「海図の世界史」(宮崎正勝)

「海図の世界史」(宮崎正勝)をこのところ毎日少しづつ読んで読み終わった。
世界の歴史は、世界の俯瞰図作成の歴史であるともいえる。陸上の生活から生み出されたのがマップで、海上の航海に役立てるためにできたのがチャートである。
紀元2世紀のエジプトのアレクサンドリアで活躍したプトレマイオスが作った世界図が長く通用していたが、大航海時代を迎え、近代の国々の為政者と多くの航海者と商人の大競争の中で、アジア、アメリカが次第に実際の姿に認識されていく。
ポルトガル。スペイン、オランダ、イギリス、、、、などの近代国家、そしてコロンブス、ガマ、マゼラン、ベスプッチ、クック、マハン、、、、などの登場人物が少しづつ切り拓いていく。
膨大な研究の上に立つこの本は、海図という視点から近代を描いていく壮大な歴史絵巻だ。

海図の世界史―「海上の道」が歴史を変えた (新潮選書)

海図の世界史―「海上の道」が歴史を変えた (新潮選書)