伊勢神宮−−「伊勢参り 大神宮にもちょっと寄り」

k-hisatune2010-03-07

伊勢神宮は、あらゆる神々のなかで最高位にある日本国民の総氏神である太陽を司る「天照大御神」(あまてらすおおみかみ)を祀っている。
「この神風の伊勢の国は、常世の浪の重浪よせる国なり。傍国のうまし国なり」。
伊勢神宮には、天照大御神を祀る「皇大神宮」(内宮)と、大御神に食事を差し上げる「豊受大御神」を祀る「豊受大神宮」」(外宮)があり、その他の別宮や攝社、末社、所管社をあわせると140ほどあり、全てをまわるには4日かかる。天照大御神は、皇室の先祖神である。日本最高の格式の神宮だ。正月には時の総理大臣が必ずお参りすることになっている。

「伊勢に行きたや伊勢路が見たい せめて一生一度でも」と伊勢音頭にあるように、「お伊勢参り」は庶民のあこがれだった。平安時代には「参宮人十万」とあり、江戸時代には毎年五十万人の参宮者があった。

その伊勢神宮に参拝した。

本宮は、茅葺きの、あっけないくらい粗末な建物だった。不思議に思ったが、二十年に一度の遷宮という行事が1300年にわたって続けられている。すべてを新しくして大御神を新宮に移ってもらう。それは我が国最大の祭りである。持統天皇の690年から始まったこの行事は次は平成25年に62回目の遷宮が予定されている。その次の敷地が用意されていた。写真は撮れない。

古事記」や「日本書紀」の世界である。アイフォンで聞いている「世界一おもしろい 日本神話の物語」では、人間のようにふるまう神様は、時代を経ると次第に人間になっていく。高天原因幡の白兎、やまたのおろち、などの物語を久しぶりに思い出すことができる。この神話の世界を本居宣長は、古事記伝で解き明かした。子供時代にこういった物語を読み、聞いた記憶があるが、日本人のルーツとしての物語を再び意識的に読まねばならないと改めて思った。

赤福」が、皆様のおかげといういことでつくった、内宮の近くにできた「おかげ横町」では、太鼓のパフォーマンスや芝居小屋、そして物品販売など楽しく過ごすことができる。江戸期から明治期にかけての伊勢路の代表的な建築物が移築・再現されている。2700坪の広さで、観光スポットとして賑わっている。お伊勢参りの賑わいを彷彿とさせる。「伊勢参り 大神宮にもちょっと寄り」という狂歌もうなずける賑わいだ。古市には、妓楼七十軒、遊女は千人いたというから、神聖な神宮と遊興とは一対だったようだ。

この横町にある、「山口誓子俳句館」と「徳力富吉郎版画館」は、休館だったのは残念。

この伊勢神宮には、また訪れたい。