連休明け。そろりと始動。

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連休明け。

  • 近藤秘書とZOOMで打ち合わせ。
  • NPO法人の運営について、都庁の担当課に電話し相談。福島さんに報告。
  • 東京と仙台の友人たちに電話し、近況交換。
  • デメケンミーティング

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「名言との対話」5月10日。橋田壽賀子「多くの女性脚本家が活躍している。それだけは私が開拓したと自負している」

橋田 壽賀子(はしだ すがこ、1925年5月10日 - 2021年4月4日)は、日本脚本家劇作家タレントである。

京城(ソウル)生まれ。与謝野晶子が学んだ大阪府立堺高等女学校を卒業。東京の日本女子大学に進学、卒業後、早稲田大学を中退し、1949年に初の女性部員として松竹脚本部で、京都と大船に勤務する。1959年、34歳でフリーの脚本家になる。1966年、41歳のときに4歳年下のTBSプロデューサー岩崎嘉一と結婚。1989年に死別。

 TBS東芝日曜劇場NHK朝の連続テレビ小説大河ドラマの常連であり、手がけた脚本は膨大な量だ。1983年に放映のNHK朝ドラ「おしん」は大反響となり、アジア各国でも広く放送された。2019年にはNHKBSプレミアムで」アンコール放送された。1990年からスタートしたTBS「渡る世間は鬼ばかり」は国民的ドラマとなった。

NHK放送文化賞、菊池寛賞、そして2015年に脚本家として初の文化功労章、2020年には文化勲章を受章している。95歳で死去。

 2019年11月20日発行の橋田寿賀子『人生ムダなことはひとつもなかった 私の履歴書』(大和書房)を読んだ。

 2019年の5月に日本経済新聞の「私の履歴書」の連載をまとめた本である。出会いに恵まれたとし、TBSプロデューサー石井ふく子との出会いがあり、そこから仕事の運がめぐってきた。そしてあきらめていた結婚相手まで手にいれる。その夫と連名で出した結婚通知挨拶も巻末に入っている。それが面白い。

夫の嘉一「これ以上、衣・食・住・性の不規則な生活に耐えられなくなったからです」。妻の壽賀子「やっとほんとに好きなひととめぐり逢えたので、一生懸命頼んだ挙句、どうやら奥さんにしてもらえることになりました」。

この結婚は亭主関白で、夫の前では原稿用紙を広げないという約束をしていたし、壽賀子が稼いだお金はすべて夫が管理していた。死後、大量の株券が出てきて売ったら2.8億円になった。「財産はすべて妻に」とい公正証書もでてきた。石井ふく子が「基金をつくって若い人を育てるんだ」って夫が言っていたと初めて聞く。財団をつくることになり、講演を引き受けて2年間で3000万円を稼ぎ足りな分を補った。そして1992年に財団法人橋田文化財団を設立する。この財団では橋田賞を毎年授与している。

ホームドラマ作家として「となりの芝生」から「渡る世間は鬼ばかり」まで、「家族や女」を書いてきた。そして「戦争と平和」。それが生涯追い続けたもう一つのテーマだった。代表作である「おしん」の本当の手テーマはそれだったのだ。

静岡県小山町の富士霊園の日本文芸協会が運営する「文學者之墓」に、生前から登録し、著名と代表作として「おしん」が告示されている。そこに入っているのだろう

最期は「橋田ファミリー」の女優・泉ピン子が看取り、「私がお化粧をしてあげて、旅立ちました」と語っている。

 2020年10月28日の文化勲章受章時のインタビューで「多くの女性脚本家が活躍している。それだけは私が開拓したと自負している」と語っている。

橋田賞は1993年から、「橋田賞」「新人賞」「特別賞」があり、1995年からは「新人脚本賞」が創設されており、リストをみると男女半々の新人脚本家に授与されている。女性をあげてみよう。梶田裕子、江原志津、福川真弥、伊達佳恵、黒石智美、石田晶子、橋本理華、小鳥遊まり、高橋美帆、土屋裕子、八田明子、開真理、花田麻衣子 、いとう葉のは、小泉理恵子、、。

NHK連続ドラマ小説「半分、青い。」などで知られる脚本家の北川悦吏子は第8回橋田賞授賞を受賞した脚本家である。「橋田先生、ご冥福をお祈りいたします。30年前、私がデビューした頃、女性脚本家が一斉にデビューしていきました。それは、橋田寿賀子さんから内館牧子さんへの流れの中からの出来事と認識しています。女性脚本家の道をつけてくださったのは、橋田寿賀子さんだと思っています」とツイッターで影響力を記している。今回、ラジオ深夜便アーカイブスで「わたしとおしんからのメッセージ」も聴いてみた。謙虚な語り口で楽しめた。

文化勲章科学技術や芸術など文化の発展や向上にめざましい功績を挙げた者に授与される最高の勲章である。文化関係の分野で「初」の受賞者がでるとその分野が公に認められた感じになる。

「初」がついた文化勲章受賞者を調べてみた。女性初は上村松園、写真家は田沼武能、落語家は桂米朝、歌舞伎役者は六代目菊五郎、女優は山田五十鈴俳人高浜虚子、映画人は黒澤明、彫刻は朝倉文夫、ガラス工芸は藤田喬平、外国人はドナルド・キーン、、、。それぞれ分野開拓のパイオニアである。脚本という地味な分野に光を当てたのは、名脚本家であり、また後進を育ててきた橋田壽賀子であった。 

人生ムダなことはひとつもなかった~私の履歴書

人生ムダなことはひとつもなかった~私の履歴書

  • 作者:橋田 壽賀子
  • 発売日: 2019/11/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)