TPP(日米FTA)より、まず日中FTAを。

昨日のリレー講座「中国経済の現状と課題」のまとめ。
講師は、関志雄(カンシユウ)さん。野村資本資本市場研究所シニアフェロー。

  • 中国の経済発展は、1978年の三中全会での蠟小平の経済建設中心の方針から始まった。
  • 以降32年間の成長率は9.9%(年平均)。GDPは20.5倍。一人当たりGDPは14.6倍。
  • 社会主義のメルクマールは、計画経済と国有制。
  • 1992年の第14回党大会で計画経済を放棄し、「社会主義市場経済」を標榜。
  • 国有制につぃては、国有企業(効率が悪い)のシュアは80%から30%に低下。民営化路線。私有制(財産)へ。
  • 現在の中国は看板は社会主義、中身は資本主義。本当は原始資本主義段階にある。所得の両極化、失地農民の大量発生など。今後は成熟した資本主義に向かうだろう。
  • 科学的発展観--5つの調和。都市と農村。地域発展。経済と社会の発展。人と自然。国内発展と対外開放。投入量の拡大から生産性の向上による成長パターンへの転換(自主開発能力・民営化・産業高度化)。
  • 地域間所得格差:東部39,934元。中部20,341元。西部18,245元。(2009年)
  • 地域格差是正:国内版FTA(統一国内市場)。国内版雁行形態(先発から後発への直接投資)。国内版ODA(地方交付税制度の強化)。
  • そろそろ完全雇用に達してきた。今後は労働力過剰から不足へ。2010年がピーク(67.8%)の生産年齢人口が減少段階へ(少子化・高齢化)。
  • 産業の高度化路線。戦略的新興産業。
  • 中国は40年前の1970年頃の日本。平均寿命73歳。一次産業のGDP比10.3%。、、。
  • 成長率は鈍化していく。2010年以降8%、2020年以降6%、2030年以降5%。
  • 2039年にGDPは米国を抜く。(為替レート一定)。2026年に抜く(人民元年2%上昇)。あと15年!
  • 15年後。日本の中国依存度は35%。米国は10%以下。
  • TPPは実質日米FTAだ。アメリカという負け馬になぜ乗るのか?
  • 成長戦略として、まず日中FTAを。日本で生産し中国へ輸出。25%の関税がかからなくなる。日本の空洞化対策になる。