山本太郎。中曽根康弘。山極壽一。北康利。

文藝春秋2020年2月号を読了。山本太郎「消費税廃止。最低賃金1500円。奨学金チャラ。法人税所得税の改革、」。中曽根康弘「政治家は小さな家に住んでいなければならないんだ」。ジャレド・ダイヤモンド(82歳):もっとも生産的だったのは70歳代でした。エルンスト・マイヤー:101歳で亡くなる直前に他界するまで26冊の本を刊行。その半分は80歳を過ぎてから。マックス・テグマーク「AIで何ができるかを理解し、うまく活用できる人が生き残る。山極壽一「複線的人生」。北康利「私の本は父親の命日か月命日を発刊日にしている」

文藝春秋2020年2月号[雑誌]

 ジム:スイミング400m

 ----------------

 「名言との対話」1月12日。村井順「人生は頂上のない山のぼり」

村井 順(むらい じゅん、1909年明治42年2月5日 - 1988年(昭和63年)1月12日)は、日本の内務警察官僚実業家

内務省入省し主に警察畑を歩いた。吉田茂との縁が深い。1946年、第一次吉田内閣の総理秘書官。1952年、初代内閣調査室長。1962年、東京オリンピック組織委員会事務局次長。退任の後を相談すると、吉田茂から「日本独自の警備会社を創るべきだ、、武士の商法で結構だ。、、誠実一本で貫くことだ」とアドバイスを受ける。

1965年、51歳で退職金を全部投げ出してやるつもりの背水の陣で日本初の民間警備会社である綜合警備保障をを創立。「武士の精神」で「専門と熱意」を武器に日本初の警備会社を経営することを決意する。早稲田大学の紛争の警備で信用を得て、大阪万博で全体の75%を引き受ける。

綜合警備保障株式会社は、2019年3月現在で本社以外に10地域本部、64支社、37支店、253営業所を持つ大企業になっている。社員数は連結で37417人。テレビCMで女子レスリングの伊調馨を起用したコーポレート・ブランドの「ALSOK」と言った方が通りがいいかもしれない。綜合警備保障が経営理念とする「ありがとうの心」と「武士の精神」は、村井順の精神を引き継いでいる。この会社の基本路線は、「立派な警備」「黒字経営」「社員待遇」の順に優先すべきであり、それが武士の商法だという。

役人を辞め起業した村井は「傷ついてまた傷ついて強くなる」と言っているから経営者として経営は困難を極めたのであろう。また個人的にも大阪万博の激務で脳出血で倒れて車椅子の生活になっている。その結果、村井の企業観は「企業を支えるものは、結局は人間の力であり、またその信用である」となった。

村井順の『武士の商法』では敗戦後のアメリカの政策も論じている。日本の歴史と日本人の道徳を否定し日本人の精神力を破壊した。それが日本病とも呼ぶべき道義心の退廃につながったと分析し警鐘を鳴らしている。

この人の生涯を眺めると、明治時代に大蔵省を辞め実業に身を転じた渋沢栄一を思い出す。その渋沢は「限りない資本を活用する資格とは何か。それは信用である」と語っている。道徳と信用というキーワードは二人に共通する。

 「人生は山登り」とはよく言われる言葉だ。頂上に着けば、後は下山になる。しかし村井順は「人生は頂上のない山登り」であるという。日々道徳を高め、信用を積み重ねていく限りなき道程である。これが村井順の人生観である。

 

武士の商法