知研セミナー:寺島実郎「原発とエネルギー」

今年度の寺島セミナーの中心は、「エネルギー」。

  • 原子力は一定程度保持すべきだ。原子力の平和利用に徹した国の代表としての自覚。技術基盤の蓄積と専門人材の育成という国際貢献の視点。
  • アメリカ。原子力ルネッサンス。スリーマイル事故から30数年。原発をつくらなかったが、この2月に2基初めて増設、そしてサウスカロライナにもう2基。小型原発。マンハッタンの北57キロのインディアンポイントの原発が古いタイプのマークワン(福島と同じ)、これをどうする?
  • 石炭が高効率になってきている。
  • 米原子力共同体における位相の転換が起こっている。2006年の東芝ウェスティンハウス買収、2007年の日立・GEの新会社、フランスのアレバ社と三菱重工の合弁、など日本企業が原子力の中核になってきたという現実。
  • 原子力の民生、平和利用については日本が中核的担い手になってきた。このことを自覚した上でどう考え、どう再構築するか?
  • 1951年の九電力体制(ポツダム政令・火主水従)。1953年。アイゼンハワーの平和利用。日本の核アレルギー除去キャンペーン、中曽根・正力。広島に原発を。1955年、全国平和利用博覧会。原発基本法。1957年、米と契約、ウラン、プラント。1966年、英国製。1970年、敦賀(GE)、三島(ウェスティン)、福島(GE)。
  • 米国の核の傘に入っていて、脱原発で済むのか?
  • 技術を持っている立場で平和利用の進化。原爆はいつでもつくれるがつくらない。
  • 3.5万人の原子力工学の卒業生。9千人は電力会社。2.4万人がメーカー。
  • 現在の案は財務省主導。アメリカ型。賠償会社になってしまう。モチベーション低下。
  • 国家が原発部門だけを切り離して統合する。技術者の分散配置の問題。危機的対応能力の問題。経済性探求の論理の問題。経営リスクの限界を超えられないという問題。だから国策統合会社で総合管理が必要。フランス型がいい。開かれた推進体制。
  • 中国、ロシアの原発は高度になりつつある。
  • アメリカ。再生エネルギー熱はしぼんでいる。助成金が必要という弱点。雇用を生まないという弱点。天然ガス(日本16ドル・欧州9ドル・米2.27ドル)シェールガスへの動き。シェールオイル。油田の発見以来の高揚感。シェールガス革命。北海油田以上。」米中連携。非FTA国には売らない?
  • 日本近海のメタンハイグレードは日本のシェーリガス。資源大国への道。海洋と宇宙の相関。
  • 美しい言葉に騙されていけない。絵空事でなく。どうしたらいいかを考えよ。