メディア向け「多摩大教授陣 リレー講座」を開設。初回は沈才彬教授

メディア向けに始めた「現代の志塾 多摩大教授陣リレー講座」の第一期の統一テーマは「グローバルビジネスとニッポンの進路」。
多摩大学長室(久恒・高野・山本)とギリークラブ(渡辺さん)の協力で開催するもので、九段サテライトで月に1-2回の講座を続けていく。具体的な広報活動が主眼だが、広報インフラの構築と内部資源の見える化をもう一つの課題として取り組んでいきたい。

第1回目は、沈才彬教授で、テーマは「上海万博後の中国経済」で、興味深い話をしてもらった。参加者からも質問も多く飛び、沈先生は歯切れ良く回答。終了後の参加者と懇談したが、大変好評だった。初回は成功だった。次回は9月に北朝鮮を中心とした北東アジア論を金美徳教授に語って頂く予定。
本日の参加者は、フジテレビ、日本経済新聞社、日本ビジネスプレス、ぴあ、青春出版社、医学関係出版社、、、。

  • 上海万博。既に入場者は3500万人。7月は1日44万人。最終的には7000万人を大きく超える。GDPを0.5%押し上げ。
  • 中国のGDP成長率は上期は11.1%。下期は少し落ちるが通年では10%。中国経済期待感と不安感。
  • 中国の台頭というパワーシフト。オバマ大統領の3つの行動。アジアの重要なパートナーは中国56%、日本36%。(有識者アンケート)
    • 米国から10万人の留学生を派遣する。
    • 4月17日から米政府高官が精華大で合宿して中国を勉強
    • 5月24-25日。北京で米中戦略対話。8人の閣僚を含む200人が参加。
  • リーマンショックから一番早く脱出。09年は9.1%の成長。
    • 中国経済構造の特質は、国内政変に弱いが、外部危機に強い。共産党独裁の光(決断と行動が速い)。
    • 中国は広い。海洋国家(沿岸部)は外需、大陸国家は内需。今回も内需が働いた。
    • 経済対策57兆円を一夜にして決定。
  • 中国経済の今後。国内リスクは住宅バブル。国際リスクはユーロ危機の拡散
    • 住宅は調整局面に入ったが中長期的は価格は上昇する。(農村から都市への人口移動。若者の結婚観)
    • 乗用車の普及率は2.6%。一人GDP3000ドル(2008年)を超えた今から本格的なモータリゼーション時代。
    • 車(100万)と住宅(1000万)は波及効果があり、個人消費は伸び、経済は今後も成長する。
  • 上海万博後の中国? 7%成長をキープできる。
    • 国家イベントを成功させたいということで一致したが、今後は要注意。
    • 格差(地域格差・都市農村格差・富裕層貧民層)が大きい。
    • 腐敗(一人当たりの賄賂は1億3千万円。40代の役人)のスケールが大きい。
    • 2013年は政権交代の年で要注意。過去胡錦濤への交代以外はすべて政変があり経済は挫折した。
    • 挫折しても一時的だろう。工業化が未完成(7割)。都市化未完成(47%が都市住民)。中間層へシフト中(4.4億人)
  • 日本経済活性化
    • 中国向け輸出を増やす
    • 現地生産し、現地販売を
    • 日本に観光客を呼び込む。提案=沖縄特区・日中韓で海底トンネル。
  • 2030年に15億人で人口はピーク。闇人口2000万人。農村と少数民族には一人っ子政策は緩い。
  • 共産党一党独裁は永続しない。いずれは民主主義に。どういう形の民主主義か。