図解「JAPAN」プロジェクトーーー規定科目は「花火」「箸」「パチンコ」。自由課題で「ブランド」「鎮守の森」。

『図解塾』の図解「JAPAN」プロジェクト。

規定科目は「花火」「箸」「パチンコ」。自由課題で「ブランド」「鎮守の森」。

以下、塾生の学び。

  • 本日もありがとうございました。講義始まりの恒例の近況報告。今回は先生の、「ライフワーク最も忙しい時に種をまく」です。日記を書く。ですね。今回は、「花火」「箸」「パチンコ」自由課題で「ブランド」「鎮守の森」でした。「花火」は音とその迫力と、もちろんきれいさが好きでしたが、今回は、はかなさが良いのに、ビールを飲みすぎてねてしまう贅沢さと、2時間も見続ける退屈さ、最後にアナウンスされるスポンサーの騒がしさがなんとも楽しいという、横からの観点からの花火のお話で、結局は娯楽、しかもそれぞれ俳句でたとえながら、というのが面白かったです。「箸」は、書かれている文章以外のことをたくさん調べて図解していただいたのがすごかったです。人形浄瑠璃の『仮名手本忠臣蔵』…文章を読んで最初の数行で断念してしまいそうでしたが、図解にしていただいて、箸を浄と不浄の対立する2つの主張で説明していたことが分かりました。ありがとうございました! 「パチンコ」は、ここで中国ではない国ヨーロッパ?アメリカ?からきたものだということが新鮮でした。太平洋を渡ってきたのでしょうか。日本最大の産業だったというのも知らなかったことで、日本だけで発達し、賭博だけど賭博じゃないというスタンスのものが盛んな国なんだということをなるほどと聞いておりました。自由課題での虚構から生まれた「ブランド」のことと「鎮守の森」は、神の聖域を森で囲み俗世間と隔てるということ。そして、明治神宮は、鎮守の森が作られている、など、いろいろとお話を聞けて楽しめました。ありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いいたします。
  • 今日もありがとうございました。仕事がおわらず慌てたのと、スマートフォンを変えてLINEのトークが5年分消失してしまったことで、図解塾のZOOMのIDがわからなくなり、無事入れるまでに、いろんな方に連絡をしてご迷惑おかけしました。「花火」私は、花火には、「はかなさ」と同時に長岡の花火大会のコンセプトにもあるように「鎮魂」の意味を感じていました。それは、花火の持つ華やかさと切なさと、短時間で終わる潔さなどがあると感じていました。草森紳一は、酒井包一の句や与謝野晶子の歌を交えながら情景を例えていましたが、後段は花火は娯楽で贅沢であり、それは平和がなせる業であるように展開して言ったのを、図解で矢印による展開で私にインスピレーションを与えてくれました。また、図解の中で、春夏秋冬に例えるオリジナリティ溢れる感覚はとても素敵だと感じました。「春夏秋冬」のコンセプトを4ブロックにわけで説明してもらったら、もっとそう感じた感性が伝わってくるように感じました。 花火は私も30分くらいがちょうどいいかな、2時間も正座してみるモノではない、やはり贅沢な娯楽でもあるとうなずきました。「箸」高橋睦郎の文章は初見では全く理解できなかった。初見どころか何度みても何で鮹?これってタコでいいなよな、、、と、文言を一つ一つ携帯で検索してもなかなか情景が入ってこず、忌串は、神様に捧げる供物を手で触らずに箸(串)と包丁で料理する神事のあれのことだよな、、、と、その情景だけはなんとなくテレビで見たモノが思い浮かんできたたが、なんとも難解な文章だと罹患することを半ば諦めていました。図解により『仮名手本忠臣蔵』の人物関係からシーンの背景まで教えてもらい、図解によってその情景が浮かび知ることができ、衛生面の話しではなく、不浄と浄の対比からみる日本人の精神性のような感覚が図解から伝わってきて感動しました。「パチンコ」
    パチンコ業界のことは多少しっていたのと、竹内宏の文章は、高橋睦郎のあとだけにとてもイメージがすっと入ってきて分かりやすいと感じました。図解では、シンプルに中央に「大きなパチンコ玉」が鎮座して、吹き出しにより作者の解説がしゃべっているようで面白く感じました。また、お二人の自由課題はそれぞれ面白みがあり、一つは、洗練された大人が本気で遊ぶと虚構が真実になり仕事になるという物語が図解から良く分かりました。二つ目は、神社の周りにある神木、社のも周りの鎮守の森にどこか日本らしさ、日本の精神性を感じるルーツのようなものを図解により感じさせていただきました。私も自由課題に取り組みたいという意欲を戴きました。皆さん今日もありがとうございました。
  • 久恒先生、皆様、おつかれさまです。本日、図解塾。先ずは近況をシェア。☆話題の「ほんまる」探訪、T原さんの枠は何処?☆目籠(めかご)作りに挑戦、笹を割いて編む、枠の部分は硬いので男が担当、などの家庭内工程分担が有ったとか。☆高度成長時代を綴ったインタビュが本になった、自分が担当したパートも有り感激。☆新たな資格養成講座を主催、準備に没頭などナド、各塾生からのトピックは相変わらず充実ぶり。久恒先生からは①「世界を知る力」:☆アベノミクスの呪縛から日本は如何に脱するか⇒総合エンジニアリング力に基づくイノベと医療&防災(コンテナパッケージで迅速出前スキーム)…日本が世界をけん引するオポチュニティ。☆シンガポール定点観測、今やGDPで日本の2~3倍稼ぐ豊かさ、最近中国人の流入が増加中、相続税法人税にメリット大。日本企業も進出、勝ち抜けるか?…定期的な寺島先生のReportを図メモに残し蓄積する事で確かな知見を養える!②青藍工房展で「MetaMoji」の U  ご夫妻と談笑、新製品PJTは着々進行中。③東博法然浄土真宗」展、師匠法然(浄土宗)から育った弟子親鸞が開いた新たな世界(浄土真宗)、一大進化を遂げ民衆の物となる。「要はこうなんだ」と一言簡単に話せたらホンモノの知識!④名言:塚本三郎(1927-2020、民社党書記長・幹事長)、「天敵を排除し独裁者の悲劇が始まる」…反主流派、労組、マスコミといった「対峙」する立場が機能不全では与党が堕落!…今、大当たり!⑤名言:上岡龍太郎(1942-2023、タレント)「芸能生活40周年の2000年に完全引退する」宣言を実行、『出処進退』の哲学と実践、自己革新のもと長く活躍する超有名タレントと一線を画すもう一つの生き方。など…。さて本題、図解「Japan」プロジェクト。本日は規定課題(日本を知る105章:3件)と自由課題の計5件。1)『花火』:パッと咲いてポタっと落ちる⇒星が一つ流れ行く儚(はかな)さ、消えゆく過程に見出される美しさという点に「詫び寂び」にも通じる、日本人のメンタリティをくすぐる魅力が腑に落つ。また作図に当たっては、a)日本の常識論 b)作者(草森氏) c)図解者(塾生) 3つの立場での見解の対比でレイアウトする事によるダイナミックな立体化が期待、一方「俳句」「短歌」の引用により「情景」「リアリティ」が演出されることにより深まりが期待され、今後も楽しみな1枚。2) 『箸』(途方担当):文章の冒頭1/3を占める文楽『仮名出本忠臣蔵』のくだりは理解不能の難文!言葉の意味に始まり登場人物の関係、ストーリと背景など大枠を理解する為「補助図」6枚を併せた大物物件と相なりましたが、複雑極まる文楽のストーリに惑わされる事無く論点をシンプル(いやいや、図自体は結構Busy)に表現でき、安堵。 3) 『パチンコ』:作図者のアジとなった「マル」基調の図で「歴史」「産業規模」「世界ギャンブルとの比較」「経営環境」といった関係各因子別の幅広い記述で『まんだら』を形成した1枚。 4) 自由形『ブランド』(当方担当):小山薫童氏が仲間達と一流プロ総動員で本気で仕掛けた「偽ブランド」ドッキリ。製作した記念品が一流デパート経営者の目に留まり、即商品化&店舗展開が決定したという「虚」から生まれた「実」のハナシ。キャッチ‐で短い言葉を配して流れを作れた事、実際のモノや人物の写真を配しリアルな「イイね」感演出、そんな事が出来た1枚。 5) 自由形『鎮守の森』:「マル」基調の図柄で『杜』感を助長。「…とは」のover viewから始まり、歴史~未来展望、防災などの機能面、そして「明治神宮」もこれと同じという大スケールへと昇華する内容、明確なコトバで強調出来たら尚良しか、今後の広がりを期待させる1枚…。以上本日も大変盛り沢山に情報シャワーを共有できたこと、難解な文章との格闘の末紡ぎ出された図の蓄積が、Graphicalに分かり易い「知識ダム」へと成長していくワクワクが感じられた事が本日の収穫となりました。有難うございました、次回も宜しくお願い致します。
  • 久恒先生、みなさま、本日もありがとうございました。
    今回は、図解「JAPAN」プロジェクトの「日本文化編」4回目。規定科目の『日本を知る105章』から「6_花火」と「7_箸」と「8_パチンコ」、自由科目として「おしゃれ」と「鎮守の森」の5つの図解の発表がありました。規定科目では、前回久恒先生から図解作成者の視点を加えてもいいとの言葉を受けて、ご自身の考えや調べた情報を追加するなど、それぞれ工夫されていたので、原文を読むよりわかりやすいなと思いました。「6_花火」では、図解の作成者の考えや独自の視点で「春夏秋冬」の文字を太字で追加するなど工夫されていたので、著者の花火の解釈の違いがわかりやすかったです。
    「7_箸」では、著者がテーマとした「浄と不浄」の対比が非常にわかりやすく、この浄瑠璃のことを知らなかった方が作った図解とは思えないものだったので、本当に驚きました。実は、著者が取り上げている7段目以外の段を一つひとつ丁寧に読み解いたうえで図解を作成したとのこと。凄い!の一言でした。 「8_パチンコ」では、中央に内容の柱となる単語が集められていたので、そこから繋がっている枠を順に読み解いていくという流れが自然にできました。ほとんどが単語で記載されていたのですが、著者の書いた文章が頭に浮かんでくるような感じがしてわかりやすかったです。自由科目では、お二人の図解の表現方法の違いから、作成者の個性ってこんなに出るものかと、改めて思いました。「おしゃれ」の図解では、中央に大きな太字で伝えたい内容の流れがあって、それぞれの説明等がまわりにつながっている。たくさん情報が詰まっているけれどどこから読み始めればいいかがすぐわかるし、小さい文字でもつながった先にあるものなので自然に興味が湧きました。「鎮守の森」では、丸で囲んだところと囲んでないところを作ることで違いを表現されたり、写真を貼付されたりしていたので、イメージがつかみやすかったです。次回の図解も楽しみにしていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
  • 5月の図解塾に参加させていただきました。久恒先生、皆様、本日もありがとうございました。今回のテーマは、「花火」「箸」「パチンコ」、自由課題として「ブランド」と「鎮守の森」でした。私が担当した「花火」では、「はかなさ」「贅沢さ」「楽しさ」「退屈さ」といった花火の楽しみ方を図解で説明しました。「星一つ残して落つる花火かな」という句が、花火の魅力をよく表していると思います。参加されたメンバーからは、花火の「侘び」「寂び」と言った考えも教えてくださり、私の図解の枠の外に追加することで一層深みが増すとのアドバイスを久恒先生からいただき、大変参考になりました。 「箸」では、難解な文章も図解によって理解が深まりました。人形浄瑠璃の『仮名手本忠臣蔵』の話や、箸で浄と不浄を対比する発想は非常に面白く、普段何気なく使っている箸にも日本人の深い精神性が込められていることを学びました。「パチンコ」については、初めは一軒家の軒下で子供の遊びとして始まったものが、17兆円規模の日本最大のレジャー産業に成長したことが興味深かったです。また、パチンコは一見賭博ではないように見えますが、実際には賭博であり、日本だけで発達しているという点も新たな発見でした。図解によりパチンコ業界の全体像が把握できました。自由課題では、「ブランド」と「鎮守の森」についての図解がありました。「ブランドは共感が創りあげるもの」というテーマでは、遊び心から生まれたブランドが本物のブランドになっていくという話が非常に興味深かったです。遊び心が大切であることを実感しました。図解も丁寧でわかりやすかったです。
    「鎮守の森」については、神社の周りにある鎮守の森が俗世間と隔てる役割を持っているという考え方がとても興味深かったです。明治神宮以外にも鎮守の森がある神社を見かけるので、その役割や意味を理解することができました。今回の図解塾も、日本文化について新たな気づきや発見を得ることができました。これからも引き続き探求していきたいと思います。次回の図解塾も楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、みなさま、図解塾ありがとうございました。「日本を知る105章」の続き。規定科目の「花火」「箸」「パチンコ」の3題と自由科目2題。図解も面白く大変楽しみました。「花火」では、花火に対する思いや感じ方が様々で、「はかなさ」「楽しい」「贅沢」などのほか「退屈」というのもあり、人それぞれと思いましたが、「星一つ残して落つる花火かな」という句が一番印象に残り、「日本」の花火を物語っていると感じました。「箸」では、忌串の浄・不浄から始まって「仮名手本忠臣蔵」の七段目「祇園一力茶屋の場」の名場面に繋がっていくところに驚きましたが、それを図解で表現されているところも素晴らしく、また解説も楽しめました。「パチンコ」では、パチンコ業界が住宅・自動車に並ぶような大きな規模の「産業」であることや、「建前は守っているが実質は賭博」というところ、「日本だけで発達している」という不思議もあり、面白く聴きました。自由課題の「ブランドは共感が創りあげるもの」では、遊び心が創造性の源である好事例だと思いました。チャーミングさも遊び心と同じ根っこにあるようにも感じます。 「鎮守の森」は田園の中にそこだけこんもりした森があるという懐かしい景色。トトロのアニメも連想する日本の原風景だと思いました。大事にしていきたい気持ちに共感します。ということで今回とても面白い内容でした。次回の図解塾も一段と楽しみです。
  • 本日もありがとうございました。他の会議があったため途中からの参加となりました。「花火」はディスカッションのところからでしたが、俳句をちりばめたためたいへん日本的なものになりました。海外でも花火がいろいろなイベントに使われているようですが、「はかなさ」と「ぜいたく」という視点で日本人の花火観を表すという発想はまず思いつきません。欲を言えば、一目見てそれぞれの枠の中の文字が多いかな、と感じましたのでなるべく文にしないのがよいのかな、と思いました。「箸」は正直、当たらなくてよかった、という超難解な文章でした。「仮名手本忠臣蔵」を第1章から調べ、積み上げて1枚にまとめられたのは本当にすごい、と思いました。浄と不浄を対立させたとらえ方、きちんとまとめられていました。しかしこの高橋睦郎という方の箸の見方、実際日常使っている箸と全く別世界のことですね。「パチンコ」は自分が担当させていただきましたが、これは2001年当時の文章であり、現在がどうなっているか、また賭博をめぐって日本人の本音と建前についてさらに深めるとよかったかな、と思います。
     「自由課題」では「日本を知る105章」で取り上げられていない日本や日本人の特徴となる事物を探して挙げることにしました。今回は「鎮守の森」。長年何度もお話をうかがい敬愛してきた宮脇先生のお仕事も紹介できてよかったです。今後も自分なりに日本及び日本人を特徴付けるものを探そうと思います。
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橘川さんと新宿の「らんぶる」でミーティング:表紙。シニアネットワーク。恒久舎。応援。、、、

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「名言との対話」5月22日。石橋博良「気象会社から気候会社へ」

石橋 博良(いしばし ひろよし、1947年1月5日 - 2010年5月22日)は、日本の実業家。株式会社ウェザーニューズ創業者。

千葉県生まれ。北九州大学国語学英米学科を卒業後、安宅産業に入社する。仕事の醍醐味あったが、マネーゲームだと感じ、1970年に担当していた船舶が海難事故に会い、「本当に役立つ気象情報があれば、この海難事故を防げたかも知れない」と考え、船乗りの命を守ることに人生をかけようと決心する。民間海洋気象情報会社・オーシャンルーツに入る。1976年、29歳で日本支社の代表取締役。安全と効率の両立という使命感を持って仕事をする。1980年、本社の副社長で1年6か月のアメリカ生活を送る。

気象予報が無くてなならないのは次のような事例を聞くとわかる。仕出し弁当会社には午前一時に翌日の代々木公園の午前5時からの気象の予報を出す。プロ野球の後楽園スタジアムは1時間3-4ミリ以上の降雨の予測で試合中止するからその予報を出す。朝日放送の「ニュースステーション」では、気象庁の言葉以外で伝えようとし、選択指数、傘指数、ビール指数などを発明した。

1986年、本社の赤字部門を1.8億円で買い、365日24時間体制で「あなたの気象台」としてのウェザーニューズ社を創業する。データベースをきちんと整備し、最適な形で情報を提供するためにエキスパートシステムをきちんと構築し、リスクコミュニケータという業界の知識をきちんと持った予報技術者を育成するに没頭することを続けた。

JAL、ANAを顧客としてAIによる航空エキスパートシステムを10年かけて完成する。ディスパッチャーという名前の運航管理者の入社でリスクコミュニケータが1994年にデビューした。気象と経済活動の思わぬ相関関係があることを発見する。冷夏になると目薬が売れるのは子どもたちがプールに行く回数が減るからだ。エルニーニョ現象がアンチョビの不漁を招き、かわりにアメリカ産大豆の需要が増え、結果的に日本の豆腐の値段の高騰を引き起こした。コンビニでは天気や体感温度で商品の売れ行きが変わるから予報が大事になる。リスクコミュニケータは「横浜市港北区の午後6時から午後11時までの総降水量は150ミリ」との情報を提供できる。顧客の言葉に翻訳し情報をグラフィックに変えて提供する。農業はもはや天気まかせではなく、気象データを用いて作物の生育予測が可能であり、また病害虫駆除の処置も可能で1キロ四方の精密さで病害虫の発生予測をしている。

1993年、オーシャンルーツ社の全株式を取得し、「お天気は眠らない」をモットーとした世界最大の気象情報会社となる。以下の様に気象に関するあらゆるデータを集めている。世界各国の気象庁発表のデータ。世界中の空港気象データ。高層観測データ。アメリカ海軍の収集した気象データ。ヨーロッパ中期予報センターの数値予報データ。宇宙からのデータ。日本の気象衛星ひまわりからのデータ。気象庁のデータ。1300か所に設置されたアメダスからのデータ。全国20サイトの気象レーダからのデータ。ウェザーニュー社独自の観測データ、気象庁も持たない雷データ。風向・風速、気温、海水温、気圧、降水量、雲量、雲形、河川水位、海氷、波、台風、ハリケーン、、、。30分前のガイアの体温と脈拍を感じる仕事である。

気象とは「全体」と「部分」の精妙な関連であるから、東京という部分と地球という全体で予報が可能になる。天気を稼業とする人間はボーダーレスの仕事をしているのだ。この気象情報を相手にするビジネスは、まさにビッグデータ時代の寵児であると思う。

石橋は夢を語っている。すでに小学校の学区単位で予報、局地予報が可能になっている。1日10円、1年3650円で、自宅の空の天気予報を出したい。双方向になると全国に人間アメダスがいることになる。アジアの気象情報システムづくりという夢もある。情報民主主義の世界を創り出す。それができたらリタイヤし、北海道でダービー馬を育てる。しかし、志半ばで倒れることになるが、育てた仲間が石橋の志を継いでいる。

2010年、南極観測船「SHIRASE」の第二の船出を宣言したグランドオープンから20日後、石橋は永眠した。余命3か月の宣告だったが、このプロジェクトを遂行することで命の火を燃やし2年6か月を生き抜いた。石橋博良は気象革命の旗手だった。 

今では気象情報は、天気アプリ「ウェザーニュース」は3700万のダウンロードがあり、ゴルフ、洗濯など個人に役立つ情報の地位を獲得している。そして、コンビニ、テーマパークなどあらゆる業界に必要なインフラとなっている。気象情報の提供によって、できる。損失を回避し、売り上げを伸ばすことができるからだ。考えてみれえば、天気に関係していない産業は見当たらない。売り上げが過去最高を記録し続けていることがそれを証明してる。

石橋の後輩たちは、日々の気象情報を扱うだけでなく、数十年を視界に置いた「気候」も見据えている。人類の課題である「気候変動」にも貢献しようとしている。気象革命を先導してきたこの会社のテーマは、「気象会社から気候会社へ」へ進化している。創業者の石橋博良の蒔いた種は順調に育っている。