「オバマ新政権の行方を読む」(渡部恒雄)-多摩大リレー講座

k-hisatune2009-05-14

寺島実郎監修リレー講座の4回目は、東京財団ディレクター・上席研究員の渡部恒雄さんの講演、渡部さんはアメリカに戦略国際問題研究所(CSIS)など有名なシンクタンクに15年いたということもあり、アメリカ通として近年サンデープロジェクトなどで活躍している。1963年生まれ。東北大学歯学部卒。1989年から米国滞在。三井物産戦略研究所を経て東京財団へ。
始まる前に名刺交換。  今日の一枚の写真はゼミの風景。

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  • アメリカでは政権交代時にはシンクタンクが大きな役割を果たしている。
  • 政権交代時には政府では3000人が政治任用で交代する。このとことが大きな政策転換ができるという面もあるが、イラク戦争を起こしたネオコンなど危険な面もある。
  • シンクタンクなどから政権入りする幹部も多く、過去の論文などを読むことによって、人事面からみていくと政策の予測可能性が高まる。
  • オバマ民主党国連重視になる。ブッシュの単独行動主義から変化。
  • 中道から左派のシンクタンクは、CSIS(中道系)、カーネギー平和財団、ブルッキングス研究所、国際経済研究所、米国進歩センター(政権移行チーム責任者を出した)、、。
  • オバマ政権にはアジアをよく知っている人が入っている。日本は重要という認識を持っている。
  • オバマ政権。黒人大統領。イスラムの流れ(ハーフネームはフセイン)をもつ、アジアに住んだことがあるなど多様なバックグランドを持つ。グレートコミュニケーターとしてプロセスを大事にする(レーガン大統領、F・ルズベルト大統領を尊敬)。
  • 2008年リーマンブラザース破綻の9月15日で大統領選の流れが変わった。緊急の輸血ともいうべき7000億ドル以上の金融再生法が9月末の議会にかかった時、マケインはあたふたしたが、オバマ民主党を説得し危機にふさわしいリーダーということを示した。これでオバマ大統領誕生の流れになった。
  • オバマ大統領の経済政策。枠組みを提示。48歳のガイトナーが担っているが、大統領アドバイザーとしてサマーズやボルカーを持っており、次のカードも用意している。
  • 経済政策の柱の景気対策景気循環のらための刺激策)は、減税と公共投資。老朽化で道路など公共インフラに危険があるのでそれに投資。そしてグリーンニューディールに投資。
  • 経済政策のもう一つの柱の金融政策(経済の病気をなおす)では、不良債権処理を行っている。
  • オバマ大統領は国内景気の立て直しに全力を傾注しており、外交は有能なクリントン国務長官を起用し任せている。テロの根拠地アフガンとパキスタンの核への対処。
  • オバマ大統領のやり方の特徴は以下。ブッシュのイデオロギー重視と非現実主義とは大きな違い。
  • 必要な政策をバランスよく見まわし、優先順位をつけて実行。
  • チーム・オブ・ライバルズ(強い個性の人材を使うことへのためらいがない)
  • 現実主義(リアリズム)と実用主義プラグマティズム
  • 中国が大事だが、日本も大事。中国の将来の危険ヘッジとして日本も大事に考えている。
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9時:学長室ミーティング
11時:大学ホームページの打ち合わせ
14時50分:リレー講座
16時20分:ゼミ(2年・3年)

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15日の日本経済新聞11面(企業)に、「多摩大学創立20周年記念 寺島実郎 新学長講演会&シンポジウム」の全五段広告。2回目。