映画「マトリックス」---現実とは君の脳が解釈した電気的信号に過ぎない

映画「マトリックス」のDVD版を大学生の息子の介解説付きで観た。


昼はプログラマー、夜はハッカーという二つの顔を持つT・アンダーソンは、エージェントという敵に追いかけられてモーファイスという人物に出会い、本当の肉体の存在する場所に連れて行かれる。そこはコンピュータ人間を栽培し、人間の熱を核融合させ電力に変換している。人間は電力をコンピュータに提供する電池となっていて、そのことを知らずに眠り続けて一生を終える。人間が住んでいると思っている世界は実は仮想世界というプログラムの中にある。人間が現実と考えているのは脳による電気信号が作り上げた虚像である。その仮想世界が間音リックスである。このことに目覚めてた人々が少数いて人類の自由のために抵抗運動を続けてている。この人々が信じているのが救世主が現れるという預言者の言い伝えだ。エージェントは「マトリックスは理想郷だ。環境と共存できない人類は恐竜のように滅ぶ。人類はウイルスだ。われわれは治療薬だ」という。アンダーソンは彼らの間でネオと呼ばれているが、戦いの中で超人になっていく。彼こそが救世主だったのである。彼の目には敵は全てがプログラムに見える。その時点であらゆる攻撃に対処できるようになって、プログラムを全て破壊する。


こういう筋であるが、1999年に公開されたこの映画のことは本を読んでいてもよく出てくる。また若い人たちの会話の中にも登場する。インターネットが登場して数年の時点で、現実の世界が実は仮想世界であるという逆転の世界観は衝撃を与えた。この映画はアクションを伴うサスペンスであるが、実は世界観をめぐる構造の中での意味が深い会話が交わされる。哲学的な言葉が飛び交うのも魅力で、考えさせられる。


セカンドライフの登場によって、現実世界に近い3D仮想世界が私たちの視野に入ってきた。セカンドライフを旅していると、どちらが現実で、どちらが仮想かという疑問がわいてくる。こういった世界の先取りをしていたのがこの映画である。


映画の中で交わされる印象に残った会話や言葉を以下に記しておく。

(「マトリックス公式サイト」より)