多次元実況システムを使った「リアル」「ZOOM」「VR」の3つの拠点を結ぶ前代未聞のメタバースイベントが開催されました。リアル会場20名、ZOOM参加90名、VR参加50名。16時から20時という長丁場でした。
硬軟とりまぜた、大人数の、しかも質の高い人たちを集める実行力は素晴らしい。
以下、AI、メタバースなどの最先端の議論を聴く。理解できてはいないが、キーワードと思しき言葉を拾ってみた。
- Staさん:「クララとおひさま」(カズオ・イシグロ)。クララは太陽を慕うAF(人工ともだち)。AIアライメントが違う。人工知能、西洋は善悪という哲学、日本は幸せか不幸せかを考える。
- 鼎談「貨幣の未来」:モノとしてのお金は消滅へ。アルゴリズムに脳が支配されている遊びでやれる環境。プロセスは? デジタルコミュニティ通貨。渡すと増えるピースコイン。農耕社会以前は借りる、以後は所有。SLACKで実験中。お金のデジタル化。30年後にお金は消滅。自動化。通貨は支配の道具だった。お金によらずに内発的に行動する社会が幸福。裏側で自然に、もはや貨幣ではない。狩猟採集社会は数十万年続いた。内発的。自由を大切にした社会。平等は標準化を伴うから取り入れなかった。持続可能な社会。大事なものを守り、ケアする聖なる者。お金のない社会。何を投げ出すか(投資)。機会が奪われるのではなく、強制労働のない自由が手に入る。DXは巨人の肩。写本時代には著作権はなかった。新しい狩猟社会。
- 対談:人間がつくった道具で脳が変化。AIで脳が変わる。人間は道具に寄生している。「空間知能」。環境側に知を埋め込む。環境がロボに指示。インテリジェントではなく、スマート。スマホ、スマートシティ。倫理の善悪から徳という物語へ。法もスマートへ(アングロサクソンの法)。視覚。Deep Learningで突破。関係性の関係性がわかる。入力と出力問題は解決。意思決定に関わる問題に取り組めるようになった。肉体脳と社会脳と2段階。デジタル空間。脳内労働のメタバース。違う世界。
以下、3会場の風景。
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以下、企画。
メタバース出版パーティー~コロナ期間に出会ったもの、生まれたものをみんなで持ち寄ろう~
2020年3月、私たちはコロナパンデミックに覆われ、世界中がその動きを止めました。忙しく過ごしていた私たちの多くは、それを機に立ち止って我に返り、これまで当たり前だと思っていたことに疑問を持ち、これからのき方を考える転機になったのではないでしょうか。
5月1日発売となる「ジミー」は、青海エイミーが、コロナ状況の中でnoteを書き始めたことがきっかけで執筆し、約200名の方に生原稿を読んでもらって手応えを感じ、クラウドファンディングで250名の支援を得て出版することなりました。
多次元実況システム「スパークス(開発コード名)」を使い、リアル空間とオンライン空間、そしてVR空間という<3つの空間>を融合させた、アフターコロナを象徴する3拠点ハイブリッド出版記念パーティー
16:00 第1部 オープニングイベント
1)総合司会のあいさつ 田原真人(参加型社会学会)
2)「参加型出版について」 橘川幸夫(デジタルメディア研究所)
3)小説「ジミー」著者あいさつ 青海エイミー(作家)
4)多次元実況システム「スパークス」を使ったイベントについて 平野友康(テレポート代表)
16:30 第2部 3拠点ハイブリッド未来フェス「コロナ期間に出会ったもの、生まれたもの」「ジミーを読んで思ったこと」未来フェス(その1)
17:00 対談1「心の専門家はジミーをどう読んだのか?」 :竹本記子(NPO法人日本ファシリテーション協会会長)花咲ともみ(メンタルトレーナー・セラピスト)
17:30 未来フェス(その2)
18:00 対談2「共創・コミュニティ・貨幣の未来」
Sho T(Futurist(フューチャリスト)/ 一般NoCoders Japan 協会 代表/株式会社プレスマン CINO(Chief Innovation Officer))廣水 乃生(サステナブル経営コンサルタント兼放浪者)斉藤 賢爾(早稲田大学教授・ビヨンドブロックチェーン株式会社)
18:30 未来フェス(その3)
19:00 VRツアー1 アカデミーキャンプワールドツアー VRツアー2 VR宇宙ツアー
19:20 対談3「メタバースとAIが切り開く未来」:奥出直人(慶應義塾大学名誉教授)三宅陽一郎(ゲームAI研究者)
19:50 クロージング&お知らせ 20:00 終了
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終了後、そのまま「深呼吸学部」へ。橘川さんの90回目の卒業の授業。卒業とは先生の卒業だった。
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「名言との対話」4月30日。野呂栄太郎「名人上手と言われるほどの人びとの言動には、すべての人の心を打つ、教えられるところの多いものがある」
野呂 榮太郎(のろ えいたろう、1900年〈明治33年〉4月30日 - 1934年〈昭和9年〉2月19日)は、日本の在野のマルクス経済学者。享年33。
北海道長沼町生まれ。小学校時代に関節炎で片足を切断。旧制北海中学から慶應義塾大学理財科に進む。卒業論文は「日本資本主義発達史」。卒業翌日医学連事件に連座。釈放され、産業労働調査所に勤務する。1930年、日本共産党に入党。卒論が出版される。1933年、療養中ではあったが、中央委員に就任。中央委員長として活動する。検挙され1934年に死去する。
戦前の非合法政党時代の日本共産党の理論的指導者の一人であるとともに、幹部として党を指導するなど実践活動にも関わった。病を得ており、また34歳と若くして亡くなったが、3冊の著作集、上下巻の全集がある。また日本共産党は野呂栄太郎賞を1970年に設置し、2005年まで35年間続いた。伝説の革命家である。
野呂栄太郎という名前は、共産主義者として知っていた。羽仁五郎などの本によく出てくる名前。あまりに若い死であったため、志を十分に果たせなかったのだろう。貧乏、不具、病気、獄中生活の中でも名を残していることからすると、相当の人物であったこてとは間違いない。
以下、2つの文章を読んだ。野呂栄太郎の声を聞く。
『進むべき道』(『サラリーマン』1913年1月)
- 植民地の一開拓者の子として生まれた私は、幼時から、一方では労働の尊さを、そして他方では資本の原始的蓄積のカラクリ、資本主義の制度の不合理をマザマザと見せつけられて育ちました。 後、ブルジョア大学に経済学を学ぶにいたり、ブルジョア経済学のタワイなさと大学教授の無気力、無能力に幻滅を感じた。
- われらの日常は物質的にも、社会的にも苦しみそのものです。がしかし、この苦しみのうちにこそまたわれわれの楽しみがあるのです、たしかに、われわれは、鎖以外に失う何ものも持たず、そして獲得すべき全世界を持っているのです。
『名人上手に聴く』(『鉄塔』1933年3月号)
- それぞれ方面は異なっても、その道の名人上手と言われるほどの人びとの言動には、すべての人の心を打つ、教えられるところの多いものがある。
- 問題の解決、現実の闘争の指導においてまったく無力であるということから、直ちに理論を軽視し、無視して偏狭素朴なるいわゆる実践主義に陥る者の多いことは、私らのしばしば見るところである。
- マルクス、レーニンの学説の公式的適用ほどマルクス、レーニンの学説に反したやり方はない。
野呂栄太郎を論じるにあたっては、『名人上手に聴く』から言葉を採ることにした。どのような職業であれ、ひとかどの業績をあげた人の言葉には感銘を受けるものがある。因みに、この春の叙勲で名前の出た人たちの言葉を探してみた。
- 桃井かおり(旭日小綬章。71歳。女優)「「体力は落ちたけど、俳優としては、『おばばさん』がやれるからうれしい」「無駄なことをやっている時間はないの。これからの仕事は自分の集大成になる覚悟で、本気でかからないと」。
- 島田雅彦(紫綬褒章。61歳。作家)「晩年のベートーベンのように、形式にとらわれない自由で新しい試みに憧れますね」。
- 井山裕太(紫綬褒章。32歳。囲碁7冠)「囲碁の真理に近づくこと」「まだまだ頂上は見えないし、頂上がどこにあるかもわからない」。
年齢に関わらず、道を極めようとする名人上手たちは小成に甘んじない。次なる歩みを示す気概に心が洗われる思いがする。夭折した野呂栄太郎は、将棋の木村八段がラジオで語った「定石に基づき、その上で変化を試みる」こと、それは定石をさらに発展させて新しい定石を生み出すことが大切だという言葉に感心して、それを自分の研究領域に引き寄せて論陣を張っている。そういう点は、私の同志だという気がする。