高畑勲の「日本への回帰」。「じゃりん子チエ」「セロ弾きのゴーシュ」「文化記録映画 柳川掘割物語」「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「かぐや姫の物語」

東京国立近代美術館で「高畑勲展ーー日本のアニメーションに遺したもの」をみた。

高畑勲の「日本への回帰」。「じゃりん子チエ」「セロ弾きのゴーシュ」「文化記録映画 柳川掘割物語」「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「かぐや姫の物語」。 このシリーズは全部見ておきたい。

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高畑勲展。宮崎駿と並ぶスタジオジブリの2枚看板であった高畑勲は、岡山朝日高校から東大文学部入学。仏文科卒業後、東映動画に入社。

赤毛のアン」を終えた高畑勲(1935-2018年)は、中年以降は日本を舞台にした日本人を描くべきだと考えるようになった。

  • 1981年「じゃりん子チエ」、1982年愛読していた宮沢賢治原作の「セロ弾きのゴーシュ」以降、日本を舞台にした作品に特化していく。
  • 1985年、50歳で設立にスタジオジブリに参加。1982年から1987年までは作品がなく「空白の5年間」と呼ばれるが、献身的活動によって宮崎駿中心のスタジオジブリの基礎を築く濃密な期間だった。
  • 1987年「文化記録映画 柳川掘割物語」を公開。高校生の男女が水路際で出会い、都市化によって没した水路の謎を調べていくという内容。柳川市役所都市下水路係長・広松伝が歳月を経て掘割を復活させた事実に強く心を動かされてつくった作品だ。
  • 1988年の「火垂るの墓」。戦中戦後の子供たちの生と死を描いた作品。主人公は自閉的で対人関係が苦手は清太だ。人とのつながりの大切さがメッセージだ。
  • 1991年の「おもひでぽろぽろ」、山形編と思い出編。全編が地味な日常で構成されている。都市と農村、里山を築いた日本人の叡智を描いた。
  • 1994年の「平成狸合戦ぽんぽこ」。日本的想像力の宝庫である「狸ばなし」を日本のアニメ界が取り上げないのは怠慢だという。日本人と狸たちの関係の総決算。観客に考えさせるテーマだ。以上、日本現代史を描く。

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  • そして2013年には「かぐや姫の物語」という遺作に結実する。日本最古の物語文学「竹取物語」を企画から完成まで8年かけて映画化した。

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高畑勲展では、外国遍歴を経て、最後は「日本への回帰」となったのが最大の印象だった。こういった日本シリーズはみなければ。

「子どもの心を開放し、生き生きさせるような本格的なアニメーションシリーズを作るためには、どうしなきゃいけないのかということを一生懸命考えた」

「アニメーション映画で「思想」が語れるのだ。「思想」を「思想」として語るというより、物に託して語れる」

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ジム:2時間。ウオーキング30分(後半は5度の坂)。筋トレ(左足中心)。前後にストレッチ。

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「名言との対話」7月6日。安西愛子「朝はどこから来るかしら あの空越えて 雲越えて 光の国から 来るかしら いえいえ そうではありませぬ それは希望の 家庭から 朝が来る朝が来る」
安西 愛子(あんざい あいこ、本名:志村 愛子(しむら あいこ)、1917年4月13日 - 2017年7月6日)は、日本童謡歌手声楽家政治家。老衰で100歳で死去。
東京音楽学校声楽科、1942年大学院研究科卒業。コロムビアレコード専属の歌手となり、童謡「お山の杉の子」がヒット。1949年から1964年までNHKラジオ[歌のおばさん」に出演。「めだかのがっこう」「朝はどこから」「ぞうさん」などの童謡を広めた。1971年、自民党参議院選を3期連続当選。北海道開発庁政務次官自由民主党政策審議会副会長。
童謡教室で4つ年上の金田一春彦の初恋の相手で、春彦はラブレターを書いたが、父親から返事が来て、失恋。そのショックで春彦は留年したというエピソードもある。
 「朝はどこから」を思い出してみよう。
・朝はどこから来るかしら あの空越えて 雲越えて 光の国から 来るかしら いえいえ そうではありませぬ それは希望の 家庭から 朝が来る朝が来る『お早う』『お早う』 昼はどこから 来るかしら あの山越えて 野を越えて ねんねの里から 来るかしら いえいえそうでは ありませぬ それは働く 家庭から 昼が来る来る 昼が来る 『今日は』『今日は』
・めだかの学校は 川のなか そっとのぞいて みてごらん そっとのぞいて みてごらん みんなで おゆうぎ しているよ めだかの学校の めだかたち だれが生徒か 先生か だれが生徒か 先生か みんなで げんきに あそんでる めだかの学校は うれしそう 水にながれて つーいつい 水にながれて つーいつい みんなが そろって つーいつい
ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ ぞうさん ぞうさん だあれが すきなの あのね かあさんが すきなのよ
「めだかのがっこう」「朝はどこから」「ぞうさん」、私はこの3つは今でも歌えるから、この人の影響が深く私にも残っているのだろう。改めて歌の威力に感じ入る。