初めての短歌−−−今月の自選10作品

k-hisatune2010-02-03

新年の計画で始めたものの一つは、「日本文化の原点である和歌の世界に入る」ため、「短歌をつくる」ことだった。
一ヶ月のトライアルの中での変化は何か。心が動くときには言葉を探している自分がいる、外を歩いているときには心の中にシャッターを構えている自分がいる。自分の心と外界の自然を観察しようとする「眼」ができつつあるような気がしている。
短歌は「生活詠」である、という考え方で、「一日一首」を目標に、取り組んでみよう。

1月に何とか形ができた短歌十首を掲げる。
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裸木の梢(うれ)に光の花が咲く 初日の出のスポットライト

初春の 冷気切り裂く 銀輪の 若者の足 鋼の如く

犬友となりし夫婦の名も知らず  今朝も笑顔で挨拶交わす

偶然に電車でまみえし先輩と 暗号のごとき会話を交わす

鬼気迫る静謐かもす受験生の 鼓動の聴こゆ 英語リスニング

手紙にて 添削終えし歌届く 歌人の母は きびしくもあり

応援の 試験監督 自らは 解けそうもない 問題くばる

居酒屋は 不景気なれど フル操業 ビールもカネも 口角も泡

娘電話 息子はメール 母手紙 妻との会話は愛犬交え

写真屋の 撮影終えし 一瞬の ゆるみを襲う デジタルカメラ
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私としては、最後の歌が気に入っているが、どうだろう。

NHKに「フォト五七五」という番組がある。写真と俳句を組み合わせて一つの作品にするという新感覚アートである。「フォト短歌」という考え方で、短歌と写真を組み合わせて、作品を作ってみるのも面白そうだ。