民党公明党)に投票・頭を使った・大変でした・自民を応援する。自民党の外国人受け入れと共産党社民党最低賃金1500円がいい。

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発表風景。

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昼:橘川さん:近況交換

15字:野田一夫事務所:橘川さんと一緒に、藤村さんと「語録」の相談。同じビルで働くゼミOBの野田拓郎君とエレベーター中で遭遇!もう30歳か、、、。

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夕刻から、品川の大学院で授業。インサイトコミュニケーション。6回目。学部と同じく「参院選」をテーマとした。「消費税、経済政策」と「社会保障、子ども」。

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以下、受講生感想。

  • 本日は2019参院選 各党の公約6争点のうちの①社会保障、子ども。②消費税、経済政策について図形化することを試みました。まず、社会保障の年金制度についてのみ図形化を試みましたが、そもそも年金制度を充分に理解できていないので、分類分けから苦労をしました。ある程度分類分けができてもどの党が支持できるか?は明確にジャッジできにくい感じがしました。時間内に図形化することも出来ず、スキルの低さを実感しました。 消費税、経済政策については消費税については明確にわかれていますが、経済政策は各党それぞれ特徴があり、最低賃金についてはほとんどの党が全国1,000円以上明示していて、国民はもっといろいろなことに対してリテラシーを上げないと、無責任に耳ざわりの良い公約に騙されて投票してしまうことになると思いました。各政党に公約を図形化することを義務化して、なぜ?何のために?どのように実現するか?を表現させて有権者に投票しやすくすることができれば良いとも思いました。
  • 本日もタイムリーな話題を図解できて感動しました。選挙権を得たばかりの子供にも自分の観点で図解してみることを勧めてみようと思います。図解を参考に投票所に行く前に心づもりができて助かります。実際に当選後の活躍についても今迄と違った視点で観察することができ、主張の違いが頭の中で整理されて本当に実行されたか早く確認したくなりました。期限をしっかりと示したり、現状の実態把握が明確で代替の方法を披露できるだけの政策の有無の仕訳ができました。アドバイス頂いたように年代別にくくるとさらにわかりやすくできたと思います。東京新聞以外の記事も比較参考に図解してさらに選択の精度を高め意義のある一票にかけます。ありがとうこざいました。
  • 今日の授業では、7/4に公示された参議院議員選挙の政党公約をテーマに図解しました。全ての公約を比較する時間はないので、「社会保障・こども」と「消費税・経済政策」の2分野を対象に図解しています。前回までの学びから、3つのプロセス、すなわち【落書き】「キーワードを自由に書き出す」【構造化】「大枠となる構造を検討し下書きをする」【精緻化】「基本構造に細かい部分を付加し充実させる」で図解をしました。大枠となる構造は表とすることにして、2,3の評価軸を設定し整理することにしました。「社会保障・こども」では、ポイントを子供重視の度合いと社会保障のメリハリ、という2点に絞り評価しました。「消費税・経済政策」では、成長のカギと改革に絞り評価しました。精緻化の際に、各政党のキャッチフレーズを追加したことで、分かりやすさが増しました。今までの図解では、記事の中のキーワードをそのままピックアップすることを重視してきましたが、今日は各党がばらばらの表現をしているものを自分で設定した軸に沿って表現しなおすところがミソだったように思います。元の意味を尊重するよりも、分かりやすさを重視し、かなり強引にシンプルな表現に変えています。表現を変えるためには自分の価値観がどうしても出てしまうので、客観性を担保できませんが、自分の主張として、人に説明するということであれば、むしろ今回のようなやり方が主張を明確にすることができるため、合っていると感じました。貴重な機会を頂きありがとうございました。
  • 今日のワークは選挙について、政党ごとの主張をまとめました。普段、街中で配っている紙や、ポスターなど手にもとらないし見ることもしません。しかし図解でまとめてみると、比較ができ、なにを重視しているのかを理解することができました。その中で、その対策を行ったらどうなるんだろう?なにで補うんだろう?と疑問さえ出てきました。さらに、書いてあることではなく、自分で補足を考えて付け足すことが私に足りていない部分であると実感しました。また、本日のワークでは時間配分を学びました。細かくまとめることも良いかもしれませんが、時間を決めて、その時間に合わせて絞ることも大切であることが身につきました。しかし、時間がない分、大枠で見て、一点に絞り、まとめてみると、理解はとてもできましたが、それだけで支持する政党を決めることはできませんでした。いくつかの図解を組み合わせて比較してみると自分の支持したい政党が決まるのではないかと思います。次の選挙までにもう一回まとめてみてから投票にいこうと思います。
  • 今日の講義で、各党の公約という記事を読んで、社会保障、子供と消費税、経済財政この二つ観点から、それぞれの主張を絞って、まとめていました。まず社会保障、子供から言うと、ほとんど年金に重視してるんですけど、ちょっと年金支給年齢の引き上げに反対か賛成かについては、私は反対です。なぜかというと、日本現在もう少子化と高齢化が進んでるのに、もし引き上げたら、もっと若い人に年金の支払いを増やさなければなりません。もともと若い人が減ってる一方に、また圧力をかけるというのは良くないと思います。その後消費税、経済財政からいえば、主に10パーセントまで引き上げるかどうか観点をあげたんですけど、ほとんどは反対です。それはたくさんの人の主張を反映していますね、次は最低賃金を1000円まで引き上げるということなんですけど、東京都はもうほとんど1000円近くなので、大きい変化はしないと思います、1500円を目指すと言っても、なかなか実現できない話でした。最後に、今日こういう新聞を読んでよかったと思います。日本の政治のことを触れて、自分の国と比べて、何がいいか何が悪いかちょっと考え始めました。ありがとうござした。これからもよろしくお願いいたします。(留学生)
  • 各党の目的一つだけ、経済を発展させること。消費税率を引き上げことが安倍政府の対応である。当然ながら反対の意見が少なくない。これがかつてない行動だと思える。税率を引き上げると購買力に良い影響を与えられないと言えるが、安倍政府がそれを無視するわけではない、にもかかわらず それを決定した。理由がある。知らないけれども 必ずそうしなければ得られないものがある。政府するのは環境をつくると焦点を決める。あることば 存在だけで影響を与える。そのような意識どかことどか一旦かたちになると機能すると何が起こるがわからない。安倍政府の性格は機動的に行動をとること それが安倍政府の価値観。深く発展させるとワルクナイ。アマゾンのやりかたは競争相手をつぶす。これが見ればだれでもよくとは言えない。だが バランスを取れば そうしなければ得られない価値がある。やらないとわからないものです。常識を超えるもの。(留学生)

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「名言との対話」7月5日。南部陽一郎「何もないところに種をまくのが楽しい」

南部 陽一郎(なんぶ よういちろう、1921年1月18日 - 2015年7月5日[1][2])は、日本出身のアメリカ人理論物理学者ノーベル賞受賞者

1950年大阪市立大教授。1952年渡米、1958年シカゴ大教授。1970年アメリカ国籍を取得。素粒子構造の理論的解明に寄与し、三色クォーク模型,弦理論などを提唱した。1978年文化勲章。2005ベンジャミン・フランクリン・メダル物理学賞。2008年「素粒子物理学と核物理学における対称性の自発的破れの発見」でノーベル物理学賞を受賞。

この天才はどのよにうにしてつくられたのか。本人の語りと他の人の証言を追う。小学校に上がる前のヒーローは、エジソンだった。物理学の分野に進んだのは、「中間子論」で日本人初のノーベル賞を受賞し、世界的にも有名になった湯川秀樹にあこがれたからだ。湯川は寝ているときにひらめいたら、枕元に用意していたメモ帳に記入したとういうが、南部は「ずぼら」のためにそういうことはせずに、同じことを何回も考えることになった、という。東大4年のときに、湯川と、後にノーベル賞をとる朝永振一郎素粒子を研究したいと言うと、「素粒子については天才でないと理解できない」と一度ははねつけられている。またアメリカのプリンストン高等研究所時代には、2度もアインシュタイン博士と接触する機会を得ている。

同時にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英南部陽一郎を「日本が生んだ最高の物理学者。湯川秀樹先生や朝永振一郎先生よりもすごいと思う」と言い、2002年の受賞者の小柴昌俊も「南部さんはノーベル賞を2、3回とってもおかしくなかった」と天才ぶりを認めている。

 こうやって眺めてみると、エジソン湯川秀樹へのあこがれと、朝永振一郎小柴昌俊益川敏英といった先達たちからの影響を受けた航路だったことに気づく。研究者として駆け出しの当時は、素粒子論は京大や東京文理科大(筑波大の前身)の独壇場だったため、「物性論」が盛んな東大で、南部は超電導に興味を持って研究していた。

物理学の法則は単純であり、この世界は理想的にできているという世界観を持っている南部陽一郎は、「何もないところに種を播く」ことを心がけ、ノーベル賞クラスと後に評価される最初の論文を手始めに、クォークが多次元の「ひも」で結ばれているという「ひも理論」、湯川秀樹の中間子理理論を大きく進化させた「色の量子力学」、素粒子の質量を決める理論である「ヒッグス機構」の最初の発端をひらいている。湯川や朝永以上の天才という益川の賛辞もうなづける。南部のノーベル賞受賞が遅れたのは、理解に時間がかかったからだという説明もある。南部は現代素粒子理論の枠組みをつくった天才中の天才だったのだ。