本日の「図解塾」は、「世界の名著」の図解講義にチャレンジ。

「図解塾」6期⑫の主題は、最新刊『図解コミュニケーション全集』第7巻「世界の名著」編。47冊のそれぞれの名著を一枚の図解で説明するというやり方を試す。

予告「今日は凄いよ。愉しみに!」どおり、うまくいったので、しばらくは、西洋・中洋(インド)・東洋(中国)の世界の名著についての図解講義とすることになった。

f:id:k-hisatune:20230323063417j:image

以下、塾生の学び。

  • 久恒先生、みなさま、本日もおつかれさまです。図解塾、本日はWBC勝戦にちなみ勝負の世界に生きる名人たちが戦いに敗れてのヒトコトからチェック、「今夜は野球界そのものの勝利」メキシコ・ギル監督、「将棋界へ貢献できた」羽生善治棋士、「良き後継者が生まれた」木村一基棋士、どれも一次元高い視座でモノを語る姿勢が達観、颯爽。また久恒先生ブログ近況からは、1)日本ペンクラブペンの日」懇親会より、赤川次郎氏より「記録して残せ」「書きものを通じて次世代へつなげることの意義」のコトバに使命感、ひたむきさ。2)群馬3日旅から、①「万葉碑探訪」上野(こうずけ)三碑・多胡(渡来人)天皇家出身者・地元出身者双方が一族の中で結ばれる、仏教の知恵。当時の記録の積み重ねが文化として花開いていく。②渋沢栄一塙保己一、荻野吟子…群馬の3偉人。塙:「町人文化」の時代を生きた、7歳で失明、聞いた言葉を覚える特技~般若心経、秀才、仲間の援助もあり盲人社会の最高位まで上りつめる。「群書類従」:日本の名著が散逸せぬよう、集め書写~版木起こし~印刷という大事業、当時の大学も創立。こぼれ話:この記念館にはかつてヘレン・ケラー女史が来訪、グラハム・ベルに保己一を教えられる。影の仲介役に伊沢修二氏(台湾で日本語教育に尽力)~博物館だから得られる貴重な情報。つながり。3)電話から…九大探検部時代OB仲間のFさん(臨床心理専門家)より、「AI国際シンポ」へ出席したら、理研のHさん(AI専門家)が図解の良さを絶賛~頭が冴える!とのスピーチ。今迄はエビデンス(因果関係)を重視してきた。これからは相関関係で課題を解く時代、相関関係と言えば「図解」。新分野には専門家は居ない、様々な専門知を結集して新たな気付きを模索する手法。…学会がようやく気付き出してくれた。4)最近の図解のリファイン①専門知・総合知・全体知…完璧に仕上げすぎないこと、足りないくらいが丁度イイ、読み手に考えてもらえる「余白」…学びになりマス。②三つの知能:「記憶」・「体験&知識」・「第5識(5感)&意識(ココロ)」…第5識はやがてAIにとって代わる(?)③唯識論の人間観:顕在vs潜在、色vs心、煩悩vs清浄…相対するコトバで識別されて、「俯瞰」感覚で非常に見易い仕上がりとなっていました。次はいよいよ本題。本日「梅棹文学」はちょっと休みで、代わりに新刊『図解コミュニケーション』第7巻を使って「新たな手法による学び」を体験しました。目玉である「世界の名著」の図解を眺めながら「説明文」というコトバのシャワーを浴びてみるという新たな試みを体験しました。本日は手始めに「旧約聖書」「新約聖書」「プラトン・国家」「ルター・キリスト教信者の自由」「デカルト方法序説」「ロック・統治論」と、古い時代のものから順番に確認して行きました。古くて分厚い聖書の読破には敬虔な信者でさえ手を焼く代物ですが、A4一枚に収められた図解を眺めながら説明を聞くと、複雑な構成であっても整然と整理されている為、単純に分かり易く、後戻り読み直す手間もなく、また登場する因子同士の関係性を常に目で追う(俯瞰する)事が出来るので、概略(要は何が書かれているのか)の把握に非常に役立つと感じました。またこれさえあればどこに何が書いてあるか一目瞭然なので、一度目を通した後でたとえ内容を忘れてしまっても悔やむ事が無く、読者の敷居は一気に下げられるのではないかと大いに図解のポテンシャル感じました。さて、先述した「専門知・集合知・全体知」に関連する話題が東京新聞記事(3月16日~18日の3日間)に掲載されたのでパワポにまとめアップ致します。寺島先生がかねがね日本のモノづくり産業界の陰りに対し提唱を鳴らされていますが、その象徴である「MJ」の開発中止がなぜ避けられなかったのか、当時の開発体制を熟知された方のコメントが「集合知」の図にぴったりでした。一方それとは対照的なのは、立場・環境が異なるもの同士であっても、一つの目標(お客様に喜んでいただく事)む向かって各自が関連し合い強力な流れを作り上げていくという「全体知」こそ、あるべき姿だったのではないか、と考え至った次第です。あるべき理想のプロ集団の姿のイメージとは何か、考えさせられました。いよいよ年度の節目、個人的には怒涛の仕事との対峙の中、公人ー個人ー私人の時間の使い分けが非常に厳しい(というか全然コントロールできなかった)1年間でした。次年度も不透明な見通しですが、引き続き精一杯チャレンジしたいと考えております。有難うございました。
  • 本日もありがとうございました。予告のとおり、すごい内容。2時間の中に3回分が凝縮されているといった感じです。最初のWBCの話題の中でもメキシコのベンジー・ギル監督の「野球界そのものの勝利」という言葉。一次元高い視点から語るということの大切さを学ぶとともに、久恒先生の「目のつけどころ」を学びました。群馬の三大偉人のお話。視力がない状態で群書類従670冊を完成し、ヘレン・ケラーも手本にしたという塙保己一氏のこと、全く知りませんでしたが本当にすごいです。しかも、塙保氏をベルに紹介した伊沢修二や日本最初の女医の荻野吟子とのつながり。俗な言い方ですが、これだけで朝ドラができそうな感じがしました。そして次は唯識論の人間観と、専門知・総合知・全体知、3つの知能。相変わらず煩悩の領域までしか理解できませんが、前より分かりやすい図になっていると思いました。「生命体としての記憶」については、いま一つ分かりません。 本日のメインエベントは世界の名著の図解を見ながらの学び。これまで受験勉強的な断片的な知識と、何冊かに挑戦しても難しくて挫折してしまった記憶しかありませんでした。1枚の図で名著を表し約1ページ半の解説という構成で非常に全体をつかみやすくなりました。ちょうど空中から都市を俯瞰するようなものです。文字ばかりの書物では、個々の部分の意味を読み取るのに苦労して、嫌になってしまいますが、これならそういうことはありません。大まかに把握して、必要に応じて細部にいけばいい訳です。また、大まかに把握することによって、他の思想家との関係や世界史の大きな流れの中での位置付けや現代社会とどう結びつくかを考えることもしやすくなります。この方法をしばらく続けていただくことに賛成です。次回も期待しております。
  • 久恒先生、みなさま、本日もありがとうございました。今回は途中から参加したため、「世界の名著」の図解について感想を述べたいと思います。 新刊である「久恒啓一 図解コミュニケーション全集 第7巻」の中から「世界の名著」にある解説とその図解を使っての学習で、今回は5つの名著について、それぞれの図解を見ながら解説の音読を聞くという方法で進められました。 まず最初に『旧約聖書』と『新約聖書』について、図解が示され、それを見ながら解説を聞いたのですが、私は「これはどういうこと?」と驚きました。自分が小学生から高校生にかけて学んで、やっと理解した聖書の全体像やつながりについて、今回一瞬にしてつかむことができたためです。聖書を学ぶ際に、これがそばにあったらもっとわかりやすかったでしょうし、もっと興味もわいたのにとも思いました。。  また、プラトンの『国家』の音読を担当した際、短い文章でも中身が濃いため、一度読んだだけではよくわかりませんでした。しかし、読み終えた後に図解を見、さらに図解を見ながら久恒先生の説明を聞くと、スムーズに『国家』の概要をつかむことができました。 各々の解説はコンパクトにまとめられていますが、理解しにくい部分があるため、図解を見てキーワードの関係性をつかみながら文章(話)を聞くことで、内容の理解が進む。難しい名著(概要)であっても、五感のうちの2つを一度に使うことで、より理解しやすくなったのかなと思いました。 本を読むのが苦手な人はもちろん、読み慣れている人でも、図解を見ながら本を読むことは、理解度をアップさせるのにとても役立つのではないかと再認識した次第です。これからもよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、みなさまお疲れ様でございました。本日も、たくさん勉強させていただきました。「記録を残したから歴史になった」という言葉に、はっとさせられました。また、群馬旅行からの気づきを教えてくださいました。荻野吟子、塙保己一渋沢栄一などの関係性など記念館を訪れると横のつながりが知れることは楽しいこと、記録しておくことの大切さを再確認しました。また、専門知総合知全体知、と、唯識論の前回から進化した図解を見せていただき、→の長さからなるほどと前回よりわかったような気になりました。最期の世界の名著。読んだことないけれど、目で図解を読み、耳で説明を聞くことで、言いたいことの到達点までの流れを追うことができ、こちらもわかったような気にさせてもらいました。読んでないのに5冊の名著の要点をつかめるなんてすごいことですね。次回からもじっくりと取り組みたいと思いました。 本日もありがとうございました。
  • 久恒先生、みなさま、本日は図解塾ありがとうございました。冒頭に、盲人でありながら『群書類従』670冊を刊行した塙保己一の話を伺い、その偉業に改めて心を動かされました。また、前回の「専門知・総合知・全体知」「3つの知能」「仏教の唯識論」の復習がありましたが、図解が前回より進化し、さらに理解が深まりました。この中で「認識論」については、人工知能の進展などと併せ考えると、どこまでがAIの領域なのか、AIで代替できないところはどのあたりなのか、といったことを考えるヒントにもなり、大変興味深く伺いました。後半は『図解コミュニケーション全集』第7巻「世界の名著」の中から『旧約聖書』『新約聖書』、ルター『キリスト者の自由』、デカルト方法序説』、ロック『統治論』 の5つについて、図解により体系・論旨を概観するというものでした。  旧約聖書』や『新約聖書』の図は、その体系や成り立ちが一望でき、後続の名著を読む際にも活用できそうです。また解説文の読み上げを聴きながら図を観ていると、文章だけを読んでいるときよりも、格段に理解しやすくイメージが浮かびやすい、ということも分かりました。次回、次々回と世界の名著シリーズが続くとのことで、とても楽しみです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名言との対話」3月22日。西竹一「「We won.」

 西 竹一(にし たけいち、1902年7月12日 - 1945年3月22日)は、日本の陸軍軍人、華族(男爵)。最終階級は陸軍大佐。愛称・通称はバロン西(バロン・ニシ、Baron Nishi)。1932年 ロサンゼルスオリンピック馬術障害飛越競技の金メダリスト。

府立一中では小林秀雄迫水久常、陸軍幼年学校では辻政信と同期であった。華族だったこともあり、西は乗馬を好み、騎兵を選ぶ。そして陸軍士官学校を卒業する。

 欧米出張中に西はイタリアで名馬・ウラヌス号と出会い、自費で購入する。1932年のロサンゼルスオリンピックでは馬術障害飛越競技で優勝し、金メダルを獲得する。今日まで馬術で日本人が獲得した唯一の金メダルである。

このとき、ウラヌスは自分から後足を横にねじって障害をクリヤした。この優勝インタビューで西が答えた言葉が「We won」である。Weとは自分とウラヌスを意味していた。この言葉は人々に感銘を与えた。

175Cm の長身で美男であった西はバロン西(男爵)と呼ばれ、欧米の社交界アメリカで排斥にあっていた日系人だけでなく、欧米人の間でも人気を集めた。西はロサンゼルスの名誉市民にもなっている。

戦車に転向した西は満州の戦車連隊の連隊長から硫黄島に向かう途中で乗船が撃沈され、一時東京に戻った。この時に、馬事公苑で余生を送っていたウラヌスに会いにいく。このときウラヌスは西の足音を聞いて狂喜し、首をすり寄せて、愛咬をしてきた。生前の西は「自分を理解してくれる人は少なかったが、ウラヌスだけは自分を分かってくれた」とも語っていた。

『帝国陸海軍 軍人列伝』(マイウェイ出版)を読んだ。栗林忠道中将率いる硫黄島では、西大佐はアメリカ軍の戦車を奪い反撃したり、アメリカへの手当てをしたなどの逸話がある。戦力でまさるアメリカ軍は「馬術バロン西、出てきなさい。世界は君を失うにはあまりにも惜しい」と連日呼びかけたが、西大佐は黙ってこれに応じなかったという証言もある。

クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」にも西は登場していおり、私もみたのだが、残念なことに私は気がつかなかった。

私(I)が勝ったのではではなく、私とウラヌスの我々(We)が勝ったと西は優勝インタビューで答えた。最高の舞台に立ったときの西竹一の言葉が、西伝説を生んだのだ。