知研セミナー「最新! 中国DX事情」。

知研セミナー「最新! 中国DX事情」。

ゲスト:岡 俊輔氏(IREP CHINA CEO)
1988年生まれ。多摩大学卒業。中国天津財経大学に交換留学。在学中に中国と日本のネットマーケティング領域で起業。当時、講談社現代ビジネスやTechwave等のメディアで連載執筆。2020年7月より博報堂グループIREPの中国法人のCEOに就任。テンセントやアリババ等の中国IT系企業の日本市場向けの広告代理事業を展開中。

参加予定17・興味あり7で24名。実際は13名。歩留まりは約半数。

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以下、キーワド。

  • グレートファイヤーウオール。IT製造国。ビッグデータ。LineScore(信用度)。blued(ゲイマッチング)。充電器。無人カラオケ。健康コード。オンライン授業。オンライン予約とオンライン診療。DIDI。相乗り。交通ビッグデータ。飲食・コンビニ・スーパー・花・薬の宅配。都市管理データ。CDBC。デジタル人民元

以下、参加者の学びから。イベントのディスカッションのページ。

  • ゲストの岡さん、ありがとうございました。 豊富な動画と画像を使い、中国DXの「現在」をリアルにご紹介いただきました。 コロナ禍における中国の現状、DXを用いた決済手段に始まり、教育、流通、医療含め、行政、通貨まで含む主要な産業とそのサービス提供手法へのDX化の進度は、日本と比較し格段の差があると実感できました。 国民性や政治的な違いもありつつ、しかし、プロバガンダ的な自国の紹介映像かもしれない、という一面を加味したとしても、一般市民の使える社会サービス、インフラの利便性は確実に中国が勝っていると感じます。 まるで、アメリカ映画や日本のアニメで見たような未来の都市風景の既視感さえありました。 強いて言うなら「ブレード・ランナー」的にも思えるような、そんな北京のイメージは、自転車で通勤する群衆を映した80、90年代から2000年代はじめころの中国の印象を完全に払拭するものであり、改めて彼の国のドラスティックな変化と、それを支えるIT技術の存在をまざまざと表していました。 むろん情報サイトやニュースなどで知っている情報も多かったけれども、それをまとめ、一望してみると、中国という国は国力含め、いまや日本と逆転しているかのようでした。 たとえ、管理社会、監視社会だとしても、コロナ発祥の地ともされる武漢の若者たちが、マスクもなく楽しげに談笑したりダンスや遊興に興じている姿を見るにつけ、この国の若者たちの暗い表情とは違うな、と強く印象に残りました。 ホームレスが胸の札にQRコードをぶら下げ、支援を募っている(それができる)、という現実を我が国の行政や政治はどう見るのか、今後どうなるのか、というある種の不安を感じつつ、教育の一部を担うものとして、この日本の現実はなんとかしなければならないと思わされました。 非常に示唆に富む、実りの多いセミナーでした。 岡さん、重ねて貴重なお話をありがとうございました。
  • 岡様:貴重な情報有り難う御座いました。中国のDXの進んでいる状況が良く理解出来ました。日本はマイナンバーでさえ、個人情報の問題で、普及が進まない中、中国では利便性が優先され、正に世界の最先端を走っていると思います。コロナ対応で、中国では、DXの活用により、3種類に分けられ、何処にいっても、厳格に対応がなされ、その徹底ぶりに感心すると共に、国民の監視に適用されれば、非常に怖いと感じました。DXの普及による利便性と国民監視の弊害を両面を考えることが重要だと感じました。
  • 様 中国の現況が良く分かりました。DXについては、かなり進んでいるだろうと思っていましたが、想像以上で
  • 岡様:今回は、大変貴重なお話しをありがとうございました。中国の文化やDXについて以前より関心があり、今回はとても楽しみにしておりました。豊富な資料や最新のDX情報について図解を用いて大変わかりやすく教えてくださりありがとうございました。コロナ対策に厳しい中国が渡航の際どのようになるのかとても気になっていました。1ヵ月も隔離されるとは本当に驚きました。中国の9都市を訪問した写真をみましたが、私もこの写真の都市を旅行したことがあり、歴史が好きなのでとても興味深かったです。中国のQR決済が日本よりもはるかに進んでいて驚きました。日本もこのように便利な社会になったら、生活が快適に送れるのではと思いました。中国のDX化が進んだ理由も大変参考になりました。①膨大な人口② IT製造国③豊富なIT人材④グレートファイアーウォールの理由を聞いて、納得しました。無人珈琲店は地元にもあればぜひ利用したいと思いました。いつか日本にもできればありがたいです。公共交通、通貨のIT化についても日本より進んでおり、大変参考になりました。中国DXの興味関心が深まり、今後も探求し、これからの中国DXについて注目していきたいと思います。ありがとうございました。
  • 本日もお疲れさまでした。知研セミナー「最新中国DX事情」に参加致しました。講師の岡 俊介氏はIREP CHINA CEO。中国IT系企業の日本市場向けの広告代理事業をけん引する、リアルな中国のビジネス最前線の視座から、今の中国のIT事を解説頂きました。コロナ関係で特に北京への移動は今だ厳重な隔離生活を要するも、国内移動についてはかなり規制緩和が進み、見せて頂いた主要都市の動画では街ゆく人々はマスク無し、ナイトクラブで夜な夜な踊りに興じる若者など、日本とはかなり違った様相でした、その背景として、ITで情報統制された中国社会の構造がキーである様です。欧米系SNSが繋がらない一方で「世界の工場」たる中国では、モノ造りに長けIT人材が豊富という環境から、自国内でのインターネット産業が発達、一強支配下で統制が行き届き、かつ膨大なマスを抱える市場において独自のIT産業が発達し、まさにその延長として「世界への発展」が今のターゲットとの事。街中では無人カフェでの休息はもちろん、ちびっ子への小遣いや寺院のお布施、果てはホームレスへの無心に至るまでQRコードのキャッシュレス決済がもはや常識、加えてお出かけの際の施設利用や入場の際のチェックもすべてQRコードと、決済のみならず全市民の行動の全ては当局の手中にあり。先述の「感染者減少」も、こうした徹底した個人レベルの健康管理の上に成り立っているという構図を理解しました。一方、「非対面」という環境での悪用の懸念も企業/顧客双方において、お互いの「信用スコア」でガラス張りのなか悪用の余地はもはや無く、結果としてコロナ管理のみならず、教育、医療、公共サービス、飲食と、今や日常生活の全てはスマホアプリという生活インフラの根幹の上に成り立っているという印象でした。ガラケー文化な我が国に翻れば、サイバーなシステムの操作におぼつかない人種(私もその一人)は置いてけぼりかよ!と突っ込みたくもなりますが、非常に平易な利用方法で問題はなく、むしろ得られる利便性メリットが圧倒的に多い。プロパガンダ浸透も相乗し、もはや老若男女全国民が「誇りをもって」この偉大なるインフラの上で生活しているという、「統制」と「文明」で回っている今の中国の実情をリアルに感じることが出来、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。さて、みんな違ってみんな良い「Japanカルチュア」よ何処へ行く?。ここで気になったのは「現ナマ」が登場するシーンはないのか?という疑問ですが、やはりクリスタルクリヤな出納管理だけでは通用出来ない様々な用途においての対応については柯 隆先生の著書を紐解き更に学習したいと思いました。ホント、ワクワク致しました。貴重なひと時有難うございました。次回も宜しくお願い致します。

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19時からの知研幹部会:4月以降のラインナップを決定。4月:伊藤。5月:水谷。6月:小酒井。7月:中谷。8月・9月:伊藤。読書会:根岸。

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「名言との対話」3月20日。伊奈長三郎「土は水を得て形となり、火を通してやきものになります」

伊奈 長三郎(いな ちょうざぶろう、1890年3月20日 - 1980年10月10日)は、日本の実業家政治家伊奈製陶(のちのINAX、現LIXIL)創業者。

愛知県常滑市出身。東京高等工業学校(現、東京工業大学)卒。1918年、帝国ホテル煉瓦製作所技術顧問。1924年、伊奈製陶を設立。1939年代表取締役社長。1951年、常滑町長に当選。 1954年合した常滑市の初代市長に当選。1972年、常滑市名誉市民第一号。

伊奈家は常滑の陶工の家系である。フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル旧舘の外装タイルを成功させたが、その時働いた社員を雇い、伊奈製陶を設立し。

創業の地・常滑には、体験・体感型の「INAXライブミュージアム」がある。「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「「やきもの工房」「ミュージアムショップ」「レストラン」などがそろった本格的なミュージアムだ。また、長三郎を顕彰した「長三賞」は陶芸作家の登竜門となっている。

私は東京・京橋の「LIXIL ギャラリー」には何度も訪問した。優れた企画、と書店の品揃えが素晴らしい。以下、私がみた企画展。

2012年「鉄川与助の教会建築」展。長崎・五島に生まれた鉄川与助(1879年ー1976年)は、大工棟梁の家系に生まれ、生涯に100ほどの建築物を設計している。そのうち教会は30棟に及ぶ。

2015年「伊東豊雄 ライフスタイルを変えよう--大三島を日本で一番住みたい島にするために」展。10年くらいは小さなことを積み重ねて、若い人と一緒に21世紀を考えていきたい」その小さいことの一つが「日本一美しい島・大三島をつくろうプロジェクト」だ。

2018年「ふるさとの駄菓子--石橋幸作が愛した味とかたち」展。石橋幸作は1900年生まれ。1976年没。1885年(明治18年)創業の仙台の飴屋「石橋屋」の二代目。1930年頃より駄菓子研究に着手。戦後、家業は子に譲り、駄菓子と庶民生活や食文化史を求めて夫婦で全国を旅する。東北を皮切りに、北海道から九州まで日本の主要都市の実地調査に半世紀をかける。絵と文の詳細な記録、パルプにニカワを混ぜた紙粘土で、駄菓子特有の色とかたちを再現した。

のべ40年にたって977回の展覧会を開催。建築ややきものという独自の路線で存在感を示してきた。このギャラリーも、2020年秋に閉じた。400点にのぼる建築関係の本を出してきたLIXIL出版も終わった。とても残念だ。

INAXライブミュージアムのHPにある「土は水を得て形となり、火を通してやきものになります」を名言として採用した。焼き物は、土と水で形を作り、炎で焼いて出来上がる。それは水と炎と対話して、土の力を引き出す作業なのだ。伊奈長三郎はやきものをつくる陶工という長い伝統のある家業を、「製陶」という産業に発展させた。「伝統と革新」という言葉が思い浮かぶ。そして公的な仕事もしながら、よって立つ歴史を大事にし、文化への貢献を形にした偉人である。