「大中華圏-ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る」(寺島実郎

丸の内オアゾで日本マイクロソフトのプラットフォームマーケッティンググループの富士野シニアプロダクトマネージャーと1時間ほど面談。製品の販路拡大についての意見を求められる。

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夜は丸の内の日本興業倶楽部で寺島文庫リレー塾のセミナー。講師は寺島実郎さん。今後は、佐藤優(日本の外交戦略)、安藤忠雄(人生を企画する)、佐高信護憲派列伝)、寺島実郎[2014年への視座)。全部出席予定。http://www.terasemi.jp/relay_detail/id=135

本日の講演テーマは「大中華圏--ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る」。中国で逮捕された朱建栄さんの代役。
以下、要約。

  • 知的三角測量。
  • 「日米関係は米中関係である」(松本重治)
  • 中国との付き合い方。
    • 悩み抜きながらの2500年。鎖国は中国からの自立の過程だった。明から清への移行期。日清戦争の勝利が転機となり劣等感が優越感に反転。アジア太平洋戦争の敗戦を米国の物量への敗北ととらえたが、実際は米中の連携に敗れた。
    • 現在の中国は55の少数民族を抱える巨大な多民族国家。「中華民族の偉大な復興」は内を束ねる統合のキーワードであり、香港・台湾・シンガポールなど華僑・華人を含んだ大中華圏を意識した外へ向けてのネットワーク型発展のキーワードの両面を持つ。
    • 周近平の二つの原体験は、米国留学と下放体験。G2論者、泥臭さ。24年間田舎の役人だった。バブリー中国への批判的な目。引き締め路線。リコノミクス。
  • 先週の日米の2+2。ケリー国防長官とヘーゲル国防長官の千鳥ヶ淵戦没者苑への献花。靖国神社は認めないというメッセージ。靖国には4.9万人の朝鮮・台湾人の日本軍兵士が合祀されているる(遺族年金なし。戦後賠償は終わっている)。A級戦犯も合祀されている。(東京裁判には疑問はあるが、戦争の責任者には罪はある)。
  • 日本はサンフランシスコ講和条約で、東京裁判を認めた上で国際社会に復帰した。軍国主義のシンボルへの参拝は軍国主義復活の疑惑を与える。
  • 尖閣列島日米安保の適用対象」というアメリカのメッセージは、日米安保第5条の「同盟国責任を果たす」ということを言っているに過ぎない。同盟国責任にはさまざまな選択肢がある。「施政権」があり実効支配していることを認める、ということは竹島問題では韓国を支持するということでもある。
  • アメリカのアジア戦略は影響力の最大化。あいまい作戦。
  • アメリカの悪夢は日中同盟。日本の悪夢は米中接近。
  • 日本のアメリカへの過剰依存は冷戦時代の産物。本当の自立・自尊が重要。