次の出版について前進の日。

新宿の「らんぶる」で二つの会合。緊急事態宣言下ですが、ややお客が多くなっていました。次の出版について前進の日でした。

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高校同級の松田君と懇談。近況交換。「フォト川柳」本の企画を進めよう。

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B出版社の社長、橘川さんとミーティング。

・実年期向けのインタビュー本について企画趣旨を聞く:昨日・今日・明日。プロフィール、喜怒哀楽、学び。自覚。意味。楽しさ。心身の智恵。人生哲学。主観。脚色。である調。生き方。さらっと。元気。感情移入。憧憬。教訓。勇気。メルクマール(指標)。序文3P 。

・図解本の企画のアイデア出し。選択、歴史、介護、、、、、

・終了後、橘川さんと打ち合わせ:「研究所」「大学経営」、、、。

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「名言との対話」8月17日。江沢民「困難と希望は同時に併存し、機会と挑戦はともに出現す」

建国70年を迎えた中華人民共和国。第一世代は毛沢東、第二世代は鄧小平、第三世代は江沢民、第四世代は胡錦涛、第五世代は習近平を代表として、新国家建設、改革開放、躍進、経済発展、世界第二の強国、となった。紆余曲折はあるにせよ、大きく見ると順調な発展であった。

中国は伝統的に、法治主義というより人治主義である。リーダーがどのような人物であるかがより重要になる。

江沢民の人物についての評価をあげる。「共産主義者としての品格と信念をあらわす「徳」と専門的な知識・技術を持つ「才」を兼備している」。「一流大学(上海交通大学)出身、数か国語に長じ、専門的な知識・技術を身につけている。笛や二胡やピアノを弾き、歌を歌い、唐詩や宋詩を諳んじ、書画にもすぐれている」。「問題の処理はてきぱきしていていい加減にしない。実務能力にすぐれている。清廉潔白な能吏」。「上海の学生運動には、リンカーン大統領のゲティスバーグ演説「人民の、人民による、人民のための政治」という名演説の全文を暗唱し、説得した」。「才智、方略、器量を備えている」。

第一期の毛沢東は後継者と目された劉少奇林彪華国鋒を、第二期の鄧小平は胡耀邦趙紫陽を退けている。中国の権力闘争はすさまじい。後継者問題における毛沢東の失敗をくりかえさないために、周到に準備を行った鄧小平の庇護のもとに、江沢民は登りつめる。

第三世代の江沢民は、現代化された国家と肩を並べること、市場経済体制の確立、民主・平等環境、自治権要求への対処、統一国家格差是正、国家と党の制度の確立、環境汚染、「六・四」事件問題の解決、領土紛争など十大矛盾の解決を目指した。

このむずかしい問題の解決にむけて、江沢民は唐代の詩人の「困難と希望は同時に併存し、機会と挑戦はともに出現する」の名句を心に抱き、矛盾にみちて困難の大きな重い任務に立ち向かうために、機会をとらえ、挑み続けるという遠い道を歩いたのだ。

中国のリーダーの選ばれ方をみると、多くの候補者の中での激しい権力闘争の中で鍛えられながら上昇していくようにみえる。第四世代、第五世代のトップに立ったリーダーもその世代のチャンピオンが選ばれているという感があり、安定感がある。その選抜方法が間違っていなかったことは、この70年、特に21世紀に入ってGDPで日本の抜き、あっという間に3倍の規模にまで拡大し、最強国であるアメリカに迫つつつあることで証明されている。

江沢民時代の勃興する中国は、政治的には日本とのトラブルも多く、私もいい印象を持ってはいなかったが、今回、楊中美著・森幹夫訳『江沢民 中国第三世代の指導者』(蒼蒼社)を読んで、イメージが刷新された。

リーダーをどのようにつくるか、リーダーをどのようにして選ぶか。それは企業や国家の盛衰を決定づける。日本におけるリーダーの鍛え方、選ばれ方を深く考える時期に来ているのではないか。