DNA研究の世界的権威・五條堀孝(サウジアラビアのアブドラ国王科学技術大学特別栄誉教授)先生の新型コロナとワクチンの講義。

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五條堀孝(サウジアラビアのアブドラ国王科学技術大学特別栄誉教授)の「経営者のための新型コロナ変異株とワクチンの知識」の講演(21経営研究会)をZOOMで拝聴しました。100名弱が参加。

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  • アブドラ国王科学技術大学:国王が個人で3兆円投資。世界最強の理工系大学。基金世界一。一人当たり論文引用数3年連続世界一。ジェッダから車で40分の人工都市。大学院大学。独自のファンド。1000日で完成。欧米系。日本人学者は3人。生命(バイオ)と情報(AI)の連携部門長。数か月後にワクチン工場完成。9ホールのゴルフ場。男女共学。世界企業と提携。アジアというアイデンティティ。サハラからの砂嵐(30-50m)で紅海の微生物のDNAが変化し回復。木と水が富の象徴。
  • サウジアラビア:2週間にわたるテレビの日本特集(数年前)で高潔感(integrity)のある日本に信頼。アニメ。しかしビジネスは中国、韓国が強い。サウジ人は日本と一緒にやりたい。日本人はアプローチのしかたがわからない。観光、飲食にチャンスあり。日本食のおいしさ。

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  • 新型コロナとワクチンについての情報はガセネタが氾濫。本人、家族、従業員の命を危険にさらさないように。新型コロナの素性は明らかになってきている。中国武漢の研究所からか。五條堀チームは毎日のドイツのDNAの入手などでゲノム分析でDNA変異の追跡ができている。人から犬、ネコなどにも感染する。反対はない。
  • メッセンジャーRNA(mRNA):素早く到達し効果大。感染、発症、重症の予防に有効。開発に25年かかっている。最後の1年の治験を急いだだけ。ハンガリー系の学者はノーベル賞。弱いRNAを安定化させる膜の製造に成功。体内で時間がたつとこのRNAは消えるため後の不妊や死亡ということはない。胎児はもともと強く守られているので妊婦でも大丈夫。コロナ株と人間の生存競争。エイズほどではないが進化速度が速く年25回ほどの変異が起こる。2-3年後に大きな変異が起こり、ワクチンが効かなくなる可能性があり、それまでに退治しておかないと。ラムダ株にも効く。遺伝子組み換えではない。子宮頸がんの危険キャンペーンで年3000-4000人が死亡は日本だけ。リスクとメリット、ベネフィットの比較が大事。宗教上などの信念で打たない人も尊重するが、そうでない人は打つべき。

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大学院授業についての報告。KADOKAWA対応。BLOBAL NOTEなどの処理。

9月の人選と本の注文。

近所の温泉「森の彩」でゆっくりする。

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「名言との対話」8月18日。鍵山秀三郎「人間は自分のことばかり考えているうちは悩みが尽きることはない」

鍵山 秀三郎(かぎやま ひでさぶろう、1933年8月18日 - )は、実業家、著述家。

株式会社イエローハットの創業者。東京生まれ。疎開先の岐阜県の東濃高校を卒業。1961年、自動車部品関係の企業ローヤルを創業し、翌年に株式会社に改組。1993年、NPO法人日本を美しくする会。1997年、社名をイエローハットに。翌年退任。

退任時には900億円規模にまで大きくなったが、それから20年以上経った2021年3月期で、イエローハットは売上高1460億円。経常利益140憶円という優良企業に育っている。創業社長の精神が生きているのだろう。

創業以来続けている「掃除」が世間の評判を呼び、掃除運動が国内だけでなく、海外にも広がった。NPO法人日本を美しくする会」(「日本を美しくする会掃除に学ぶ会」)の創唱者としても有名だ。その考えを講演や著書の刊行などで広めている。

著書。「鍵山秀三郎「一日一話」 人間の磨き方・掃除の哲学・人生の心得」「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる 心を洗い、心を磨く生き方」「困ったことばかりでも、何かひとつはよいことがある。」「凡事徹底 平凡を非凡に努める」「便器を磨けば、子どもが変わる! トイレ発!学校改革のススメ」「日々これ掃除 人生福々、会社福々への道」「正しく生きる 人として大切なことは何か」「経営問答塾 一流への道」「人間力を養う生き方」「幸福への原点回帰」「掃除に学んだ人生の法則 掃除道50年の実践哲学」「写真で学ぶ「掃除道」」「小さな実践の一歩から はきものをそろえる」「「大」を疑え。「小」を貫け。」「平凡を極める生き方 小さな実践が生みだす非凡な力」「あとからくる君たちへ伝えたいこと」「人生の作法」「ムダな努力はない 人生の行動指針220」「頭のそうじ心のそうじ 人生をキレイにする」「掃除が起こした「奇跡の力」」「鍵山道場 人間力を磨く法則」「人生を掃除する人しない人 目からウロコの超実践哲学」「会社が光る 「掃除」の実学-やさしさと辛抱強さこそ」「人間を磨く言葉」「仕事の作法」「凡事徹底が人生を変える」などがある。

 以下、鍵山秀三郎語録。

「凡事徹底」。「物を整理し掃除することは頭を掃除することでもあり、ムダや汚れに気づくようになる社員は職務規定に従って仕事をするのではなく、社風に従って仕事をするのであって、社風が向上すれば自然と行動もよくなり、それが顧客への信頼につながる」。「微差、僅差の積み重ねが遂には絶対差となる」。「誰かが思わなければ、そうならない」。「綺麗なところを綺麗にするのが掃除」。「人間は自分のことばかり考えているうちは悩みが尽きることはない」。「目標というのは日常のいろいろな出来事をきちんとやった人のみが持てる」「足元のゴミひとつ拾えぬほどの人間に、何ができましょうか。心を磨くには、とりあえず、目の前に見える物を磨ききれいにすることです。とくに、人のいやがるトイレをきれいにすると、心も美しくなる。人は、いつも見ているものに心も似てきます」。

鍵山は本日で88歳の米寿を迎えた。社長退任は65歳であり、その後の23年は掃除の伝道師となった。私の見立てでは、青年期、壮年期は実業に励み、65歳からの実年期とその後の80歳からの熟年期は、実業から得た真理を世に広めるという社会活動に専念しているということになる。山口市に朴の森・鍵山秀三郎記念館がある。今年、キッズコーナーに「偉人伝記集」を設置している。やはり偉い人の人生から人は影響を受けるという考えだ。

鍵山秀三郎の実践から得た言葉はどれも心を打つが、今回は「人間は自分のことばかり考えているうちは悩みが尽きることはない」という言葉をいただこう。自分のためなら頑張れない、他人のためなら頑張れるのだ。そこには「志」がある。

 本日聞いた五條堀孝先生の講演では、サウジアラビアでは日本人の高潔感(integrity)に感銘を受けているという言葉がよみがえった。鍵山秀三郎のような人物の影響力は、日本人だけでなく、世界に通用する普遍性があると改めて感じる。