霞が関の環境省大臣官房で審議官と面談。作戦本部株式会社を訪問。10数年ぶりの友人との会食。

11時頃半:霞が関5号館の環境省。大臣官房の審議官(サイバーセキュリティ・情報化)、環境情報室長・危機管理室長、出長補佐と面談。多摩大総研側は、所長の私と松本副所長、橘川客員主任研究員。総研に発足させる「未来環境研究会」への環境省職員の研究員就任の御礼とご挨拶。

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12時半:橘川さんに連れられて同じく霞が関の作戦本部株式会社へ。不思議な空間に陣取っている40前とおぼしき二人に紹介される。代表取締役作戦本部長と特殊作戦司令官というのが名刺の肩書だ。鴨志田さんは日本esports促進協会の副理事長で、京都造形芸術大学芸術学部マンガ学科の学科長。昨日まで中国・重慶でesportsの会議に出ていたとのこと。国内はもちろんフィリピンなど海外も含めた様々なプロジェクトを遂行中。橘川さんのまわりにいる若者たちと会うと、いつも日本の未来に光明を感じる。

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17時:新宿の「いか墨」でJAL同期の宮沢君とJR東日本の鈴木さんと会食。宮沢君はJAL補給部で活躍し、現在も航空機部品を扱うアメリカ系企業のコンサルタントをしている。鈴木さんは宮沢君と東工大時代からの友人で、JR東の役員をやった後、スイカを扱う会社の社長をしており、今は顧問になっている。新入社員時代、JR仙台支社長時代に何度か接触している。同年の二人とも10数年ぶり。
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「名言との対話」12月16日。早坂暁「血に執着する人は二一世紀でものすごく悲惨になると思います。水の連帯のことを考える人は、わりと二一世紀もうまくいくのではないでしょうか」

早坂 暁(はやさか あきら、1929年8月11日 - 2017年12月16日)は、日本小説家脚本家

松山の四国八十八カ所の遍路道に接した商家で生まれる。海軍兵学校在学中に終戦を迎えた。捨て子だった妹が被爆し亡くなった広島の惨状をみている。旧制松山高等学校を卒後し、東大医学部に合格するが、入学せずに日大芸術学部演劇学科に進学する。

新聞社の編集長、生け花評論家、放送作家、脚本家、小説家、テレビや舞台の演出家と、経歴と活躍の幅が広い。テレビや映画の脚本など、作品は1000本以上という多作の人だ。

代表作は「天下御免」(平賀源内が主人公)、「夢千代日記」(胎内被爆者が主人公。妹の春子が投影。吉永小百合「この作品は私の宝物」)、「花へんろ」〈生家がモデル)、「ダウンタウン・ヒーローズ」(旧制高校時代の自伝的小説。山田洋次監督作品)、「華日記・昭和生け花戦国史」「戦艦大和日記」など。仕事は実に多彩だ。いくつかの作品は私もみてはいるが、早坂暁という名前までは知らなかった。

早坂の仕事の量と質は半端ではない。それは1968年以来の数々の受賞歴に現れている。ギャラクシー賞、芸術祭優秀賞、モンテカルロ国際テレビ祭テレビ祭優秀脚本賞・国際批評家特別賞、NHK会長賞、芸術選奨文部大臣賞、放送文化基金奨励賞、テレビ大賞優秀番組賞、NHK放送総局長賞、放送文化賞、プラハ国際テレビ蔡大賞、テレビ大賞優秀番組賞・放送文化基金賞直木賞候補、新田次郎文学賞講談社エッセイ賞放送文化基金賞紫綬褒章愛媛県教育文化賞、勲四等旭日小授賞、愛媛県功労賞、松山市栄誉賞、、、。

「遅坂」と揶揄されるほど遅筆の早坂は書くのは宝石のような言葉が並ぶ完璧な脚本だった。渥美清の親友。三谷幸喜のあこがれの人。「私という役者の80%は早坂さんの作品でできている」と語っている桃井かおりが崇拝する人。早坂の作品には笑いと悲しみが同居している。「笑いを表地にすれば、同じほどの悲しみの裏地を付けなければならない」「悲劇と喜劇を背中合わせでやっていくところが面白いんですよ」。これが基本スタンスだった。

子どもの頃には体が弱く、母や乳母車を押して四国遍路をしている。また50歳で心筋梗塞になり余命1年半と言われ、ボストンバッグ一つで渋谷の東武ホテルに住むという断捨離生活を送り、結果的に88歳の長寿を全うしている。

2018年9月6日号の女性セブンに「あなたたちに伝えたいこと」という1000字の文章が載っている。誰にも父と母がいる。5代前までさかのぼると60人、10代前だと何と2000人になることを示し、「人間が一番学ばなければならないことは、どうやって助け合い、どうやって分かち合うかということです。、、ひとりひとり、何をしたい人間になるか、何ができる人間になるかを考え、これからの人生を歩んで行ってほしいと思います」。これが若者への最後のメッセージだ。

「血に執着する人は二一世紀でものすごく悲惨になると思います。水の連帯のことを考える人は、わりと二一世紀もうまくいくのではないでしょうか」。早坂暁の作品には骨肉と血縁の物語は少ない。血のつながりのない人たちの連帯を描く作品が多い。それを「水の連帯」と表現したのは、さすがである。「夢千代日記」をあらためて観ることにしよう。