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「名言との対話」2月9日。手塚治虫

  • 「一流の映画を見ろ、一流の音楽を聞け、一流の芝居を見ろ、一流の本を読め、そして、それから自分の世界を作れ」
    • 漫画界の第一人者、日本のアニメの創始者、そして偉大な思想家であった手塚治虫。治虫という名前は、本名の治に好きだった虫を加えたペンネームである。
    • 宝塚の記念館では「一人の人間には一つか、二つの主張しかない。私の場合は戦争体験だった。生き残ったことで、生きるというテーマが生まれてきた。だから人間の生死を扱った作品が多い」と自らを語ったビデオが流れている。
    • 「日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、という問いに、誰かが「他の国には手塚治虫がいなかったからだ」と答えているが、手塚の仕事の素晴らしさを表す言葉だと思う。
    • 「省略、誇張、変形」、この3つが漫画の要素のすべてだという手塚は、物事の本質をつかむのがうまい。たとえば、「これが、こうなり、こうなった、これが演繹法。これがこうなっている、そのわけはこうだ、これが帰納法」と見事な解説している。本質をえぐり、構想し、絵と言葉であらゆるものを表現し尽くそうとした60年の人生だった。後20年生きていたら世界は変わっただろう。
    • 手塚治虫は平成元年に60歳という若さでこの世を去るが、改めて生涯にわたる作品を見ると、幅の広さに驚く。古今東西の人類の知的遺産を漫画という手法で描きだしている。
    • ある表現手段を獲得した人は、必ず世界を表現し我が手に納めようとする。その典型が天才・手塚治虫である。