「立志人物伝」の授業の実況中継ーーー「修養・鍛錬・研鑽」

・「SNS論」の久米先生と懇談

・「立志人物伝」の授業。客員の久米先生が受講してくれていて、毎回授業の様子をSNSにレポートしてもらっている。

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多摩大学 久恒啓一教授「立志人物伝」181123 野口英世 新渡戸稲造 二宮尊徳 宮本武蔵 安岡正篤

勤労感謝の日ですが、多摩大生も私も勉強しております。

■ 偉人を育むのは母(父ではなく)

野口英世に関する、講義冒頭の言葉で仰天、そして納得しました。「野口英世を見ているとお母さんが偉い。偉人にはお母さんが偉い人が多い。お父さんが偉くても、ダメな子供になることもあるが...。」寂しいけれど、きっとそうでしょう、。

野口英世「私はこの世界に、何事かをなさんがために生まれてきたのだ」
https://note.mu/hisatune/n/n3238eef39169

■ 日本人とは何かを図解(神道×儒教×仏教)

新渡戸稲造
神道から忍耐 儒教から道徳 仏教から慈悲心」

二宮尊徳
神道がひとさじ、儒教と仏教は半さじずつ。」

これも納得。神道ボーイスカウトで禅に心惹かれる私が見るに、神道アニミズム、禊の思想、教義や偶像を持たないことで、儒教や仏教も自然に受けられたのではないでしょうか。

■今日のテーマは「修養・鍛錬・研鑽」

自分で自分を律して決めることができる人になろう。

鍛錬。鍛は約3年 錬は約30年

宮本武蔵
「千日の稽古を鍛となし、万日の稽古を錬となす」
http://k-hisatune.hatenablog.com/entry/20120526

修業(終わりがある。卒業)と 修行(一生続く)

安岡正篤

私の今があるのは「縁尋奇妙」というメールマガジンを、インターネット黎明期に10年以上書き続けていたからです。このタイトルは安岡正篤先生が引用されていた「縁尋機妙=人は会うべき時に会うべき人に会う」という言葉にちなんでいます。インターネットの網縁によって、さらにご縁が不思議な広がりを見せると体感して、不遜ではありますが命名しました。

「自分はつきつめた所、何になるかといえば、自分は自分になる『完全な自己』になるということだ」

「人間はできるだけ早くから、良き師、良き友を持ち、良き書を読み、ひそかに自ら省み、自ら修めることである。人生は心がけと努力次第である。」

「どんな一事・一物からでも、それを究尽すれば必ず真理に近づいてゆき、竟には宇宙・天・神という問題にぶつかるものだ」

「宗教と道徳を区別するのは西洋近代学の通念であって、東洋ではこの二者を”道”として一なるものと考えてきた」

「愚直で、少々頭も悪く、小才も利かぬ、そんな人間の方が、根が真面目なだけに、修養努力して大人物になることが多い 」

https://note.mu/hisatune/n/n2b48ea16c3aa

■ 上司の心得

「上、下を見ること3年。下、上を見ること3日」

久恒先生曰く、上司が部下を理解するのには3年かかるけれど、部下が上司を見抜くのは3日あればいい。私も勤め人をしていたころは、呑んでは愚痴をこぼすことが多く、身に覚えがあります。もちろん面従腹背の部下を持ったことも....恐ろしいことですね。

■AIに代表されるテクノロジーが醸す未来

リレー講座「テクノロジーによって私たちの暮らしや働き方はどう変わるか?」(浜田敬子先生)

久恒先生は、孫正義さんがAI関連企業に投資をしていていることを合わせて紹介。ビッグデータの時代に、AIを制する企業が最終的に儲かるから。個人のビッグデータをどう集積するか。毎日ブログなどを書き続ける自分がモデルになる。

▼久恒先生のブログより企業のICT活用の新しいサービス

・ゾゾスーツ(体のデータ収集)。アマゾンGO(ムジン店舗)。ギグエコノミー。ウーバー。ウーバーイーツ(出前)。タスカジ(家事)。ゴーストレストラン(厨房のみ)。タイルバック(時間単位の副業)。クラウドワークス(マッチング)。シュフティー(主婦)。キッズライン(ベビーシッター)。AirB&B. アマゾンプライム。ソシャルスコア(バーチャルスラム)。ウオルマート(口座提供)。

・デジタルポピュリズム。格差。テクノロジーから置き去りにされた人々。社会の不安定。トランプ誕生。苦しさがネットで増幅。怒り。声をあげよう。デジタル巨人とどう向き合うか。憲法改正。分断。

http://k-hisatune.hatenablog.com/entry/2018/11/22/000000

本多静六という金回しと勉学道楽の達人

恥ずかしながら、林学博士、造園家、株式投資家にして日本の「公園の父」「本多静六」氏を知りませんでした。 勤倹貯蓄と投資で財産を築きながら、社会貢献のため寄付をして無一文になりました。それでいて幸せだという秘密は...

「人生の最大の幸福はその職業の道楽化にある。職業を道楽化する方法はひとつ努力(勉強)にある」

「人生の幸福は、現在の生活程度自体よりはむしろその生活の方向が上り坂か下り坂か、上を向くかで決定されるものである。つまり、人の幸福は、出発点の高下によるものでなく、出発後の方向のいかんによるものだ」

https://note.mu/hisatune/n/nb518c1503145

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上
 
昼休み
・ラウンジ・出原先生の囲碁教室に参加。椎木先生、樋口先生と。
・馬場君、研究室に来訪。本を2冊贈呈。

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「名言との対話」11月23日。飯塚毅「自利トハ利他ヲイフ」

飯塚毅(1918年7月8日〜2004年11月23日)は、日本の税理士公認会計士法学博士。

虚弱児童だった飯塚は、16歳のときに植木義雄老師と出逢い、坐禅で心身を鍛え、参禅と日々30杯の水をかぶる鍛錬の日々を己に課す。福島高等商業学校をトップで卒業し、東北帝国大学に首席で進学する。在学中には、臨済宗名刹雲巌寺の植木義雄老師から禅における「見性(けんしょう)」を許された。

1946年飯塚毅会計事務所を創業。企業に赴き会計記録等の適法性、正確性等を検証し指導する「巡回監査」を開発する。不当な税務処分にはたびたび審査請求を行い当局の見解を覆したため、ある高級官吏の私怨をかい「飯塚事件」の当事者になるが、無罪判決まで約7年を戦い抜いた。(高杉良『不撓不屈』)

1966年「職業会計人の職域防衛と運命打開」を目的に栃木県計算センター(TKC)を創設。1971年、会計人集団TKC全国会結成。1980年の税理士法改正では、第1条に「独立性」の文言を入れることに尽力した。英・独語に堪能な比較税法研究家であり、日独比較税法の研究『正規の簿記の諸原則』で日本会計研究学会太田賞を受賞。1988年には中央大学から法学博士号を受ける。飯塚は、創立100周年で発足したばかりの東北大学後援会に私財1億円を寄付。当時の東北大学第17代総長は西澤潤一

TKC全国会という名称はよく聞くが、この飯塚毅が創業者だったのだ。私も一度この会の講演会に呼ばれたことがある。

 税理士の心の在り方は「事物の本質を見抜く洞察力の磨き出し方の問題と、貫徹力の錬磨の問題とに分けられる」という飯塚毅は、天台宗開祖・最澄の「自利トハ利他ヲイフ」とする哲学を、TKC全国会の基本理念に据える。その意は「利他」のまっただ中で「自利」を覚ることである。世のため人のため社会のために精進努力に徹することがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福につながる。そのような本物の人物となって社会と大衆に奉仕することができれば、人は心からの生きがいを感じることになる。2021年の創立50周年を迎えるTKC全国会には、2018年9月末現在11200名の税理士会員がいる。飯塚毅という人物の影響力は、存命中も、そして死後もしだいに大きくなっていく。偉い人である。

 

職業会計人の使命と責任

職業会計人の使命と責任