消防大学校で「救急隊長」の教育を担当


今年から調布市深大寺の消防大学校に通い始めた。
総務省消防庁所管の大学校だ。英語ではFire and Disaster Management Collegeという。火事と災害を食い止める学校である。国と都道府県の消防事務に従事する職員、市町村の消防職員、消防団員の幹部教育を行う教育機関だ。

今までは幹部教育を担当していたが、今回は「救急隊長」が受講生になった。
救急車に乗っている救急隊は、隊長と隊員と運転手の3人一組で行動する。主としてけが人や患者を搬送するのが任務だが、近年は車内での「救命処置」ができるようになった。だから医療知識が必要になり、6-7か月の医学の勉強を経て、救急救命士という国家資格を取るようになってきた。救命処置とは、空気の通り道をつくったり、点滴をしたり、AEDを使ったりという動きのことだ。今回の受講生の数か月の教育訓練プログラムをみると裁判所の見学も入っている。微妙な部分も受け持つようになって、訴訟への対処も必要になってきている。大変な仕事であり、医療技術の進歩にも対応するために日々勉強だそうだ。

授業科目を概観すると、一般教養、消防法制、消防管理、消防運用、演習、日課、研修、効果測定などに分かれている。中心は消防運用で、病院との連携、警察との連携、リスクマネジメント、観察、現場管理、広報広聴、ドクターヘリとの連携、法医学、精神疾患、、、など重要な科目が並んでいる。
次に授業時間が多いのが消防管理という分野で、惨事ストレス対策、教育技法、接遇、リーダーシップ論、危機管理広報、メンタルヘルスなどと並んで、私が担当する「図解コミュニケーション」が入っている。この分野は消防分野以外の講師も多い。

教科書として拙著「図解で身につく! ドラッカーの理論」(中経の文庫)を指定してあり、全員の机の上に置いてある。

受講生は、33歳から50歳までで平均年齢は42歳。北海道から沖縄まで36名。釧路、花巻、気仙沼、つくば、茨城、太田、狭山、伊奈、浦安、四街道伊、東京、藤沢、大和、村上、魚沼、石川、奥能登、長野、江南、知多、湖北、大阪、高槻、鳥取、江津、岡山、広島、山口、みよし、愛媛、久万高原、久留米、唐津壱岐、沖縄。

以下、アンケートから。

  • イノベーションは「改善」がもたらすという部分が印象に残った。
  • 「前例踏襲」「固定観念」に対して納得できました。
  • 気仙沼の復興はまだまだかかりそうですが、頑張ります。
  • 救急救命士の教育に図解を取り入れていきたいと思います。
  • 自分の考え方を上司、部下、市民等に納得してもらえるようになる。
  • 人を納得させられる
  • 全体を把握するいい機会でした
  • あらゆる面でいかに深く思考して取り組んでいないかを実感させられました。
  • 普段使っている言葉について考えさせられました。
  • 訓練期間中に、図解でノートをとれるようにがんばってみたい。変われるか試してみたい。
  • ノートを図メモでまとめる

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