「一番肝心なところを書いていない。そこを書きなさい」-名編集者

懐かしい方からメールをいただいた。

私の代表作である「図で考える人は仕事ができる」(日本経済新聞社)を担当していただいた名編集者だ。時代を読むカンと優れた編集技術を持つ人で、2002年当時は次々とベストセラーを世に出していた。http://www.hisatune.net/html/02-kenkyuu/tyosaku/bookde/shigotogadekiru/2002-shigoto.htm
「あなたの本はいくつか読んだが、一番肝心なところを書いていない。図解とは考えることが本質ではないですか、そこを書きなさい」という直球を投げこまれて、「そのとおり」と心が奮い立った。
「図解のことを図解を使わないで、文章で書いてください」という注文も出た。なるほど、過去の本は図を用いたために、理屈を丁寧に書いてはいなかった面もある。
「図解という言葉より、図という言葉を使いたい」とも言われた。確かに図の方が広い概念であり、結果的に本にふくらみがでることになった。

完成したあとは、「この本をマーケットがどう評価するか、楽しみです」とおっしゃって、そのとおり一気に話題になり、その後の人生が一変して今日にいたっている。この方の編集人生でも2番目に印象に残る本になったという感想をもらった。

その後、「図で考える人は仕事ができる・実践編」、「合意術-深堀型問題解決のすすめ」などの本をつくってもらった。Yさんは私を世に出していただいた恩人である。
http://www.hisatune.net/html/02-kenkyuu/tyosaku/bookde/shigotogadekiru,jissennhenn/2005-shigoto.htm
http://www.hisatune.net/html/02-kenkyuu/tyosaku/bookde/gouijyutu/2005-goui.htm
セコムの飯田さんの取材でご一緒したり、東京丸の内の21Cクラブ、仙台の大学の研究室、そして泉ケ岳のやまぼうしという温泉での企画会議など、随分とお付き合いいただいた。そういえばランニングが趣味で海外のマラソンに市民ランナーとしてよく出ていた。仙台駅からやまぼうしまで走っていくと言われて驚いたことも懐かしい。温泉につかりながら「あなたの考えはオリジナリティがあるから、アメリカの出版に挑戦するか、アメリカの大学に行って研究しなさい。そして日本に再上陸したらいい」ともいわれたことがある。

そのYさんが、数年前に病魔に倒れてしまったことを奥さまからのハガキで知り驚いた。その後、日常生活ができるまで復活されたと聞いていたが、本日、メールをいただいた。嬉しくて自宅に電話をかけて、久しぶりに話ができた。電話口の様子からは、昔との変化を感じなかった。そのYさんと近々、お会いすることになった。

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午前中は、講義。
昼休みは、教員ラウンジで学部長、高野課長と打合せ。
午後は、今年から始まった1年生のための「プレゼミナール」の合同講義。私が担当で1時間ほど話をした。
終了後、多摩大総研の松本先生と打合せ。
その後、諸橋学部長、菅野先生、樋口先生と歓談し、昨年着任した教員の食事会の日程調整。
夕刻は、学外で用事があって大学から車ででかける。
報道ステーションで寺島さんの、民主党代表選、新型インフルエンザ対策、夕張の高校生の活躍などについてのコメントを聞く。