「関東大震災」(吉村昭)と「日本復興計画」(大前研一)

1977年刊行の文春文庫「関東大震災」の新装版である。全東京市の死者の55%強(3万8千人)を数えた本所横綱町にあった被服廠跡の大惨事は詳細を極めている。この地には現在は復興記念館が建っている。
同じ著者の「三陸海岸津波」(文春文庫)と同じく読んでおきべき記録である。

関東大震災 (文春文庫)

関東大震災 (文春文庫)

「日本復興計画」。この本の1章は3月13日、2章は3月19日の大前研一氏の衛星放送での発言を収録したもので、原発関係の現状把握、予測の正しさが証明されている。当時、ネット上で大きな話題になった。
原子力立国は終わり」「東京電力は倒産、原子力発電は国営化」「東電配電会社に」「原子炉完全冷却には5年以上」「5キロ圏内には未来永劫、人は住めない」「日本の農業は復興しない」、、、。
復興のために「低地は緑地と公共の建物、高台に新しい住宅コミュニティ」「統合漁港」「消費税2%4兆円を1-2年」「プルトニウムを貯めていつでも原爆をつくれるようにしておく」、そして最後は「道州制」「日本人のメンタリティの変革」という持論を展開している。

日本復興計画 Japan;The Road to Recovery

日本復興計画 Japan;The Road to Recovery