JICA(国際協力機構)で国際協力人材研修の講師

本年度2度目のJICA(国際協力機構)の専門家派遣前研修の講師をつとめた。前回7月の受講生の藤島さんから赴任地のモザンビークに到着したという報告が朝メールで来た。「日本とは違い、寒い現地の人はフードをかぶっています。18度くらいでしょうか」。

本日は32人の受講生。年齢は29歳から59歳まで。所属は中央省庁、研究所、大学、、。
赴任地は、コロンビア、インドネシアカンボジア中華人民共和国、インド、モザンビーク、ケニア、エジプト、エチアピア、ラオアス、マレーシア、ベトナムイラクウガンダ、タイ、ザンビア

研修をしながら、どういうミッションを持って途上国に行くのかを観察するが、国造りという仕事の大きさとそこで働こうとする人たちに敬意を覚える。以下、概要。

2015年オープン予定の大エジプト博物館の保存研修センタープロジェクト(円借款350億円)、気候変動対策制作支援プロジェクト、地雷被害者を中心とした障害者リハビリテーション体制の強化(コロンビア)エチオピア灌漑設計施行能力向上プロジェクト、マレーシア日本国際工科院と日本の大学コンソーシアムの連携、マレーシアの海上保安への技術協力、ベトナムホーチミン市の水環境の改善、ベトナムの地域水道人材育成、中国の労働衛生環境の充実強化プロジェクト、ベトナム税務行政改革、女性・赤ちゃんの安全、ケニア産業省の一村一品事務局支援、ラオス環境省の森林モニタリングの技術移転、イラク農業・水資源省の園芸技術普及、ベトナムの都市水道事業体能力開発プロジェクト、中国の耐震建築人材育成プロジェクト、バイ燃料抽出技術の確立(モザンビーク)、カンボジアの納税関係プロジェクト、インドの大学と日本の大学との連携、、、。

一つひとつが興味深いプロジェクトだ。私はこういう国際協力人材のコミュニケーション能力の育成を担当しているのだが、様々の専門家の能力と技術を結集してプロジェクトを遂行するプロジェクトエンジニアリングが求められていると思う。それは日本の政府、企業、大学、などで国際展開に関係する人材に必要な能力である。

「本当に役に立つスキル」「先生の考え方に大いに賛同」「現地でのプロジェクトの進捗をお知らせします」「図的なものの見方は総合的に見ることだ」「目からウロコ」、、。

JICAを通じ日本のODAを使ったこういう地道な国際協力活動が世界から感謝されていることは、今回の東日本大震災で記録的な義捐金が集まったことで証明されているように思う。
国際協力の第一線で活躍する人たちに教えることが出来るのは嬉しいことだ。