日総研フォーラム「地域の幸福を考える--幸福とはなにか」

第12回日総研フォーラム。
テーマは「地域の幸福を考える--幸福とはなにか」。
パネリストは、埼玉県の上田清司知事、京都府山田啓二知事。コーディネーターと総括講演は寺島実郎
山田知事は全国知事会会長、上田知事は全国知事会副会長。

上田埼玉県知事。

  • 大宮は東北・山形新幹線上越新幹線長野新幹線が通っている要所。外環道は埼玉県部分は完成済み。海がなく、災害リスクが少ない。
  • 急激な人口増(1960年に230万、現在723万人)。インフラ、治安の問題。緑の喪失。納税率(18万から10万件に)。共助の民間パトロール運動。清流プロジェクト(ゆとり)。チャンスの多い社会。生活保護家庭の高校進学率。
  • 花岡インターから関越を通って新潟、中国・ロシアという日本海ルート。日立那珂から太平洋へのルート。再編が必要。
  • 「2014年版都道府県幸福度ランキング」。立ち位置がわかった。こういう資料を配るだけで改善されていく。考えるきっかけ。

山田知事。

  • ランキングは立ち位置、特徴がわかる。京都指標とは安全・安心の項目が違う。京都もいろいろ。地域力の再生事業600。公共事業の市民応募制1700件。交通事故者が激減。犯罪は半減。非行は毎年25%減少。
  • 日本海国土軸。構造変化に国土軸である高速道路、新幹線などが対応していない。新幹線やリニアが太平洋側というしくみ。いびつな構造とデザイン。
  • 人を不幸にするシステムを直すべきだ。

寺島実郎日本総研理事長。

  • 圏央道。中央リニア。日本海港湾へのシフト。物流の変化。環日本海構想が実体化してきた。韓国・中国に極東ロシア(シベリアパイプライン・サハリン)が加わってきた。北極海航路(3分の1短縮)。
  • 日経平均。376円の下落。12年11月16日から1年間で株は55%アップ。マネーゲーム。国内の調整インフレ論者と外人投資家(ヘッジファンド)の連携。ピーク時17兆であった投資は3週連続の売り越しになってきた。日本の機関投資家の売り越しは15.9兆円で横ばい。個人投資家は8.9兆円の売り越し。アベノミクスは株高幻想。大型流動株を持つ外人が売ったら崩壊するという危うい構造。一部株で利益を上げた資産家によるギンザノミクス。
  • まだ外人が売っていない。BRICS新興国)への期待がはげ落ちた。ブラジルのデモ・格下げ、ロシアと欧州の緊張、中国の金融引き締め、インドメシアの金利上昇。
  • アメリカ経済の好調。シェールガス・オイル革命と次世代ICT革命。出口戦略。失業率6.7%と雇用は好調(6.5%になったら引き締め)。2014年度は2.6%成長から2.8%に修正。3%になるのではないか。アメリカにカネが戻ってくるか、日本に置いていたほうがいいかのせめぎあい。
  • 株高幻想を維持するために日本マネーの投入の誘惑。NISA(少額投資)。GPIF(年金)にまで手をつけたら黄色信号。年金資金は国債6割、株11%というルールだったが、積極運用という名目で、もう2%あげてきた。
  • 成長戦略こそ大事。実体経済ファンダメンタルズを上げていく。ビジョン(スローガン)ではなく、実行計画(目標・予算・責任体系)。プロジェクト。
  • 中央リニアの前倒しなど輪郭のはっきりしたプロジェクト。7000万人ゾーンを1時間でつなぐ。一気に。若者が挑戦するプラットフォームをつくる。
  • MRJ(中型ジェット旅客機)などポスト自動車産業の展望。
  • 5つのテーマ。ネットワーク型世界観で平成不況を克服。
    • 日本海国土軸と総合交通体系。
    • 移動と交流:観光立国論3000万人。引き付ける力。装置。情報集積力。マルチハビテーション。二地域居住。
    • 資源ポテンシャルとエネルギーコスト:海洋資源大。
    • 広域ブロックとコンパクトシティ:京浜医療特区構想。医療ツーリズム。
    • 次世代ICT。次のステージ。ビッグデータクラウド
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京橋の国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「小津安二郎図像学」。

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細川護煕
「若いか年寄りかの分かれ目は、不条理に対して闘う気概があるかどうかということです」
日刊ゲンダイ